ライフ

江戸時代の食文化 蕎麦、鰻、寿司、天麩羅の「四天王」は屋台で確立

歌川国安『日本橋魚市繁栄図』部分(国立国会図書館蔵)。日本橋から江戸橋までの日本橋川北岸が「魚河岸」と呼ばれ、ここで棒手振(ぼてふり)たちは魚を仕入れて売り歩いた

歌川国安『日本橋魚市繁栄図』部分(国立国会図書館蔵)。日本橋から江戸橋までの日本橋川北岸が「魚河岸」と呼ばれ、ここで棒手振(ぼてふり)たちは魚を仕入れて売り歩いた

 人気の時代小説、とくに江戸時代を描いた作品には、美味しい料理が欠かせない。江戸料理・文化研究家の車浮代氏が、たらふく白米を食べ、初物に目がなく、鰻屋でしっぽり食を楽しめる時代である江戸時代の食文化について解説する。

江戸に食文化が花開いた背景

 江戸初期、人口の8割ほどは男性だった。町づくりのため、各地から集められた大工や人足、参勤交代で地方からやってくる幕臣たち、新しい町で一旗揚げようという商人や職人が集まり、徳川家康の地元である三河地方の、味噌を主にした塩気の多い、素朴な食事がなされていた。

 やがてさまざまな産業の生産性が高まり、上方からの流通が盛んになり、煮炊きをする女性の数も増加。大火後の突貫工事の現場付近に屋台が立ち並び、一膳飯屋などができ始めた。外食産業が花開くとともに、庶民が食事を選び、楽しめる時代が訪れたのだ。

1日3食が始まり、米は1日5合

喜多川歌麿『台所美人』(ColBase https://colbase.nich.go.jp/)

喜多川歌麿『台所美人』(ColBase https://colbase.nich.go.jp/)

 1日3食が定着したのは元禄期以降。大きな理由の一つは照明油(菜種油など)の普及により、人々の1日の稼働時間が長くなったこと。その分、それまでの朝夕2食では体が持たず、昼間に1食増やすようになった。白米が食べられることを誇りにしていた江戸の成人男性は、1日5合もの飯を食べたとされる。

関連記事

トピックス

サントリー新浪剛史会長が辞任したことを発表した(X、時事通信フォト)
大麻成分疑いで“ガサ入れ”があったサントリー・新浪剛史元会長の超高級港区マンション「かつては最上階にカルロス・ゴーンさんも住んでいた」
NEWSポストセブン
サークル活動にも精を出しているという悠仁さま(写真/共同通信社)
悠仁さまの筑波大キャンパスライフ、上級生の間では「顔がかっこいい」と話題に バドミントンサークル内で呼ばれる“あだ名”とは
週刊ポスト
サントリー新浪剛史会長が辞任したことを発表した(時事通信フォト)
《麻薬取締法違反の疑いでガサ入れ》サントリー新浪剛史会長「知人女性が送ってきた」「適法との認識で購入したサプリ」問題で辞任 “海外出張後にジム”多忙な中で追求していた筋肉
NEWSポストセブン
『週刊ポスト』8月4日発売号で撮り下ろしグラビアに挑戦
渡邊渚さんが綴る“からっぽの夏休み”「SNSや世間のゴタゴタも全部がバカらしくなった」
NEWSポストセブン
米カリフォルニア州のバーバンク警察は連続“尻嗅ぎ犯”を逮捕した(TikTokより)
《書店で女性のお尻を嗅ぐ動画が拡散》“連続尻嗅ぎ犯” クラウダー容疑者の卑劣な犯行【日本でも社会問題“触らない痴漢”】
NEWSポストセブン
オリエンタルラジオの藤森慎吾
《オリラジ・藤森慎吾が結婚相手を披露》かつてはハイレグ姿でグラビアデビューの新妻、ふたりを結んだ「美ボディ」と「健康志向」
NEWSポストセブン
川崎、阿部、浅井、小林
〈トリプルボギー不倫騒動〉渦中のプロ2人が“復活劇”も最終日にあわやのニアミス
NEWSポストセブン
別居が報じられた長渕剛と志穂美悦子
《長渕剛が妻・志穂美悦子と別居報道》清水美砂、国生さゆり、冨永愛…親密報道された女性3人の“共通点”「長渕と離れた後、それぞれの分野で成功を収めている」
NEWSポストセブン
結婚を発表した趣里と母親の伊藤蘭
《母が趣里のお腹に優しい眼差しを向けて》元キャンディーズ・伊藤蘭の“変わらぬ母の愛” 母のコンサートでは「不仲とか書かれてますけど、ウソです!(笑)」と宣言
NEWSポストセブン
寄り添って歩く小室さん夫妻(2025年5月)
《お出かけスリーショット》小室眞子さんが赤ちゃんを抱えて“ママの顔”「五感を刺激するモンテッソーリ式ベビーグッズ」に育児の覚悟、夫婦で「成年式」を辞退
NEWSポストセブン
負担の多い二刀流を支える真美子さん
《水着の真美子さんと自宅プールで》大谷翔平を支える「家族の徹底サポート」、妻が愛娘のベビーカーを押して観戦…インタビューで語っていた「幸せを感じる瞬間」
NEWSポストセブン
24時間テレビで共演する浜辺美波と永瀬廉(公式サイトより)
《お泊り報道で話題》24時間テレビで共演永瀬廉との“距離感”に注目集まる…浜辺美波が放送前日に投稿していた“配慮の一文”
NEWSポストセブン