「トイレ死」を防ぐ理想的な排便姿勢
昨年6月には、東京メトロ八丁堀駅の多機能トイレで倒れていた50代男性が、搬送先で死亡。警報システムに不備があり、倒れてから発見されるまで7時間経っていたことが大きな話題となった。
東北大学の本蔵賢治氏が2016年に発表した論文では、排便頻度が「4日に1回以下」の人は「1日1回以上」の人に比べて、心血管疾患による死亡リスクが、最大1.39倍、脳卒中による死亡リスクが最大1.9倍にも上昇した。
「3933人(20歳以上)を15年間にわたって追跡調査したアメリカの研究でも、便秘症のある人はない人に比べて、15年後の生存率が約4分の3に低下するとの報告がされました。また、便秘の人はパーキンソン病になりやすいという研究結果もあります。便秘は重症化すればするほど、死亡リスクが高まるのです」(同前)
コロナで便秘の高齢者が急増する中、「トイレ死予備軍」も急増していることは間違いない。
※週刊ポスト2022年6月3日号