好守備を見せる中日・宇野勝(1987年撮影。時事通信フォト)

好守備を見せる中日・宇野勝(1987年撮影。時事通信フォト)

中日・宇野勝は「もっと評価されていい」

 宮本は2月7日公開のYouTube『川上憲伸 カットボールチャンネル』で“ショート12年寿命説”を唱えている。コンバート後も含めてシーズン連続100試合以上出場を基準とした場合、前述の選手を見ると藤田12年、豊田12年、石毛14年(ショート6年)、池山7年、山下10年、高橋13年(ショート12年)、野村10年、吉田16年(ショート14年)、井端9年、鳥谷15年(ショート13年)となる。

「宮本は1997年にショートのレギュラーを獲得してから2008年のシーズン途中でサードに転向していますから、約12年ショートを守り続けた(2004年はアテネ五輪参加、2006年は故障で規定打席には到達せず)。そんな自身の経験も踏まえて出た言葉だったのでしょう。

 鳥谷は13年連続守っていますが、1年目はショート52試合、セカンド30試合でした。吉田はセカンドにコンバートされた2年目にはセカンド69試合、ショート65試合を守っています。その年は35歳で当時にしては、かなりのベテランでした。いずれにしても、12年以上持った選手は歴史に名を残していますね」

 トリプルスリーを達成した松井稼頭央は西武で8年、メジャーで1年ショートのレギュラーでその後セカンドに転向。ずっと日本にいたらどのくらいショートを続けられたか見たかったファンも多いだろう。

「歴代の選手でもう少し評価されてもいいと思うのは、中日の宇野勝です。通算338本塁打、936打点を挙げた大打者の割に、頭でボールをヘディングした珍プレーのイメージが強いですが、ショートで初めて本塁打王に輝いた偉業を達成しています」

 宇野はショートで130試合フルイニング出場した1984年、シーズン終盤の両チームの敬遠合戦が物議を醸したものの、阪神の掛布雅之と37本塁打でタイトルを分け合った。翌年も、バースの三冠王の影に隠れたが、リーグ2位の41本塁打を放っている。ショートで2年連続フルイニング出場という偉業を成し遂げたにもかかわらず、28歳を迎える1986年にはサードへ。極度の不振に陥ると、星野仙一監督1年目の1987年はショートに戻り、その後はポジションを転々とした。

「この年も30本塁打を打ってフル出場。チームの顔なのに、翌年に立浪和義が入団すると、セカンドへ。しかし、その翌年は立浪の怪我もあって、またしてもショートでの守備出場が103試合を数えました。立浪が戻った1990年には外野にも挑戦し、翌年からはサードへ移った。チーム事情で散々ポジションを動かされながらも、1987年以降も25本塁打以上、70打点以上を4度も記録し、1989年には3割4厘でリーグ6位の打率を誇った。これだけチームのために働いたのに、1993年にはロッテへトレードされてしまいました」

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