第2話より (c)テレビ朝日・東映AG・東映

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敵役は「主人公と目的は同じなのに正義がすれ違う」

 ではなぜ桃太郎をモチーフとしたのだろうか。

「桃太郎といえば、いわゆるパーティを組んで行動する物語で、しかも子供から大人まで誰もが知っている。その親しみやすさが一つの理由でした。

 より大きな理由としては、我々がどこまで覚悟を持って新しいスーパー戦隊を作れるのか、チャレンジするという意味合いがあります。これまでのスーパー戦隊は、基本的には同じフォルムのヒーローが登場してきました。つまり卵型のお面にタイツ地の衣装が定番なんですが、そこから徐々に脱却していきたい。それはパロディ作品との差別化を図るということでもあります。

 桃太郎をモチーフにすることで、人間の他にサルやイヌ、キジといった大小さまざまなフォルムのヒーローを登場させ、それをヴィジュアル的に動かすことがどこまで可能なのか。そうしたことに挑む覚悟を迫るためでもありました」

第2話より (c)テレビ朝日・東映AG・東映

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 桃太郎における敵役は鬼だが、『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』ではオニシスターがヒーローの一人。代わりに敵として“脳人(ノート)”なる謎の組織が登場する。敵役の設定について、番組プロデューサーの白倉氏はこう説明する。

「“脳人(ノート)”は主人公から見たら敵ではありますが、彼らもまた“怪人”を倒すことが目的ではあるんです。なので世の中を平和にしたいというところだけはお互いに一致している。けれど正義がすれ違うことで衝突してしまう。

 現実社会というのは非常に複雑じゃないですか。2人の人間がいれば2つの考え方がある。それが時にはぶつかり合い、話し合って解決し、なんとかコミュニケーションを取っていくものですよね。けれど“脳人(ノート)”はシンプルに物事を解決しようとするんです。いわゆる人間的な感情がわからなくて、淡々と世の中を整理していこうとする。そういう人たちに対して『いや、人間ってもっと複雑だよ』と主張するのが主人公たちドンブラザーズの立場です」

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