【1】下手に戦わない
更年期の辛い症状には波があるが、高波をまともに喰らうと溺れてしまう。まずは、そういう年齢になったということを認めて、潔く降参すること。つまりは、若い時のように完治を目指さず、痛みとも上手にお付き合いしようと観念することが意外と大切。
【2】気分転換の方法を試してみる
痛みや不安と上手に折り合いをつけるようにするポイントは、少しでも気を紛らわせることをしてみること。深呼吸、音楽鑑賞、入浴、アロマ、読書、ストレッチなど、気分を落ち着かせる、あるいは、気持ち良いと感じることをやってみる。
さらに、血流を良くするために、プロのところに行き、頼ることも効果的(例えば、マッサージ、鍼灸治療、各種スポーツ教室、ヨガ、筋トレ、カウンセリングなど)。そして、意外と大事なことが気持ちを発散させること。女性はおしゃべりとは言うが、人との他愛もないおしゃべりがストレス発散になったり、話すことで思考が整理されることもある。コロナ禍でなかなか、思うようにはいかないご時世ではあるが、少しだけでも、人と話す機会を作ろう。
【3】不安な気持ちは、違う感覚で上書きする
コロナ禍に振り回されて、早2年。この暮らしに慣れるどころか、一層、不安感が増している人も多い。何とも表現のしようがない漠然とした不安な気持ちに襲われて、胸が重かったり、ザワザワしたり、息苦しさを覚えたならば、急いで気をそらすことに集中しよう。「あ!来た!?」の時に、自分の中に違う感覚を入れて、不安を上塗りしていくイメージだ。
例えば、ガムを噛む、胸をトントンと叩く、体をさする、枕を抱きしめる、足踏みをする、違う部屋に行くなどの、とりあえず、その場でできそうなことをやってみる。そして、「この不安感はいつまでも続かない!」と強く思うことが結構、大事。繰り返し、やってみることで、気持ちが落ち着いていくという練習をしよう。
以上、やまざき氏が提案する「多少は揺れたとしても、振り回されない心身の作り方」のいくつかをお伝えした。更年期症状に苦しむ女性たちに何らかのヒントになるとありがたい。
やまざきあつこ氏はアスリートからの信頼も厚い
【プロフィール】
やまざきあつこ/鍼灸師。1963年生まれ。鍼灸師。藤沢市辻堂にある鍼灸院『鍼灸師 やまざきあつこ』院長。開業以来28年間、7万人の治療実績を持つ。1997年から2000年までテニスFedカップ日本代表チームトレーナー。プロテニスプレーヤー細木祐子選手、沢松奈生子選手、吉田友佳選手、杉山愛選手などのオフィシャルトレーナーとして海外遠征に同行。ほかにプロライフセーバー佐藤文机子選手、プロボディボーダー小池葵選手、S級競輪選手などプロアスリートの治療にも関わる。自律神経失調症の施術には定評がある。
●文/鳥居りんこ