20年以上前に世の中を騒がせた「ノストラダムスの大予言」。今年、NHK連続テレビ小説『カムカムエヴリィバディ』など複数の作品で取り上げられている。いまなぜノストラダムスなのか? かつてこの予言を題材にした作品を振り返りながら、コラムニストのペリー荻野さんが解説する。
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今年はなぜか「ノストラダムスの大予言」がからんだ話が目立つ。
『カムカムエヴリィバディ』のヒロインひなた(川栄李奈)は、「1999年7の月に空から恐怖の大王が降ってくる」という「ノストラダムスの大予言」をテレビで知って驚愕。当時つきあっていた京都撮影所の大部屋俳優・五十嵐文四郎(本郷奏多)に「一秒でも長く文ちゃんと一緒にいたい」と熱烈ラブコールするが、「俺は今はまだ結婚できない」と言われ、結局、失恋してしまう。
それだけかと思ったら、いよいよきてしまった1999年、ひなたは『だんご三兄弟』のヒットで、家業の回転焼が売れなくなるかもと「これが大王?」と考える。「ハリウッドが江戸時代を舞台にした映画を撮る」という大ニュースにも張り切ることができない。それどころか、7月にアメリカから視察団が来日すると聞いて、「これが…」とおびえ顔になるのである。
一方、公開中の映画『KAPPEI カッペイ』の主人公は、大予言を信じ、乱世の救世主になるため、人里離れた場所で殺人拳の修行にすべてを捧げてきた男・勝平(伊藤英明)と終末の戦士たち(山本耕史、小澤征悦、大貫勇輔)。だが、予言ははずれ、師匠(古田新太)から、あっさり解散と言われた彼らは、東京に流れ着き、勝平は女子大生(上白石萌歌)に初めての恋をする…。素肌にノースリーブGジャン、短パン(ホントに短いやつ)で、頭から湯気が出るような勢いで彼女に突進を試みる勝平。それもこれもすべてノストラダムスの予言のせいとも言える。
さらに、さくらももこは、早くからノストラダムスをネタにしていた。『ちびまる子ちゃん』のアニメでは、205話で「ノストラダムスの大予言の年」という話を放送。放送されたのが1999年1月3日、予言当年の新年早々というところがすごい。