商品の成分はしっかりチェックしよう
飲む酢は健康にも美容にもNG
ランキングを参考に、好みの酢を見つけて使ってみてほしい。その際に気をつけるべきは体に悪影響があるものを選ばないことだ。
今回は専門家たちに「健康になる酢、きれいになる酢」とともに「飲んではいけない酢」についても取材を行っている。その中で、多くの識者が「注意すべし」と声をそろえたのは人工甘味料や糖質がたっぷり入った「お酢ドリンク」だった。田中病院院長の田中優子さんが言う。
「本来、お酢は酸味が強いため水でかなり薄めなければ飲めないのに、市販されている『お酢ドリンク』のほとんどはジュースのように飲み干すことができます。つまりこうしたお酢飲料は酸味を抑えるために、大量の糖分や人工甘味料を加えているものが多い。ダイエットのためにも、健康のためにも逆効果です」
管理栄養士の望月理恵子さんが警鐘を鳴らすのは「合成酢」と「加工酢」の存在だ。
「『合成酢』は、醸造酢に砂糖類、酸味料、調味料、食塩などを、『加工酢』はしょうゆ、砂糖、香辛料などを加えて味を調製したもの。いずれも『お酢』とは名ばかりの酢風味の調味料です。
塩分や糖分が多く、血圧や血糖値に悪影響を与える心配がある。酢が持つ効能が期待できないばかりか、健康被害さえ懸念されます」
これらの「飲んではいけない酢」に気をつけつつ、食卓に取り入れることを習慣にしよう。ただし、一度に大量に摂取するのは禁物だ。
「空腹時にお酢を胃に入れると粘膜が刺激され、胃痛の原因になります。また、一度に大量の酢を摂りすぎると歯のエナメル質が溶けて虫歯になる恐れもある。1日大さじ1~2杯(15~30ml)ほどを目安に摂取するのがいいでしょう」(望月さん)
中山さんが食酢メーカーと共同で行った研究でも、体重1kgにつき0.5mlの酢を摂ることが最も健康につながるという結果が出たという。
「体重50kgの人なら大さじ約2杯に相当します。その量を1日で3回に分けて摂取したところ、血圧やコレステロール値の低下効果が確認できました。それ以上多く摂っても効果の上昇は見込めません。適量を意識してください」(中山さん)
まずは一さじ、コップに入れた炭酸水に加えてみて。
※女性セブン2022年4月7・14日号