国内

団塊世代が後期高齢者入目前 老人ホームでの“自由恋愛”の光と影

男女の交際に厳しかった日本社会で初めて自由に「デート」を楽しんだ世代ともいわれる(イメージ)

男女の交際に厳しかった日本社会で初めて自由に「デート」を楽しんだ世代ともいわれる(イメージ)

 2025年に日本社会は大きな転換点を迎える。「団塊の世代」の約800万人が後期高齢者となり、国民の「5人に1人」が75歳以上、65歳以上は人口の3割を超える“超超”高齢化社会に突入するのだ。

 団塊世代はそれまで男女の交際に厳しかった日本社会で初めて自由に「デート」を楽しんだ世代といわれ、成人する頃には上村一夫の漫画『同棲時代』が大ブームとなった。恋愛に貪欲で、「性」に積極的。それは高齢になっても変わっていない。

 人気漫画『黄昏流星群』で中高年の恋愛を描いている漫画家の弘兼憲史氏(1947年生まれ)が語る。

「浮気をしろとか不倫をしろという漫画じゃなくて、歳を取ってもこの先も恋愛はあるんだよとエールを送っている。男性の生涯未婚率があと数年で30%を超えるとされているが、離婚率も増えるので独身の中高年が増え、恋愛のチャンスは増える。『黄昏流星群』を描きながらボクは、人生最後の恋はなかなかいいものだと思っています」

 東京郊外のニュータウンに住む70代の独身男性は、地域の中高年の趣味のグループで知り合った女性と5年近い恋愛関係にあると話してくれた。

「趣味の会のメンバーの何人かが晩御飯のおかずを持ってきてくれるようになり、たまにうちの台所で料理を作ってくれる。そのなかの1人と深い仲になった。60代後半から週一ペースで会っています。お互いに再婚を考えていますが、双方の子供の反対で道のりは遠そうです」

 この世代には老人ホーム入居後も“自由恋愛”を楽しんでいる高齢者が少なくない。都内のケア付き高齢者住宅に入居している独身の70代男性の話だ。

「自立型のマンション型なので健康な入居者が多く、カラオケや麻雀、囲碁などの同好会がたくさんある。そこで60代の若い女性たちと仲良くなった。競い合うように夕食を差し入れてくれるし、バレンタインにはチョコが山のようにもらえる。先立たれた妻とは見合い結婚で仕事もお堅い職場だったから浮いた話一つなかった。今が人生で一番輝いていると思う」

 しかし、ホームで“自由恋愛”に歯止めが利かなくなるとトラブルが増える。ある大規模老人ホームでは、65歳の女性を70代の男性2人が奪い合って大きな騒動になったという。

「男性の1人が嫉妬のあまり深夜女性の部屋に忍び込んだり、トイレで無理やり迫ろうとするなど、スタッフが何度注意しても聞かない。それが1組だけではない。本当に困っています」(施設の介護スタッフ)

関連記事

トピックス

亡くなったことがわかったシャニさん(本人のSNSより)
《ボーイフレンドも毒牙に…》ハマスに半裸で連行された22歳女性の死亡が確認「男女見境ない」暴力の地獄絵図
NEWSポストセブン
長男・正吾の応援に来た清原和博氏
清原和博氏、慶大野球部の長男をネット裏で応援でも“ファン対応なし” 息子にとって雑音にならないように…の親心か
週刊ポスト
殺害された谷名さんの息子Aさん
【青森密閉殺人】手足縛りプラスチック容器に閉じ込め生きたまま放置…被害者息子が声を絞り出す監禁の瞬間「シングルで育ててくれた大切な父でした」
NEWSポストセブン
竹内涼真と
「めちゃくちゃつまんない」「10万円払わせた」エスカレートする私生活暴露に竹内涼真が戦々恐々か 妹・たけうちほのかがバラエティーで活躍中
女性セブン
史上最速Vを決めた大の里(時事通信フォト)
史上最速V・大の里に問われる真価 日体大OBに囲まれた二所ノ関部屋で実力を伸ばすも、大先輩・中村親方が独立後“重し”が消えた時にどうなるか
NEWSポストセブン
2050年には海洋プラスチックごみが魚の量を上回ると予測されている(写真/PIXTA)
「マイクロプラスチックが心臓発作や脳卒中の原因になりうる」との論文発表 粒子そのものが健康を害する可能性
女性セブン
攻撃面では試行錯誤が続く今年の巨人(阿部慎之助・監督)
広岡達朗氏が不振の巨人打線に喝「三振しても威張って戻ってくるようなのが4番を打っている」 阿部監督の采配は評価するも起用法には苦言
週刊ポスト
大谷が購入した豪邸(ロサンゼルス・タイムス電子版より)
大谷翔平がロスに12億円豪邸を購入、25億円別荘に続く大きな買い物も「意外と堅実」「家族思い」と好感度アップ 水原騒動後の“変化”も影響
NEWSポストセブン
杉咲花
【全文公開】杉咲花、『アンメット』で共演中の若葉竜也と熱愛 自宅から“時差出勤”、現場以外で会っていることは「公然の秘密」
女性セブン
被害者の渡邉華蓮さん
【関西外大女子大生刺殺】お嬢様学校に通った被害者「目が大きくてめんこい子」「成績は常にクラス1位か2位」突然の訃報に悲しみ広がる地元
NEWSポストセブン
京急蒲田駅が「京急蒲タコハイ駅」に
『京急蒲タコハイ駅』にNPO法人が「公共性を完全に無視」と抗議 サントリーは「真摯に受け止め対応」と装飾撤去を認めて駅広告を縮小
NEWSポストセブン
阿部慎之助・監督は原辰徳・前監督と何が違う?(右写真=時事通信フォト)
広岡達朗氏が巨人・阿部監督にエール「まだ1年坊主だが、原よりは数段いいよ」 正捕手復帰の小林誠司について「もっと上手に教えたらもっと結果が出る」
週刊ポスト