売上と視聴率を支える「良質なファン層」
テレビマンがSnow Manに「グループで出てほしい」と思う3つ目の理由は、その固定ファン層。複数の番組プロデューサーから、「アイドルに限らず、最も良質なファン層だろう」という評価を聞いたことがありますが、実はこれが他の芸能人では替えが効かない最大のポイントではないでしょうか。
「良質なファン層」と言われるベースは、強烈な購買力。つい先日、2021年のアルバム年間グローバルランキング『IFPI Global Album Sales Chart』でSnow Manのファーストアルバム『Snow Mania S1』で世界9位にランクインしたことが驚きを持って報じられました。もちろん日本人アーティストトップであり、デビュー2年のキャリアを踏まえても、その凄さがわかるでしょう。
Snow Manのファンは関連情報への反応速度が速い上に、「彼らを支えたい」という献身性もあるため、リアルタイム視聴率にも貢献。実際に歌番組などでは「Snow Manが出演すると確実に視聴率が上がる」と言われ、ラテ欄などでも優先的にグループ名が書き込まれています。
言わば、「日本一モノが売れるグループ」「視聴率を上げられるグループ」という評価は、良質なファン層によるものと言っていいでしょう。ただ、彼らのファン層が素晴らしいのは、これまでメンバーたちがひたむきに頑張ってきた姿を見せてきたからであり、「大事にされている」という実感を与え続けているから。ことあるごとに「スノ担になって本当によかった」と書き込むファンが多いことからも、彼らの人間性やアイドルとしての姿勢が支持されている様子がうかがえます。
これからもジャニーズ事務所の若手グループは切磋琢磨していくでしょう。しかし、良質なファン層からの力強い支えがあり、グループとしてのポテンシャルを評価されているSnow Manが、テレビというメディアの中心から外れることは考えにくいのです。
【木村隆志】
コラムニスト、芸能・テレビ・ドラマ解説者。雑誌やウェブに月30本前後のコラムを提供するほか、『週刊フジテレビ批評』などの批評番組に出演し、番組への情報提供も行っている。タレント専門インタビュアーや人間関係コンサルタントとしても活動。著書に『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』『話しかけなくていい!会話術』『独身40男の歩き方』など。