空飛ぶクルマの開発など、非航空事業にも力を入れる(写真提供/ANA)

空飛ぶクルマの開発など、非航空事業にも力を入れる(写真提供/ANA)

──今後は3社で共同運航(コードシェア)していくケースも増えていく?

芝田:今後検討していく内容になるものの、必ずしもコードシェアをしていく必要はないでしょう。何より、お客様に自由に3ブランドから選んでいただくことが大事です。例えば、若年世代で元気がいい時は多少、座席が狭くとも低価格のPeachを選び、その分、渡航先のホテルやアクティビティに回したいという方もいるでしょう。

 一方、シニア世代でお金にも時間にも少し余裕がある方は、ゆったりとANAのフルサービスで寛いでいただく選択肢があります。3社をTPOで使い分けていただく。そうして航空・非航空事業を含めたトータルサービスの横串となるマイルをフックに、各シーンに応じてANA経済圏で回遊していただきたい。

──コロナ禍以降は、非航空事業を拡大する必要にも迫られました。

芝田:2013年に持ち株会社体制に移行したのは、新規事業を本格的に育成していくことが主眼でした。以来約10年、正直遅れは感じていますが五合目ぐらいまでは来ているのかなと。展開の順番で言いますと、分身ロボットのアバター事業、メタバースの仮想空間旅行、次いでドローンや空飛ぶクルマの事業になります。

 仮想空間旅行で期待するのは、実は国内より海外のお客様です。例えば、東南アジア・欧州ではまだ足りないANAのブランドバリューや認知度を、さらに上げていきたい。このメタバースビジネスは、今年度中にも正式なサービスインにもっていく予定です。

JALとの切磋琢磨

 旅客需要蒸発の大打撃は世界の航空再編にも繋がった。韓国で大韓航空がアシアナ航空を吸収合併したのが一例で、公正取引委員会も条件付きながら認めている。翻って日本では、アメリカの同時多発テロ勃発翌年の2002年、日本航空(JAL)が日本エアシステム(JAS)と経営統合したことで大手3社体制が崩れ、2010年にJALが破綻した時に続き、今回のコロナ禍でも再編論議が再燃した。

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