マスクを着用し続けることで健康被害という副作用が(共同通信社)
マスク論文はマスク着用の心理的な弊害も指摘する。マスクを着用する時間が長くなるとともに生理的変化や不快感が引き起こされ、著しい疲労感につながる可能性があるのだ。
「マスクの着用で自由が侵害されたと感じた人が、怒りっぽくなることがわかっています。特に他人にマスクを強制された場合、その傾向が強かった。ほかに不安やストレスが増すこともあり、マスクを着用した半分以上の被験者が軽いうつ状態を経験したとの報告もあります」
逆に「マスクをしているからもう大丈夫」と過信することにも気をつけたい。
「英インペリアル・カレッジ・ロンドンの研究者によると、マスクの着用で誤った安心感を持ち、換気やソーシャルディスタンス、その他重要な感染防止策を遵守しなくなり、新型コロナなどのウイルスや細菌に感染しやすくなる可能性があります。実際にそうしたリスクについて、世界保健機関(WHO)が警告を発しています」(大西さん)
マスク生活には「転倒」や「窒息」というリスクもある。
「米カリフォルニア大学などの研究によれば、歩行時にマスクをしていると下方の視野が遮断されて、転倒する恐れがあります。転倒は偶発的な傷害による死亡原因の世界第2位であり、毎年68万人が転倒により死亡しています。高齢者は転倒から入院、寝たきりにつながるケースも多く、『たかが転倒』とバカにはできません。
また、まれにですが、マスクが極度の呼吸困難を引き起こすことがあります。息苦しくても体の不自由な人や自力でマスクを外せない人は、マスクの着用を控えてほしい」(大西さん)
命を守るはずのマスクで死んでしまっては、元も子もない。
※女性セブン2022年6月16日号