芸能

『鎌倉殿の13人』と『新選組!』三谷作品の共通キャストの面白み

上総広常を演じる佐藤浩市

上総広常を演じる佐藤浩市

 NHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』に、同じ三谷幸喜が脚本を務めた2004年の大河ドラマ『新選組!』の出演者が続々登場。佐藤浩市演じる上総広常の豪放磊落なキャラクターが、同じく佐藤が演じた『新選組!』の芹沢鴨を彷彿させると話題になったが、続いて後白河法皇(西田敏行)の寵姫・丹後局として鈴木京香が登場すると、『新選組!』ファンはいよいよ歓喜に包まれた。ベテラン芸能ライターが解説する。

「鈴木京香さんは『新選組!』では芹沢鴨の愛人役。共演シーンこそないものの、2人が同じ三谷大河で再び出演するというだけで、ファンは胸を熱くしたことでしょう。

 とくに佐藤浩市さん演じる上総広常は、源氏サイドが結集していく火付け役となりながら、途上で悲劇的結末を迎えます。そのことが、新選組の初代筆頭局長に就いたのち粛清されてしまう芹沢鴨に重なりますから、『新選組!』での芹澤の壮絶な最期を知る三谷ファンにとっては今後の展開が見逃せません」

『鎌倉殿の13人』には、そのほかにも『新選組!』との共通キャストによる類似点が数多く見られる。山本耕史演じる三浦義村がその代表である。

「小栗旬演じる北条義時を親友かつ参謀として支える三浦義村は、まさに『新選組!』で山本さんが演じた土方歳三が、近藤勇(香取慎吾)に尽くした姿勢に重なります。一方で、2人はともに知略に長けた人物ながら、あくまで近藤ファーストを貫いた土方に比べると、三浦のほうは義時すら翻弄するしたたかさを感じさせるあたり、共通点とともに相違点を考えるのも興味深い。

『新選組!』は三谷さん初の大河で、視聴率こそ振るわなかったものの、作品としては非常に高い評価を得て、三谷さん自身も深い思い入れがあると聞きます。『鎌倉殿の13人』と『新選組!』には、仲間たちが次々結集していく前半と、彼らが内紛による次々いなくなっていく後半という構図にも、共通点があります。

 ただし、同じ群像劇でありながら、『鎌倉殿の13人』の登場人物は、『新選組!』のメンバーたちのような一般的認知度はありません。そのために、『新選組!』のキャラクター設定を一部援用することで、大河ファンの視聴者に親しみやすくしているという意図もあるのではないでしょうか」(同前)
 
『鎌倉殿の13人』と『新選組!』の類似点は、探せば探すほど面白くなる。八嶋智人演じる武田信義にも注目すべきだと、歴史ドラマに詳しい芸能ライターが言う。

関連キーワード

関連記事

トピックス

寄り添って歩く小室さん夫妻(2025年5月)
《木漏れ日のなかベビーカーを押す海外生活》眞子さん、苦渋の決断の背景に“寂しい思いをしている”小室圭さん母・佳代さんの親心
NEWSポストセブン
原付で日本一周に挑戦した勝村悠里さん
《横浜国立大学卒の24歳女子が原付で日本一周に挑戦》「今夜泊めてもらえませんか?」PR交渉で移動…新卒入社→わずか1年で退職して“SNS配信旅”を決意
NEWSポストセブン
米インフルエンサー兼ラッパーのリル・テイ(Xより)
金髪ベビーフェイスの米インフルエンサー(18)が“一糸まとわぬ姿”公開で3時間で約1億5000万円の収益〈9時から5時まで働く女性は敗北者〉〈リルは金持ち、お前は泣き虫〉
NEWSポストセブン
「第42回全国高校生の手話によるスピーチコンテスト」に出席された佳子さま(時事通信フォト)
《ヘビロテする赤ワンピ》佳子さまファッションに「国産メーカーの売り上げに貢献しています」専門家が指摘
NEWSポストセブン
サントリー新浪剛史会長が辞任したことを発表した(時事通信フォト)
《総スカン》違法薬物疑惑で新浪剛史サントリー元会長が辞任 これまでの言動に容赦ない声「45歳定年制とか、労働者を苦しめる発言ばかり」「生活のあらゆるとこにでしゃばりまくっていた」
NEWSポストセブン
王子から被害を受けたジュフリー氏、若き日のアンドルー王子(時事通信フォト)
《エプスタイン事件の“悪魔の館”内部写真が公開》「官能的な芸術品が壁にびっしり」「一室が歯科医院に改造されていた」10代少女らが被害に遭った異様な被害現場
NEWSポストセブン
初の海外公務を行う予定の愛子さま(写真/共同通信社 )
愛子さま、インスタに投稿されたプライベート感の強い海水浴写真に注目集まる “いいね”は52万件以上 日赤での勤務をおろそかにすることなく公務に邁進
女性セブン
岐路に立たされている田久保眞紀・伊東市長(共同通信)
“田久保派”の元静岡県知事選候補者が証言する “あわや学歴詐称エピソード”「私も〈大卒〉と勝手に書かれた。それくらいアバウト」《伊東市長・学歴詐称疑惑》
NEWSポストセブン
2021年に裁判資料として公開されたアンドルー王子、ヴァージニア・ジュフリー氏の写真(時事通信フォト)
「少女を島に引き入れ売春斡旋した」悪名高い“ロリータ・エクスプレス”にトランプ大統領は乗ったのか《エプスタイン事件の被害者らが「独自の顧客リスト」作成を宣言》
NEWSポストセブン
東京地裁
“史上最悪の少年犯罪”「女子高生コンクリート詰め事件」逮捕されたカズキ(仮名)が語った信じがたい凌辱行為の全容「女性は恐怖のあまり、殴られるままだった」
NEWSポストセブン
「高級老人ホーム」に入居したある70代・富裕層男性の末路とは…(写真/イメージマート)
【1500万円が戻ってこない…】「高級老人ホーム」に入居したある70代・富裕層男性の末路「経歴自慢をする人々に囲まれ、次第に疲弊して…」
NEWSポストセブン
”辞めるのやめた”宣言の裏にはある女性支援者の存在があった(共同通信)
「(市議会解散)あれは彼女のシナリオどおりです」伊東市“田久保市長派”の女性実業家が明かす田久保市長の“思惑”「市長に『いま辞めないで』と言ったのは私」
NEWSポストセブン