室内設置型の核シェルター内部(写真/ワールドネットインターナショナル提供)
また、サリンなど化学兵器が使用される可能性もある。実際、ウクライナ戦争でロシア軍が化学兵器を使う可能性が急浮上している。
「これらをミサイルに搭載して撃ち込むのは考えにくい。工作員が散布するか、ドローンを飛ばして散布する方法が有力。化学兵器はロシア、中国、北朝鮮も持っています」(宮坂さん)
通常の爆弾やミサイルであれば着弾時を逃げ切ればいい。だが、核と化学兵器は放射能や毒ガスなど化学物質が残される。もし汚染場所にいた場合はどうすればいいか。元陸上自衛隊医官で内科医の中村幸嗣さんが解説する。
「口に布などを当て、できるだけ風上へと離れます。その際、倒れている人やペットがいても絶対に助けないでください。自分が倒れることで救助にあたる医療部隊の負担が増えますし、その結果、1人分の医療資源が使われることになります。
室内に入る前には衣類を脱ぎ捨て、できるだけ大量の水で全身を洗い流してください。これはあらゆる化学物質に共通する対処法で、除染部隊のマニュアルにも定められている内容です」
できれば危険な物質を浴びる前に安全なところに逃げ込みたい。そんなとき、安全な避難場所として注目されているのが、ゼレンスキー大統領が挙げた「核シェルター」の必要性だ。核シェルター販売実績日本一を誇る「ワールドネットインターナショナル」代表の中嶋広樹さんは「ここ最近、問い合わせが増えている」と明かす。
「ウクライナ戦争以前の問い合わせ件数は月に10件、年間120件程度でした。ところが、以降はその17倍、月に170件も入るようになりました」(中嶋さん・以下同)
一口にシェルターといっても屋外設置型や地下埋設型、室内設置型などの種類がある。
「重要なのは2点です。まず、核シェルターに3分以内に逃げ込めるかどうか。2つ目は核シェルター内に放射性物質や化学物質が入らないよう『陽圧』する必要がありますが、それが着弾までの3分で可能なのか。陽圧ができないと核シェルターとしての意味がないからです。爆心地から10〜15kmの範囲の外であればシェルターで助かるかもしれない。そういった内容を説明し、納得されたかたがご購入されています」
気になる値段は、いちばん安価な室内設置型で780万円。屋外設置型なら1300万円ほど、地下埋設型の場合は追加で500万〜700万円ほどかかる。
室内設置型の核シェルター(写真/ワールドネットインターナショナル提供)
※女性セブン2022年6月2日号