──将来的な日本の空の競争環境はどう考えるか。

芝田:お客様の立場からすれば当然、選択肢があったほうがいいわけで、大手2社が併存していくべきだと思います。韓国のような再編事例もありますが、アメリカもヨーロッパも大手エアラインは3社ありますし、日本の空も2社を許容できる余力は十分にあるんじゃないでしょうか。

 少なくとも現在の環境下では、我々とJALさんとで切磋琢磨し、お客様に利便性を提供していきたいというのが私の思いです。特に国際線を考えますと、1社体制で世界中にネットワークを展開することは難しい。現在は海外エアラインとのアライアンスの勝負にもなっているからです。

 目下グローバルな航空アライアンスは、当社が所属するスターアライアンス、JALさんが加盟するワンワールド、それにスカイチームの3つがあります。仮に日本の航空会社が1社体制になった場合、少なくとも短期的にはアライアンスの強みが活かせません。

 今年で創業70周年。ヘリコプター2機の小さな会社でスタートしたANAグループの中には、逆境下でも知恵を絞り、創意工夫して単独で解決策を見出していくDNAや精神が、まだまだ脈々と生きていると思っています。皆様にとってなくてはならないエアライングループという存在になれるように頑張ってまいります。

聞き手/河野圭祐(ジャーナリスト)

※週刊ポスト2022年4月22日号

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