ヤクルト・村上宗隆(時事通信フォト)
打者はピッチャーと違って、『試合を決める一打』を打つチャンスが回ってくるかどうかもわからない。相当活躍しないと厳しいですよ」
西武、中日、ダイエーでエースとして活躍し、引退後は横浜などで投手コーチを務めた杉本正氏は、知名度を上げるための「パフォーマンスの重要性」を語る。
「ソフトバンクの柳田(悠岐)や西武の山川(穂高)は、ど派手なホームランを打ち込むのでインパクトが大きいんですよ。対照的に牧は中距離ヒッタータイプだし、性格的にも自分をアピールするより職人技を見せたいという独特の雰囲気を持っている。
お決まりのパフォーマンスを考えてもいいかもしれない。山川の“ドスコイ”やソフトバンク・松田(宣浩)の“熱男”みたいに定番となれば、テレビカメラもそこまで追う。夜のニュースでも拾ってもらえます。
牧はそういったことを照れてできないタイプだけど、プロ野球選手は目立ってなんぼだと割り切ってやればいいと思う」
牧は長野県出身。松本一高で2年夏、3年夏は県大会初戦で敗退と甲子園に出場経験がない。優等生であることでも知られ、期待がかかる三冠王についても「まだシーズン中盤ですから、いまは特に意識していません。ほんとにチームのためにやるだけ」と控えめだ。
「マイペースでふてぶてしい佐藤輝、『サイン盗み騒動』で矢野燿大監督に立ち向かったヤクルト・村上(宗隆)と対照的に、牧は謙虚で仕事人のイメージが強い。メディアがキャラを固定できていない部分があります」(スポーツ紙編集委員)
※週刊ポスト2022年6月24日号