国内

岡田晴恵氏 オミクロン株は「いかに早く検査して薬を出せるかが重要」

感染症対策の情報を発信している岡田晴恵・白鴎大教授

感染症対策の情報を発信している岡田晴恵・白鴎大教授

 新型コロナウイルス「第6波」が襲来した。オミクロン株とはいったい何なのか。「コロナの女王」岡田晴恵・白鴎大教授に疑問をぶつける。【全4回の第3回。第1回はこちら

 * * *
Q. 新型コロナの治療薬はオミクロン株にも効く?

A. 新型コロナの治療薬でウイルスが細胞に侵入するのを防ぐ中和抗体薬には「抗体カクテル」(カシリビマブ、イムデビマブ)があり、入院・死亡リスクが70%低下するとされています。しかし、オミクロン株の変異した部分によっては、細胞への侵入を防ぐ効果に影響が出る恐れがあると指摘されています。中和抗体薬のソトロビマブは入院・死亡リスクが79%低下するとされ、こちらはオミクロン株に似たウイルスでの実験の結果、オミクロン株にも効果があるとしています。

 今、私たちが注目しているのは抗ウイルス薬で、厚労省が昨年12月に特例承認した米メルク社のモルヌピラビルという初の「飲み薬」です。入院や死亡のリスクを30%ほど減らすとされています。オミクロン株でも効果は変わらないのではないかと示唆されています。

Q. 日本で「飲み薬」が承認されたから安心?

A. 薬があっても必要な時に服用できなければ意味がありません。日本の場合は早く検査をして、確定診断が出て、速やかに薬が投与できるのかという問題があります。確定診断が出ないと薬は出せないので、そのシステムがきちんとできるのかが重要です。

 さらに現在、承認されているモルヌピラビルは米メルク社のもので、輸入になります。はたして日本が潤沢な薬を確保できるのか、それがオミクロン株の急速な感染拡大に追いつけるのか。オミクロン株の潜伏期は約3日でこれまでより短いため、いかに早く検査をして、早く薬を出せる状況にできるのかが重要です。

Q. 重症化しにくいなら医療逼迫は起きない?

A. オミクロン株の感染者が軽症や中等症であっても、医療を求める人がたくさん出ます。デルタ株までは重症者病床の占有率が注視されましたが、オミクロン株は同時に多く感染者が出るため医療が混乱します。加えて、たくさんの人が感染することによって、遅れて重症化する人も出て医療が逼迫する可能性があります。

関連記事

トピックス

2014年に結婚した2人(左・時事通信フォト)
《仲間由紀恵「妊活中の不倫報道」乗り越えた8年》双子の母となった妻の手料理に夫・田中哲司は“幸せ太り”、「子どもたちがうるさくてすみません」の家族旅行
NEWSポストセブン
詐称疑惑の渦中にある静岡県伊東市の田久保眞紀市長(左/Xより)
《大学時代は自由奔放》学歴詐称疑惑の田久保市長、地元住民が語る素顔「裏表がなくて、ひょうきんな方」「お母さんは『自由気ままな放蕩娘』と…」
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《自宅から遺体見つかる》遠野なぎこ、近隣住民が明かす「部屋からなんとも言えない臭いが…」ヘルパーの訪問がきっかけで発見
NEWSポストセブン
大谷翔平(時事通信)と妊娠中の真美子さん(大谷のInstagramより)
《大谷翔平バースデー》真美子さんの“第一子につきっきり”生活を勇気づけている「強力な味方」、夫妻が迎える「家族の特別な儀式」
NEWSポストセブン
詐称疑惑の渦中にある静岡県伊東市の田久保眞紀市長(HP/Xより)
田久保眞紀市長の学歴詐称疑惑 伊東市民から出る怒りと呆れ「高卒だっていい、嘘つかなきゃいいんだよ」「これ以上地元が笑いものにされるのは勘弁」
NEWSポストセブン
東京・新宿のネオン街
《「歌舞伎町弁護士」が見た性風俗店「本番トラブル」の実態》デリヘル嬢はマネジャーに電話をかけ、「むりやり本番をさせられた」と喚めき散らした
NEWSポストセブン
横浜地裁(時事通信フォト)
《アイスピックで目ぐりぐりやったあと…》多摩川スーツケース殺人初公判 被告の女が母親に送っていた“被害者への憎しみLINE” 裁判で説明された「殺人一家」の動機とは
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《女優・遠野なぎこのマンションで遺体発見》近隣住民は「強烈な消毒液の匂いが漂ってきた」「ポストが郵便物でパンパンで」…関係者は「本人と連絡が取れていない」
NEWSポストセブン
記者が発行した卒業証明書と田久保市長(右/時事通信)
《偽造or本物で議論噴出》“黄ばんだ紙”に3つの朱肉…田久保真紀・伊東市長 が見せていた“卒業証書らしき書類”のナゾ
NEWSポストセブン
JESEA主席研究員兼最高技術責任者で中国人研究者の郭広猛博士
【MEGA地震予測・異常変動全国MAP】「箱根で見られた“急激に隆起”の兆候」「根室半島から釧路を含む広範囲で大きく沈降」…5つの警戒ゾーン
週刊ポスト
盟友である鈴木容疑者(左・時事通信)への想いを語ったマツコ
《オンカジ賭博で逮捕のフジ・鈴木容疑者》「善貴は本当の大バカ者よ」マツコ・デラックスが語った“盟友への想い”「借金返済できたと思ってた…」
NEWSポストセブン
米田
《チューハイ2本を万引きで逮捕された球界“レジェンド”が独占告白》「スリルがあったね」「棚に返せなかった…」米田哲也氏が明かした当日の心境
週刊ポスト