Q. 感染者数より重症者数を重視したほうがいい?
A. 最初の入り口は感染者数です。感染者が増えれば重症者も増えます。「重症化率が10分の1に減ったとしても、感染者が10倍出たらダメだ」とは田村憲久・前厚労相が昨年私に語った言葉ですが、今まさに現実になっていると思います。先手の対策が必要です。
Q. 後遺症はある?
A. オミクロン株の後遺症についてはまだ不明です。新型コロナの後遺症については最近はあまり報道されません。後遺症には「ブレインフォグ」という頭の中に霧がかかったような状態の症例報告があります。これが急性期だけでなく、長く残ると怖い。オミクロン株は後遺症についてまだデータがなく不明瞭なところがあるからこそ、楽観視しない。「軽症だから」と油断するのは時期尚早です。
(第4回につづく)
【プロフィール】
岡田晴恵(おかだ・はるえ)/共立薬科大学大学院修了後、順天堂大学で医学博士を取得。国立感染症研究所、ドイツ・マールブルク大学医学部ウイルス学研究所、経団連21世紀政策研究所などを経て、白鴎大学教授。専門は感染免疫学、公衆衛生学。テレビやラジオへの出演、専門書から児童書まで幅広い執筆などを通して感染症対策に関する情報を発信している。
※週刊ポスト2022年1月28日号