黒酢には強い抗酸化作用も
黒酢には健康成分がぎっしり
今回、「健康になる酢、きれいになる酢」としてランクインしたのは全部で12種類。医学博士であり、黒酢に詳しい“黒酢博士”の中山貞男さんはこれらの酢には共通点があると指摘する。
「そもそもお酢には、『酢酸菌』と呼ばれる微生物の働きを利用して穀物や果物などの原料を発酵させて造る『醸造酢』と、酢酸を水で薄めて人工甘味料や酸味料、うま味調味料などの添加物を加えた『合成酢』がありますが、今回選ばれたのはすべて前者。黒酢や米酢、果実酢など、原料の名前がついたお酢は基本的にすべて醸造酢に分類されます」
その中でも中山さんをはじめとして最も多くの専門家が一票を投じたのは「黒酢」だった。
「玄米や大麦などを原料にして1年以上の発酵熟成期間をかけて造られる穀物酢の一種で、醸造過程で黒褐色になることからその名がつきました。黒酢の魅力は、ほかのお酢と比べて健康成分がぎゅっと濃縮されているところ。
一般的な米酢は『1リットル当たり40g以上の米を使うこと』が規定となっていますが、黒酢は180g以上使うことが義務づけられているうえ、熟成期間も長い。そのためアミノ酸の種類が非常に豊富で、必須アミノ酸9種類のうちの8種類を含む、合計17種類を含有します。
血圧や血糖値、コレステロール値や中性脂肪を下げる効果も群を抜いて高く、ほかの醸造酢に比べて5~8倍だといわれている。脳卒中や心臓疾患の原因となる動脈硬化の予防につながります」(中山さん)
黒酢のなかでも、玄米だけを材料にする「玄米黒酢」を推すのは管理栄養士の浜本千恵さんだ。
「黒酢よりもさらに多くのアミノ酸を含有します。免疫力アップや疲労回復効果が見込めるのはもちろん、筋肉をつくるたんぱく質のもとにもなる。味わいに深みがあるのも推奨ポイントです」