▼スクロールで次の画像

壇蜜と美術史家・明治学院大学教授の山下裕二氏(左)が縄文人の圧倒的な芸術性に触れる

壇蜜と美術史家・明治学院大学教授の山下裕二氏(左)が縄文人の圧倒的な芸術性に触れる

「当時の栄養状況から察するに、『縄文のビーナス』の重さは新生児の平均体重だったのでは」(山下)「本物の赤ちゃんを抱いている感覚。きっと持つことを前提に作られた土器だと思います」(壇蜜)※レプリカ(特別な許可を得て鑑賞)高さ27cm、重さ2.14kg

「当時の栄養状況から察するに、『縄文のビーナス』の重さは新生児の平均体重だったのでは」(山下)「本物の赤ちゃんを抱いている感覚。きっと持つことを前提に作られた土器だと思います」(壇蜜)※レプリカ(特別な許可を得て鑑賞)高さ27cm、重さ2.14kg

縄文のビーナスの出土状況。茅野市内でも最大規模の遺跡・棚畑遺跡の発掘作業で発見。集落の小さな穴に横たわるように埋められていた(写真/茅野市尖石縄文考古館)

縄文のビーナスの出土状況。茅野市内でも最大規模の遺跡・棚畑遺跡の発掘作業で発見。集落の小さな穴に横たわるように埋められていた(写真/茅野市尖石縄文考古館)

国宝「土偶」(縄文のビーナス) 茅野市棚畑遺跡 縄文時代中期 昭和61年に出土し、平成7年に縄文時代の土偶としては日本で初めて国宝に指定。大きく張り出したお腹とお尻で臨月を迎えた妊婦を表現。「出産は集落の繁栄や豊かさの基であり、女性にしかできないこと。明らかに女性社会です」(山下) 。写真/茅野市尖石縄文考古館

国宝「土偶」(縄文のビーナス) 茅野市棚畑遺跡 縄文時代中期 昭和61年に出土し、平成7年に縄文時代の土偶としては日本で初めて国宝に指定。大きく張り出したお腹とお尻で臨月を迎えた妊婦を表現。「出産は集落の繁栄や豊かさの基であり、女性にしかできないこと。明らかに女性社会です」(山下) 。写真/茅野市尖石縄文考古館

縄文のビーナスの顔はハート型、尻部は逆ハート型。頭頂部は平たく、頭にのみ円形の渦巻き文。文様は帽子を被っている姿とも、髪型ともいわれる(写真/茅野市尖石縄文考古館)

縄文のビーナスの顔はハート型、尻部は逆ハート型。頭頂部は平たく、頭にのみ円形の渦巻き文。文様は帽子を被っている姿とも、髪型ともいわれる(写真/茅野市尖石縄文考古館)

国宝「土偶」(仮面の女神) 茅野市中ッ原遺跡 縄文時代後期。逆三角形の面を着け、神に代わって祭祀を行なう女性を表現したと考えられている。仮面の形状は縄文時代の後期前半に東北・関東地方で見られたハート型の顔面の流れを汲むという説も※レプリカ(特別な許可を得て鑑賞)高さ34cm、重さ2.7kg

国宝「土偶」(仮面の女神) 茅野市中ッ原遺跡 縄文時代後期。逆三角形の面を着け、神に代わって祭祀を行なう女性を表現したと考えられている。仮面の形状は縄文時代の後期前半に東北・関東地方で見られたハート型の顔面の流れを汲むという説も※レプリカ(特別な許可を得て鑑賞)高さ34cm、重さ2.7kg

仮面の女神の足の裏。頭頂部や首、へそなどの他、足の裏にも小孔がある。小孔の大きさ、網代痕の向きに左右で違いがある(写真/茅野市尖石縄文考古館)

仮面の女神の足の裏。頭頂部や首、へそなどの他、足の裏にも小孔がある。小孔の大きさ、網代痕の向きに左右で違いがある(写真/茅野市尖石縄文考古館)

仮面の女神の出土状況の再現模型。平成12年に中ッ原遺跡の墓より出土。右足が割れた形で見つかり、土偶の破片が脚の付け根の割れ目や空洞の胴体内部にはまり込んでいた

仮面の女神の出土状況の再現模型。平成12年に中ッ原遺跡の墓より出土。右足が割れた形で見つかり、土偶の破片が脚の付け根の割れ目や空洞の胴体内部にはまり込んでいた

背面から見た仮面の女神。仮面は紐で結んで装着したようにも、かぶり物と一体化したようにも見える。正面は女性の身体的特徴を持つが、背面の形状は男性器も想起させる(写真/茅野市尖石縄文考古館)

背面から見た仮面の女神。仮面は紐で結んで装着したようにも、かぶり物と一体化したようにも見える。正面は女性の身体的特徴を持つが、背面の形状は男性器も想起させる(写真/茅野市尖石縄文考古館)

環状把手付深鉢形土器 茅野市下ノ原遺跡縄文時代中期前半 長野県宝(2点とも)。土器の表面の劣化具合や二次焼成の形跡から煮炊きに使われたことがうかがえる

環状把手付深鉢形土器 茅野市下ノ原遺跡縄文時代中期前半 長野県宝(2点とも)。土器の表面の劣化具合や二次焼成の形跡から煮炊きに使われたことがうかがえる

蛇体把手付深鉢形土器 尖石遺跡 縄文時代中期前半 長野県宝。三角頭やとぐろを巻く様子を連想させる形状や丸い模様からマムシを模したと考えられる(写真/茅野市尖石縄文考古館)

蛇体把手付深鉢形土器 尖石遺跡 縄文時代中期前半 長野県宝。三角頭やとぐろを巻く様子を連想させる形状や丸い模様からマムシを模したと考えられる(写真/茅野市尖石縄文考古館)

蛇体把手付深鉢形土器 尖石遺跡 縄文時代中期前半 長野県宝。昭和8年に出土した、高さ24cmの蛇体把手付土器。蛇体把手の造形はやや抽象的(写真/茅野市尖石縄文考古館)

蛇体把手付深鉢形土器 尖石遺跡 縄文時代中期前半 長野県宝。昭和8年に出土した、高さ24cmの蛇体把手付土器。蛇体把手の造形はやや抽象的(写真/茅野市尖石縄文考古館)

「八ヶ岳山麓系の顔としては切れ長でつり上がった目、団子鼻、小さなおちょぼ口が特徴的ですね」(壇蜜)と、土偶の風貌について語りながら、つり目を真似る

「八ヶ岳山麓系の顔としては切れ長でつり上がった目、団子鼻、小さなおちょぼ口が特徴的ですね」(壇蜜)と、土偶の風貌について語りながら、つり目を真似る

顔面把手付土器 茅野市梨ノ木遺跡 縄文時代中期前半 長野県宝 ヒトを表現した土器。把手部分の顔面は八ヶ岳山麓特有のつり目ではなく、垂れ目(写真/茅野市尖石縄文考古館)

顔面把手付土器 茅野市梨ノ木遺跡 縄文時代中期前半 長野県宝 ヒトを表現した土器。把手部分の顔面は八ヶ岳山麓特有のつり目ではなく、垂れ目(写真/茅野市尖石縄文考古館)

胴部中央の装飾が両手でバンザイしているヒトの姿にも見えるため、母の胎内の赤ん坊ではないかとも考えられている(写真/茅野市尖石縄文考古館)

胴部中央の装飾が両手でバンザイしているヒトの姿にも見えるため、母の胎内の赤ん坊ではないかとも考えられている(写真/茅野市尖石縄文考古館)

2人がかりで土器柄の縄文パズルに挑戦。火おこし、ドングリ割りや編み物の編み方などの“縄文体験”もできる(体験の受付は一時休止中)

2人がかりで土器柄の縄文パズルに挑戦。火おこし、ドングリ割りや編み物の編み方などの“縄文体験”もできる(体験の受付は一時休止中)

石棒 聖石遺跡ほか、茅野市内各遺跡 縄文時代中期後半。男根を彷彿とさせる儀礼・祭祀用の土器と考えられる。炉から確認される例が多く、手前(壇蜜正面)の石棒も住居の炉で発見

石棒 聖石遺跡ほか、茅野市内各遺跡 縄文時代中期後半。男根を彷彿とさせる儀礼・祭祀用の土器と考えられる。炉から確認される例が多く、手前(壇蜜正面)の石棒も住居の炉で発見

ミュージアムショップでは、レプリカ、ネクタイ、精巧な塩羊羹など、様々な国宝土偶グッズが揃う

ミュージアムショップでは、レプリカ、ネクタイ、精巧な塩羊羹など、様々な国宝土偶グッズが揃う

茅野市尖石縄文考古館(長野県茅野市豊平4734-132)【開館時間】9時~17時(最終入館は16時半)。写真/茅野市尖石縄文考古館

茅野市尖石縄文考古館(長野県茅野市豊平4734-132)【開館時間】9時~17時(最終入館は16時半)。写真/茅野市尖石縄文考古館

関連記事

トピックス

スタッフの対応に批判が殺到する事態に(Xより)
《“シュシュ女”ネット上の誹謗中傷は名誉毀損に》K-POPフェスで韓流ファンの怒りをかった女性スタッフに同情の声…運営会社は「勤務態度に不適切な点があった」
NEWSポストセブン
現行犯逮捕された戸田容疑者と、血痕が残っていた犯行直後の現場(時事通信社/読者提供)
《動機は教育虐待》「3階建ての立派な豪邸にアパート経営も…」戸田佳孝容疑者(43)の“裕福な家庭環境”【東大前駅・無差別切りつけ】
NEWSポストセブン
未成年の少女を誘拐したうえ、わいせつな行為に及んだとして、無職・高橋光夢容疑者(22)らが逮捕(知人提供/時事通信フォト)
《10代前半少女に不同意わいせつ》「薬漬けで吐血して…」「女装してパキッてた」“トー横のパンダ”高橋光夢容疑者(22)の“危ない素顔”
NEWSポストセブン
露出を増やしつつある沢尻エリカ(時事通信フォト)
《過激な作品において魅力的な存在》沢尻エリカ、“半裸写真”公開で見えた映像作品復帰への道筋
週刊ポスト
“激太り”していた水原一平被告(AFLO/backgrid)
《またしても出頭延期》水原一平被告、気になる“妻の居場所”  昨年8月には“まさかのツーショット”も…「子どもを持ち、小さな式を挙げたい」吐露していた思い
NEWSポストセブン
初めて万博を視察された愛子さま(2025年5月9日、撮影/JMPA)
《万博ご視察ファッション》愛子さま、雅子さまの“万博コーデ”を思わせるブルーグレーのパンツスタイル
NEWSポストセブン
憔悴した様子の永野芽郁
《憔悴の近影》永野芽郁、頬がこけ、目元を腫らして…移動時には“厳戒態勢”「事務所車までダッシュ」【田中圭との不倫報道】
NEWSポストセブン
現行犯逮捕された戸田容疑者と、血痕が残っていた犯行直後の現場(左・時事通信社)
【東大前駅・無差別殺人未遂】「この辺りはみんなエリート。ご近所の親は大学教授、子供は旧帝大…」“教育虐待”訴える戸田佳孝容疑者(43)が育った“インテリ住宅街”
NEWSポストセブン
近況について語った渡邊渚さん(撮影/西條彰仁)
【エッセイ連載再開】元フジテレビアナ・渡邊渚さんが綴る近況「目に見えない恐怖と戦う日々」「夢と現実の区別がつかなくなる」
NEWSポストセブン
『続・続・最後から二番目の恋』が放送中
ドラマ『続・続・最後から二番目の恋』も大好評 いつまでのその言動に注目が集まる小泉今日子のカッコよさ
女性セブン
田中圭
《田中圭が永野芽郁を招き入れた“別宅”》奥さんや子どもに迷惑かけられない…深酒後は元タレント妻に配慮して自宅回避の“家庭事情”
NEWSポストセブン
ニセコアンヌプリは世界的なスキー場のある山としても知られている(時事通信フォト)
《じわじわ広がる中国バブル崩壊》建設費用踏み倒し、訪日観光客大量キャンセルに「泣くしかない」人たち「日本の話なんかどうでもいいと言われて唖然とした」
NEWSポストセブン