堂々1位の納豆は食物繊維たっぷりの万能健康食
日本を代表する食べるサプリ
今回最も多くの票を集めたのは「納豆」だ。一票を投じた内科医の里見英子さんが解説する。
「最も効果的なデトックスは便通をよくすること。大豆由来の発酵食品で食物繊維をたっぷり含む納豆は、便秘の解消にうってつけの一品。日本が誇る“食べるサプリ”といえます」
管理栄養士の金丸絵里加さんは特有の成分「ナットウキナーゼ」に注目する。
「納豆のネバネバに含まれる『ナットウキナーゼ』には血液をサラサラにして体や脳の老廃物を洗い流し、高血圧や脳梗塞などの血管病を予防する効果があります。
そのうえ、豊富に含有する『納豆菌』には腸にたまった有害物質から発生するガスや、老化や病気の原因となる活性酸素を排出する力も。積極的に取り入れてほしい」
納豆と同じく大豆が原料のみそも3位にランクイン。脳神経内科医の内野勝行さんが言う。
「脳と腸は自律神経を介して密接にかかわっているため、腸内の老廃物を体外に排出し、腸内環境を整えることは認知機能の向上にもつながります。発酵食品であるみそには腸内の善玉菌を増やし、その環境を良好に保つ効果があるうえ原料の大豆にはビタミンやミネラルも豊富。みそ汁として毎朝食卓に取り入れて腸内を温めながら整えてほしい」
大豆食品と並んで「わかめ」や「昆布」といった海藻類が上位に名を連ねたのも、整腸作用に注目が集まった結果だ。昆布に一票を投じた管理栄養士の野口知恵さんが解説する。
「昆布のぬめり成分には、野菜や穀物が含有するものとは異なった化学構造を持つ『アルギン酸』や『フコイダン』と呼ばれる食物繊維が多く含まれています。これらは従来の食物繊維に比べ、とりわけ体内の毒素を排出する効能が強いのです」
自治医科大学分子病態治療研究センター抗加齢医学研究部教授の黒尾誠さんは、老化を加速させる成分である「リン」の排出効果を理由に、海藻類を推奨する。
「ハムやベーコン、プロセスチーズなどの加工食品に多く含まれる『無機リン』は、腎臓に負担をかけて老化を加速させ、慢性腎臓病や動脈硬化、心臓病のリスクを上げるとされています。わかめや昆布、ひじきなどの海藻類に含まれるマグネシウムや亜鉛には、リンの働きを抑制する効果があるのです」