岸田首相(時事通信フォト)
「黒シャツ」の異名を持ち、安倍氏に深く食い込んだ取材で知られる元産経新聞政治部長の政治ジャーナリスト・石橋文登氏は現在の安倍氏と高市氏の関係について別の見方をする。
「安倍氏は現在も『高市氏は非常に弁舌能力と判断能力がある』と買っている。保守派の中でも期待は高い。だが、仲間を集められない政治家はダメだというのが安倍氏の考え。昨年の総裁選では高市氏の推薦人20人のほとんどを安倍氏が集めてあげたが、次も、と甘えるのではダメ。高市氏には、次も総裁選に出たいのであれば、仲間をつくって推薦人は自分の力で集めなさいと課題を出している。高市氏の派閥復帰については稲田氏が猛反発したというのはあるが、安倍氏から見ればむしろ無派閥のままのほうが派閥に関係なく仲間を集めるチャンスという考え方だ」
期待に応えたとは言えない。
「はっきり言って彼女は仲間づくりが下手。基本的に夜の会合は全然しない。総裁選で支援してくれた人たちから声を掛けられても、返事しなかったり、ビジネスライクな対応をする。
政治家は総裁選で負ける候補を支援したらしばらくは干される。それを覚悟で推してくれた人たちは、“そんな態度でどうやって次も出るんですか”と高市氏に冷ややかな視線を向けている。せっかく政調会長という多くの政治家とつながれるポジションを与えたのに、仲間づくりができていないことに安倍氏は歯がゆい思いをしていると思う」(石橋氏)
今はキングメーカー・安倍氏の“お眼鏡”に適っていないということのようだ。
※週刊ポスト2022年4月22日号