国内

参院自民「生活困窮の子育て世帯に10万円」提言 露骨な選挙対策に独身者が「またか…」

また選挙前に「10万円給付」案が浮上

また選挙前に「10万円給付」案が浮上

 今夏に参院選を控えるなか、自民党の世耕弘成・参院幹事長は4月8日の会見で、生活が苦しい子育て世帯に「10万円の現金給付」が必要だと訴えた。今夏に参院選を控えるなかで、「夏までの支給」を求めており、露骨な選挙対策だと批判があがるのは必至だろう。与党が岸田文雄・首相に進言した年金生活者への5000円支給が白紙撤回されたばかりだが、こちらの参院自民の提言も、大きな波紋を広げそうだ。

 世耕氏が座長を務める参院自民党の「不安に寄り添う政治のあり方勉強会」は4月6日付で、子育て世帯を含む困窮世帯への1人10万円の給付などを求める緊急提言をまとめた。新型コロナの感染拡大やロシアのウクライナ侵攻を受けた物価の高騰などを受け、困窮する世帯への支援が必要だとする内容だ。

 昨年末にも18歳以下への10万円給付が実施されているが、子育て支援のNPOなどにヒアリングしたという世耕氏は会見で「(前回の給付の)効果が切れてきていて、夏までにもう一度、支給が必要だという痛切な声を聞いた」と強調した。ただ、わざわざ「夏まで」と言うところに、思惑が透けて見える。大手紙政治部記者が言う。

「夏までに支援が必要だと強調していることからも、7月に予定されている参院選で10万円給付を成果として掲げる狙いがあるのは確実でしょう。バラ撒き給付を繰り返し求めている連立相手である公明党の心証もよくなり、相互推薦を巡ってギクシャクした関係の修復のプラスにもなると考えられます。ただ、全国民一律ではない給付については国民の分断を招くという批判がこれまでも多方面から出ている。しかもタイミングとしては見え見えの選挙対策ですから、反発も大きそうです」

 都内在住の30代独身男性は、今回の一報を受け、「またか、という感じです……」とため息をつく。

「少子化が国としての大問題だというのもわかるし、子育てにはいろいろとお金がかかるのは赤ちゃんが生まれた同世代の友人の話を聞いてもわかります。ただ、独身者は各種控除もないし、健康保険料や年金保険料は扶養する家族がいてもいなくても負担は基本的に同じ。正直、納得できない気持ちがあります。この国は“家族がいること前提”の制度ばかりで、独身者のことはすべて後回しなんだなと感じてしまいます」

“分断”が起きかねないのは、子供がいるかいないかという線引きだけではないだろう。前回の18歳以下の給付では、対象が主たる生計者の年収960万円(扶養家族が配偶者と子供2人の場合)までなどと制限された。今回の対象範囲については参院自民の提言では明示されていないが、収入などで線引きがされるとなると、それも不安のタネとなる。

関連記事

トピックス

大谷の妻・真美子さん(写真:西村尚己/アフロスポーツ)と水原一平容疑者(時事通信)
《水原一平ショックの影響》大谷翔平 真美子さんのポニーテール観戦で見えた「私も一緒に戦うという覚悟」と夫婦の結束
NEWSポストセブン
大ヒット中の映画『4月になれば彼女は』
『四月になれば彼女は』主演の佐藤健が見せた「座長」としての覚悟 スタッフを感動させた「極寒の海でのサプライズ」
NEWSポストセブン
国が認めた初めての“女ヤクザ”西村まこさん
犬の糞を焼きそばパンに…悪魔の子と呼ばれた少女時代 裏社会史上初の女暴力団員が350万円で売りつけた女性の末路【ヤクザ博士インタビュー】
NEWSポストセブン
華々しい復帰を飾った石原さとみ
【俳優活動再開】石原さとみ 大学生から“肌荒れした母親”まで、映画&連ドラ復帰作で見せた“激しい振り幅”
週刊ポスト
中国「抗日作品」多数出演の井上朋子さん
中国「抗日作品」多数出演の日本人女優・井上朋子さん告白 現地の芸能界は「強烈な縁故社会」女優が事務所社長に露骨な誘いも
NEWSポストセブン
死体損壊容疑で逮捕された平山容疑者(インスタグラムより)
【那須焼損2遺体】「アニキに頼まれただけ」容疑者はサッカー部キャプテンまで務めた「仲間思いで頼まれたらやる男」同級生の意外な共通認識
NEWSポストセブン
学歴詐称疑惑が再燃し、苦境に立つ小池百合子・東京都知事(写真左/時事通信フォト)
小池百合子・東京都知事、学歴詐称問題再燃も馬耳東風 国政復帰を念頭に“小池政治塾”2期生を募集し準備に余念なし
週刊ポスト
(左から)中畑清氏、江本孟紀氏、達川光男氏による名物座談会
【江本孟紀×中畑清×達川光男 順位予想やり直し座談会】「サトテル、変わってないぞ!」「筒香は巨人に欲しかった」言いたい放題の120分
週刊ポスト
大谷翔平
大谷翔平、ハワイの25億円別荘購入に心配の声多数 “お金がらみ”で繰り返される「水原容疑者の悪しき影響」
NEWSポストセブン
【全文公開】中森明菜が活動再開 実兄が告白「病床の父の状況を伝えたい」「独立した今なら話ができるかも」、再会を願う家族の切実な思い
【全文公開】中森明菜が活動再開 実兄が告白「病床の父の状況を伝えたい」「独立した今なら話ができるかも」、再会を願う家族の切実な思い
女性セブン
ホワイトのロングドレスで初めて明治神宮を参拝された(4月、東京・渋谷区。写真/JMPA)
宮内庁インスタグラムがもたらす愛子さまと悠仁さまの“分断” 「いいね」の数が人気投票化、女性天皇を巡る議論に影響も
女性セブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン