岡本和真一覧

【岡本和真】に関するニュースを集めたページです。

昨年は村上と本塁打王を分け合った岡本和真(時事通信フォト)
2年連続本塁打王、打点王の2冠でも 巨人・岡本和真の「評価がイマイチ」の理由
 首位・ヤクルトに大きく突き放されている巨人。その中で不動の4番・岡本和真のはたらきはどうだろうか。今季は好不調の波が激しいが、75試合出場で20本塁打、59打点をマーク。自身初の40本塁打も十分に狙える成績だが、6月に月間14本塁打をマークするなど「令和初の三冠王」を狙えるヤクルトの4番・村上宗隆に比べるとどうしても影が薄くなってしまう。スポーツ紙の遊軍記者は「岡本と村上のプレースタイルの違いも影響している」と指摘する。「村上は闘志むき出しでベンチでも常に声を出している。主将は山田哲人ですが、周囲を鼓舞する姿勢を含めて村上がチームリーダーになりつつある。一方で、岡本は穏やかな性格でマイペース。ナインを引っ張るタイプではない。ガツガツした感じがしないので、チームが低空飛行の時は物足りなく感じてしまう。岡本の状態は決して悪くないのですが、今年は村上に本塁打、打点で差をつけられて、巨人もヤクルトの首位独走を許している。4番打者に対する風当たりが強くなるのは宿命ですね」 長嶋茂雄(現巨人終身名誉監督)、王貞治(現ソフトバンク球団会長)、原辰徳(現巨人監督)、松井秀喜(現ヤンキースGM特別アドバイザー)と「巨人の4番打者」の華やかな系譜を引き継ぐのが岡本だ。高卒4年目の2018年に打率.309、33本塁打、100打点をマーク。史上最年少で「3割・30本塁打・100打点」を達成すると、2020、2021年と本塁打と打点の二冠王を2年連続で達成。王貞治以来球団史上2人目の快挙だった。広角に本塁打を飛ばせるパワーと打撃技術は球界屈指。5月29日の日本ハム戦で通算150本塁打に到達した。634試合出場での達成は巨人の日本人選手で最速記録だ。 25歳の若さでこれだけの実績を打ち立てているにもかかわらず、昨年の東京五輪では侍ジャパンのメンバーから落選。今年のオールスターのファン投票(6月28日付)でもセリーグ三塁部門で、トップの村上の33万8433票に大きく差を開けられた2位で18万6638票。一方で打撃不振の中田翔が一塁手部門のトップで、24万3544票を集めている。巨人担当の番記者は「同じポジションに村上がいるので票が入らないかもしれないが、まさか中田より票数が少ないとは……。打撃だけではなく守備もうまいし良い選手なのですが、華がないんですかね」と首をかしげる。 そんな岡本だが、試合中の「ある振る舞い」に批判の声が集まった。6月29日の中日戦で6回の打席でスイングした際に、手からすっぽ抜けたバットが三塁側の中日ベンチに飛び込んだ。幸い誰にも当たらずケガ人も出なかったが、岡本が中日ベンチに見向きもせずウェイティングサークルに戻り、ボールボーイにバットを拾わせたことにネット上で〈謝るぐらいしないと。子供たちも見ているんだから〉〈巨人の4番としてふさわしい態度ではない。自分でバットを拾うぐらいしてほしい〉と批判の声が上がった。「岡本が試合中の態度で批判されるのは珍しい。あまり気にする性格ではないですけどね。彼は朴訥とした性格で活躍しても変わらない。後輩も接しやすいので高卒2年目の中山礼都がなついていました。ちょっと誤解されている部分がありますが、少しずつベンチでも声を出すようになり坂本勇人の後継者として巨人を引っ張ろうとする使命感は伝わってきます。噛めば噛むほど味わいのあるスルメのような人間です。『岡本ワールド』が世間に浸透する日はもう少し先になるのではないでしょうか」(在京キー局の放送関係者) 球界を代表する和製大砲はライバルを乗り越えられるか。
2022.07.01 16:00
NEWSポストセブン
「落合博満以来の逸材」の呼び声高いDeNA・牧秀悟(時事通信フォト)
三冠王候補のDeNA牧秀悟 「落合以来の逸材」でもメディアが全然取り上げないワケ
 いま最も三冠王に近いDeNA・牧秀悟(24)。6月6日時点で打率3割3分3厘、15本塁打、46打点の成績を残し、打率、打点はリーグトップ、本塁打も岡本和真(巨人)を2本差で追いかける。「落合博満以来の逸材」の呼び声高いが、牧の知名度はなかなか世間に浸透していないのが実情だ。「命がけ」のパフォーマンスで当時の閑古鳥が鳴く横浜スタジアムをファンで埋めた元監督・中畑清氏は「売って売って、売りまくるべき」と説く。しかし、「そもそも横浜という球団はどうしても目立ちにくい」とスポーツ紙の編集委員は話す。「巨人や阪神は複数の担当記者がついていますが、DeNAは1人のみです。ソフトバンクや日本ハムは地元の地方版で大きく取り上げられますが、DeNAは関東圏内に本拠地を置く球団なので、巨人や首位を走るヤクルトの前にかすんでしまう。 地域密着で活路を見出した日本ハムやかつての南海などのパ・リーグ球団を見習って、DeNAも新潟を本拠地にするという話が根強くありますが、出ては消えてを繰り返しています」 ダンプの愛称で阪神、大洋でプレーした辻恭彦氏も、横浜を「首都圏のセ・リーグ球団なのに注目されない」と話す。「牧は巨人や阪神でプレーしていれば相当騒がれていると思いますね。DeNAはスカウトの眼力がよくて、僕が横浜でファームのコーチをやっていた頃にも、谷繁(元信)や佐々木(主浩)などいい選手がどんどん入ってきましたが、なかなか全国区になれず、メジャーやFAで他球団に移籍して初めて話題になる。監督やコーチが宣伝しすぎるとプレッシャーでしぼんでいくことも多いので注意しないといけないですが、牧はスランプのないタイプですから、もっとアピールしてもいいとは思うんですが……」 大洋一筋の元エース・平松政次氏は、内角に鋭く切れ込む“カミソリシュート”を武器に通算201勝をマークし“長嶋キラー”としても知られたが、「全国区になるには巨人戦で投げて勝つしかなかった」と振り返る。「僕の現役時代はテレビやラジオ、新聞も巨人戦しか露出しないわけですからね。特に王(貞治)さん、長嶋さんとの対戦が名前を売る一番のチャンス。後楽園で(巨人戦に)勝って銀座に行くのが目標だったんですよ。当時は巨人が勝った、負けたというのをママもホステスもみんな知っていたから、巨人戦で勝つとモテモテだった(笑)。 打者はピッチャーと違って、『試合を決める一打』を打つチャンスが回ってくるかどうかもわからない。相当活躍しないと厳しいですよ」 西武、中日、ダイエーでエースとして活躍し、引退後は横浜などで投手コーチを務めた杉本正氏は、知名度を上げるための「パフォーマンスの重要性」を語る。「ソフトバンクの柳田(悠岐)や西武の山川(穂高)は、ど派手なホームランを打ち込むのでインパクトが大きいんですよ。対照的に牧は中距離ヒッタータイプだし、性格的にも自分をアピールするより職人技を見せたいという独特の雰囲気を持っている。 お決まりのパフォーマンスを考えてもいいかもしれない。山川の“ドスコイ”やソフトバンク・松田(宣浩)の“熱男”みたいに定番となれば、テレビカメラもそこまで追う。夜のニュースでも拾ってもらえます。 牧はそういったことを照れてできないタイプだけど、プロ野球選手は目立ってなんぼだと割り切ってやればいいと思う」 牧は長野県出身。松本一高で2年夏、3年夏は県大会初戦で敗退と甲子園に出場経験がない。優等生であることでも知られ、期待がかかる三冠王についても「まだシーズン中盤ですから、いまは特に意識していません。ほんとにチームのためにやるだけ」と控えめだ。「マイペースでふてぶてしい佐藤輝、『サイン盗み騒動』で矢野燿大監督に立ち向かったヤクルト・村上(宗隆)と対照的に、牧は謙虚で仕事人のイメージが強い。メディアがキャラを固定できていない部分があります」(スポーツ紙編集委員)※週刊ポスト2022年6月24日号
2022.06.11 11:00
週刊ポスト
プロ2年目の横浜DeNA・牧秀悟(時事通信フォト)
三冠王候補なのに地味なDeNA牧秀悟 中畑清氏は愛称「ハイマッキー」を提案
 どっしりとした構えに落ち着いた所作。打席で纏う雰囲気はプロ2年目とは思えない。6月6日時点で打率3割3分3厘、15本塁打、46打点の成績を残し、打率、打点はリーグトップ、本塁打も岡本和真(巨人)を2本差で追いかける。 落合博満氏以来となる日本人右打者の三冠王についても、三浦大輔監督は「取るでしょ。それだけのものを持っていますし、マークされたなかであれだけの活躍をしてますから、大丈夫でしょう」(6月4日付、日刊スポーツ)と太鼓判を押す。 セ・リーグのある球団のエースは、匿名を条件に牧についてこう語る。「軸が全くブレないんですよ。緩急をつけたり、足元に投げてもきっちり踏み込んでミートする。速い球で差し込んだと思っていてもリストの強さで押し込むので、広角に打球が伸びる。得点圏の場面で対戦した時は、打たれると感じて四球にしました。あんなスキのない打者は今まで対戦したことないですね」 これほどの賛辞を贈られる強打者だが、大活躍した昨年同様、メディアの扱いはどうにも小さい。「昨年はルーキー史上初のサイクル安打を達成し、長嶋茂雄を超えるリーグ新人最多二塁打、清原和博以来4人目の3割&20本塁打と、様々な記録を塗り替えた。ただ球宴は前半戦大活躍した佐藤輝明(阪神)の陰に隠れて選出されず、新人王にも栗林良吏(広島)が選出されるなど、不遇な印象が強い。スポーツ紙も他球団なら1面の活躍を4、5面で扱うケースが目立ちます」(スポーツ紙記者) 6月6日にNPBが発表したオールスター中間投票では二塁手部門でトップの得票数を獲得したが、コアファン以外に認知されているとは言いがたい。DeNAベイスターズとしての初代監督を務め、積極的なメディア発信を行ない「営業本部長」とも呼ばれた中畑清氏は、球団の発信力に疑問を投げかける。「この男をスターにしないで誰をスターにするんだというぐらいの逸材だよ。オレなら売って売って、売りまくる。“牧が活躍しても勝てないのは監督のオレの責任だ”ってくらい、命がけでアピールしなきゃ。 新庄(剛志)監督の日本ハムがいい例。DeNAと一緒で勝てないのに、1番の松本剛から始まって、清宮(幸太郎)、万波(中正)、あと今川(優馬)か。名前を覚えちゃって、『今日はどうなったんだ』って気になるんだよな。ファンに気にさせてなんぼの世界なんだよ」 圧倒的な成績に見合う注目を浴びる方法として、中畑氏はこう提案する。「ニックネームだな。オレの“絶好調男”や松井の“ゴジラ”のようにね。牧だから“マッキー”でいいんじゃない。マジックじゃないけど“ハイマッキー”でもいいと思う。高いレベルで頑張る“ハイマッキー”。『バッティングはマジックのように打ちます』とか言ってね。 監督が営業本部長にならないとダメ。球団も協力することでいい環境になるんだから。ファンクラブを巻き込んでやるべきだね。ファンクラブでニックネームを募集し、採用された人には年間指定席をペアでプレゼントすればいいんですよ」 大洋一筋の元エース・平松政次氏は、代名詞である“巨人キラー”の継承を願う。「全国区になるには巨人戦で勝つしかない。これが第一条件。これは我々の時代と同じだと思う。全国的な注目度では、巨人や阪神には勝てないからね。マスコミの力は大きい。そういうところで活躍していれば、おのずと注目を集めるでしょう」 ベイのスターが球界のスターになる日は来るか。※週刊ポスト2022年6月24日号
2022.06.10 11:00
週刊ポスト
メジャー通算96本塁打、98盗塁の巨人・新外国人ポランコ(Sipa USA/時事通信フォト)
巨人ポランコ、開幕起用あるか?調整不足で「セペダの二の舞」懸念する声も
 コロナ禍のため、入国の遅れていた巨人の新外国人選手であるポランコ、ウォーカーの両外野手、シューメーカー投手が近々来日する予定で、開幕に間に合う可能性も浮上してきた。昨年、本塁打、打点の2冠王を獲得した4番・岡本和真の後ろをポランコに任せたい意向の原辰徳監督にとっては、朗報といえるだろう。プロ野球担当記者が話す。「メジャー通算96本塁打、98盗塁のポランコがクリーンアップを打って、一昨年のパ・リーグ打点王である中田翔を6番、7番辺りで起用できれば、打線に厚みが増します。ポランコ、ウォーカーが額面通り活躍すれば、巨人優勝の確率は高くなる。 ただ、無理して開幕から2人を使う必要はない、という考えもある。アメリカで調整していたとはいえ、日本での生活やプレーには慣れていない。オープン戦でよほど打たない限りは、ある程度ファームで実戦を積んでから一軍に上げた方がいいと思います。過去を振り返ると、巨人の新外国人野手は最初の5試合で波に乗れるかどうかに懸かっているんです」 昨年もコロナ禍のため、新外国人のスモークとテームズがなかなか入国できず、開幕には間に合わなかった。2人は4月中旬に来日し、二軍で数試合出場した後、4月27日に一軍へ昇格。しかし、テームズはデビュー戦でアキレス腱断裂という悲劇に見舞われ、3日後にアメリカに帰国し、8月に自由契約となった。「巨人が自前で獲得してきた新外国人野手で、この10年で活躍したのはロペスやアンダーソンくらいです。“キューバの至宝”と評されたセペダ、メジャーで2年連続2桁本塁打を放っていたフランシスコなど、前評判通りにはいかない選手が圧倒的に多い。原監督は、打てないと判断すればすぐに代える。他球団以上に、巨人の新外国人はスタートダッシュが求められます」 活躍した2人の最初の5試合を振り返ると、2013年に入団したロペスは打率4割2分1厘、2本塁打、5打点と打ちまくり、マルチ安打も3試合あった。翌年加入のアンダーソンは脅威の打率5割で2本塁打、7打点。4月2日のDeNA戦では5打数5安打と爆発し、5点差を大逆転する立役者となった。 ロペスはそのまま波に乗って、長嶋茂雄氏と松井秀喜氏の国民栄誉賞表彰式が行われた5月5日の広島戦で1対0の決勝ホームランを放つなど活躍し、規定打席に到達して打率3割3厘をマークした。アンダーソンはケガで2度の登録抹消があり、規定打席には届かなかったものの、打率3割1分9厘、OPS(出塁率+長打率).897でチームの3連覇に貢献した。「家族と会えない寂しさから自ら退団を申し出た昨年のスモークも最初の5試合で打率4割2分1厘と打っており、一時は岡本和真の後の5番を任せられる久々の外国人になる期待が高まっていた。コロナ禍でなければ、シーズンを通して活躍した可能性はありました」セペダ、フランシスコの「最初の5試合」の打撃成績 一方、セペダは2014年の5月12日に来日し、3日後にいきなり4番・レフトで先発出場。2打席目に来日初安打、初打点を記録し、3試合目には初ホームランを放ったものの、その後は快音が止まり、打率1割台と低迷した。原監督は我慢して6月7日まで4番に置いたが、その日の西武戦でセペダに代打・中井大介を送った。翌日控えに回ったセペダは代打で起用され、ホームランを放って意地を見せたが、その後シーズンを通して見せ場はほとんどなかった。 阪神とのクライマックスシリーズファイナルステージでも1戦、3戦とチャンスに代打で起用されるも併殺打などで結果を残せず、4 戦の9回に呉昇桓から代打ソロホームランを放つも、焼け石に水。チームは4連敗で日本シリーズ進出を逃した。 体重110キロを超えたフランシスコは2015年の4月22日に来日し、5月2日の阪神戦に3番・ファーストでデビュー。来日初安打、初打点でお立ち台に登ったが、その後は三振の山を重ね、度重なる拙守もあり、わずか5試合で二軍落ちに。その後、一軍に上がることなく、打率1割6分7厘、三振11、失策2の記録を残して、日本を去っている。「これらの例を考えても、ポランコやウォーカーには十分な調整期間を与えてから一軍に上げた方がいい。セペダにしてもフランシスコにしても、もっと日本野球に慣れされる必要があった。フランシスコは明らかにウエイトオーバーで、動けていなかった。 巨人の外国人野手はスタートの5試合で結果を出せなければ、その後に浮上するのは難しい。原監督の第3次政権初年度のビヤヌエバも1割4分3厘、昨年途中加入のハイネマンも1割8分8厘と、5試合で結果を出せなかった。その後も目立った活躍はほとんどできず、今では、ファンの記憶の彼方へと飛んでしまいました。 例外としては、一昨年のパーラが開幕2戦目に1号3ランを放ち、5試合で4割3分8厘と打ちまくったものの、途中ケガもあって、成績が尻すぼみとなって1年で解雇されています。シャークダンスでチームにも馴染んでいましたし、2年目を迎えていれば、また違った結果が生まれたかもしれませんが、巨人は活躍するまで待ってくれる球団ではありません」 外野には松原聖弥などの若手がおり、ウィーラーという日本で実績のある外国人もいる。どこまで調整できているかわからない新外国人を敢えて開幕から使う必要があるのか、指揮官も頭を悩ませるところだろう。良いスタートを切って、シーズンを通して活躍してもらうためにも、ポランコ、ウォーカーに一定の調整期間を与えるかどうか、原監督の采配に注目したい。
2022.03.06 07:00
NEWSポストセブン
3冠王の期待もかかる村上宗隆(時事通信フォト)
岡本和真・村上宗隆のキャリアハイはいつ来る?歴代HR打者と比較
 この2年、セ・リーグでは激しい本塁打王争いが繰り広げられた。一昨年は巨人・岡本和真が31本とヤクルト・村上宗隆を3本差で振り切って初の栄冠を手にし、昨年は2人が39本でタイトルを分け合った。今年2人は40本を飛び越えて45本、さらには50本という大台も期待されている。昨年、岡本と村上はともに9月下旬に38号を放ったが、残り1か月で1本しか打てず、40の大台には達しなかった。プロ野球担当記者が話す。「当時と今では試合数が違うとはいえ、高卒新人最多の31本を打った清原和博(西武)、12年連続20本以上を放った原辰徳(巨人)も40という数字には届かずに現役生活を終えた。それくらいハードルが高いですし、日本人選手の50本以上は今まで5人しか記録していない。それでも、2人の順調な成長ぶりを見れば、ファンは胸が躍るでしょう」(以下同) 過去にシーズン45本以上の本塁打を放った日本人選手は14人いる。その中で、一軍で150打席以上立った年を1年目と計算した場合、何年目にキャリアハイを記録しているのか調べてみた。(以下、選手名(年)本塁打数、年数、所属球団の順)田淵幸一(1974年)45本 6年目 阪神村田修一(2008年)46本 6年目 横浜藤村富美男(1949年)46本 5年目(※)阪神西沢道夫(1950年)46本 4年目 中日松中信彦(2005年)46本 7年目 ソフトバンク中村紀洋(2001年)46本 8年目 近鉄山川穂高(2018年)47本 3年目 西武中村剛也(2009年、2011年)48本 5、7年目 西武掛布雅之(1979年)48本 6年目 阪神松井秀喜(2002年)50本 10年目 巨人小鶴誠(1950年)51本 7年目 松竹落合博満(1985年)52本 6年目 ロッテ野村克也(1963年)52本 8年目 南海王貞治(1964年)55本 6年目 巨人【※藤村はプロリーグ1年目の1936年から参加し、150打席以上立ったシーズンもあるが、1939年から1942年までは兵役のために試合に出場できなかったため、1944年から計算(太平洋戦争のため1945年は公式戦なし)】 実質3年目の山川、10年目の松井もいるが、6~7年目が最も多くなっている。実質4年目の村上、実質5年目の岡本はまだまだ伸びる可能性があるだろう。「1シーズンの過ごし方に慣れ、心技体が最も充実してくるのが6~7年目辺りなのかもしれません。昨年の岡本や村上のように若過ぎると、プレッシャーを感じてしまい、重圧を自分でコントロールできないこともある。しかし、中堅クラスになった時にその経験を活かせるし、6~7年目はまだ自分の伸び代を信じてがむしゃらに進める年齢です。 逆に、ベテランになると、過去の経験から自分がどれぐらい打てるか予測が立ってしまう場合もあり、安定した成績が残せる反面、キャリアハイまでは狙いにくくなる。だから、実績があって風格も出てきながらも、成長力を感じられる6~7年目に最高の本数を打つ選手が多いのかもしれません」 もっとも10年目以降にキャリアハイを記録したホームラン打者もいる。通算3位の567本塁打を放った門田博光(南海→オリックス→ダイエー)はアキレス腱断裂を挟んで、33歳の12年目に自己最多の44本を放ち、不惑の40歳で迎えた19年目のシーズンにも44本で本塁打王に輝いた。通算4位の536本塁打の山本浩二(広島)は31歳になる9年目に自己最多の44本を打ち、その年から5年連続40本以上をマークした。「過去の大打者を見ると、早熟タイプと大器晩成タイプがいると思います。6年目で48本を打った掛布雅之(阪神)は31歳の年に再三ケガに見舞われ、33歳で引退した。王貞治の868本を抜くとまで期待された清原和博(西武→巨人→オリックス)は5年目に自己最多の37本を打ち、200号までは最年少記録を更新したが、最後のシーズン30発以上は30歳のシーズンで、その後は印象に残る活躍はありましたが、ケガに泣いた。 若い頃から注目され、人気チームで働くと精神的な負担も大きい。20代前半から活躍している岡本や村上は今後、いかにケガをせずに過ごせるかもポイントになるでしょう」 歴代のホームラン記録を比較していくと、改めて王貞治の凄さが実感できるだろう。22歳で初めてホームラン王に輝いてから13年連続でキングを獲得し、巨人という人気チームで9年連続日本一のV9を達成。40発以上13年、45発以上10年、50発以上3年を記録し、37歳でも50本塁打を放っている。その間、欠場もほとんどなかったのだ。はたして岡本や村上はレジェンド級の選手になれるか。
2022.02.13 16:00
NEWSポストセブン
中田翔の無償トレードで獲得は大きな波紋を呼んだ(時事通信フォト)
広岡達朗氏、原監督への疑問「なぜ中田翔を戦力として獲得したのか」
 巨人が終盤に大失速し、3連覇が消えたことで、原辰徳監督の采配への疑問符が沸き立っている──。首位争いを繰り広げていた8月、日本ハムで暴行事件を起こした中田翔を無償トレードで獲得した一件も大きな波紋を呼んだ。原監督は「才能ある野球人」「チームの中心選手と同世代は好材料」と言い、自らの判断で、リーグ3連覇の戦力として中田を獲得したことを明かしたが、思惑は外れた。中田の状態は最後まで上向かず、1割5分4厘、3本塁打と期待を大きく裏切り、チームも加入以降、下降線を辿った。 V9戦士で、引退後は万年Bクラスだったヤクルトと西武を常勝球団に変え、日本一に3回導いた広岡達朗氏は「中田を批判するわけではない」と前置きして、原監督に問いかける。「中田をなぜ戦力として獲得したのか。これが問題です。巨人のファームには素質のある若い選手が集まっている。彼らは入団した時はやる気満々だが、こんな戦力補強を繰り返していれば気持ちが折れてしまう。中田を獲る前に二軍の選手を一人前のレギュラーに育てるべきですよ。毎年のようにFA、新外国人、メジャー帰りの選手たちを獲っていては、ファームの選手には夢も希望もなくなる。人の気持ちはそんなものです。原監督は選手の気持ちを分かっているのか」 2006年からの原2次政権は「育成の巨人」と呼ばれた。坂本をレギュラーに固定し、松本哲也ら育成選手を含めた生え抜きがチームの主力になった。 だが、今の巨人の野手を見渡すと、生え抜きのレギュラーと呼べるのは坂本、岡本和真、松原聖弥のみ。若手に残されたポジションは少ない。「チームというのはいい選手が引退して穴が空けば、若手がやる気を出して下からはい上がってくる。それがチームの若返りであり、強い組織なんです。一軍の主力が今年のような低い成績なら、ファームで結果を残している中山(礼都)や秋広(優人)が一軍で起用されないのはおかしい。 原監督のチーム作りはオールスターや侍ジャパンの監督がやる手法です。いい選手を集めて、活躍しなければ別の選手に代えるだけ。これでは若手がいつまでも育たないし、強さが持続するチーム作りはできません」(広岡氏)※週刊ポスト2021年11月12日号
2021.11.02 16:00
週刊ポスト
中田翔の実績や能力の高さから、戦力としての期待は大きいが…(時事通信フォト)
巨人・中田翔加入後の失速 「打率1割台の5番打者」への期待と我慢の限度
 8月に日本ハムから巨人へ無償トレードで移籍した中田翔。チームメイトへ暴行が明らかになり日本ハムで無期限謹慎処分を言い渡されたが、巨人入団と同時に解除された。昨年のパ・リーグ打点王の加入は優勝を争うチームに大きな戦力となると思われたが、巨人移籍後17試合で打率1割5分8厘、1本塁打、2打点(9月9日現在。記録は以下同)と快音が聞かれない。中田加入後、巨人は5勝7敗5分と失速している。プロ野球担当記者が話す。「原監督がなぜ打率1割台の中田を使い続けるのかわかりません。ベテランの中島宏之は少ないチャンスで結果を出している。東京五輪明けの後半戦、打率4割を超えています。阪神との首位攻防の3戦目(9月5日)から3試合連続で中島をスタメンで使っていたので、これからのファーストは中島を軸にするかもしれませんが、中田の成績なら二軍落ちしてもおかしくない。中島を休養させるために中田をスタメンで使うなら、ウィーラーをファーストに回して、外野で他の選手を使うという選択肢もあるはずですが」(以下同) 9月9日のDeNA戦では、岡本が四球で歩いた後の7回二死一、二塁のチャンスで見逃し三振。吉川尚輝、岡本和真の連続タイムリーで1点差に迫った9回にはショートへの内野安打で出塁して、丸佳浩の同点タイムリーに繋げたが、現在まで得点圏打率1割2分5厘と5番の役目は果たせていない。「少なくとも本塁打、打点とセ・リーグ1位の4番・岡本和真の後ろを打つバッターとしては物足りない。コロナ陽性者が続出した4月、ファーストで香月一也が11試合に先発出場して打率2割8分1厘、3本塁打、6打点でした。代打成績も含めれば、4月の香月はOPS(出塁率+長打率)が1.000を超えていました。それに比べて、中田は巨人移籍後OPSが0.568しかない。香月は最近二軍でもあまり打てていませんが、中田と同じくらいチャンスを与えたら、それなりの活躍をしているかもしれない。そんな想像をしてしまうほど、中田は原監督に優遇されているように思います」 原監督は、9月2日のヤクルト戦で中田に“代打・若林晃弘”を送るなど、非情さも見せたが……。「中田の実績や潜在能力を考えれば、期待したくなる素材です。今のうちにセ・リーグに慣れてもらい、終盤の爆発を待っているのかもしれません。しかし、これが前半戦ならわかりますが、もうシーズン終盤戦の9月で悠長なことは言っていられない。最近の巨人は打線が停滞して、連敗が続いている。5番が1割台では、点が取れないのは当然です」 中田スタメン12試合のうち、5点以上を取ったのは4試合。唯一のマルチ安打を記録した8月31日のヤクルト戦はチームも10点を取り、9回に内野安打を放った9月9日のDeNA戦では3点差を追いついて5対5の引き分けに持ち込んだ。中田が打てば、打線が繋がるのは明白。原監督は中田の復調を待つのか。それとも――。見極める時間はあまり残されていない。
2021.09.10 16:00
NEWSポストセブン
現役時代の原辰徳のバッティング(時事通信フォト)
巨人の新旧4番の因縁、岡本和真と原辰徳「14連敗脱出の雪辱ホームラン」
 4番が打てば勝つ──。昭和、平成、令和と元号が変わっても、巨人に続く伝統である。5月30日、巨人がソフトバンクに4対3で勝ち、オープン戦、交流戦、日本シリーズでの連敗を14で止めた。試合を決めたのは、4番・岡本和真の一振りだった。5回、ホークス先発の和田から決勝の14号ソロを放ち、日本シリーズ2年連続4連敗の雪辱を僅かながらも晴らした。 岡本はソフトバンクに相性が悪かった。2019年の交流戦では12打数2安打で打率1割6分7厘、1本塁打、3打点。日本シリーズでは2019年が16打数3安打で打率1割8分8厘、1本塁打、3打点。2020年が13打数1安打で打率0割7分7厘と苦しみ、本塁打、打点ともにゼロに終わっていた。 かつて、巨人が苦手意識を持っていた球団といえば、黄金時代の西武が挙げられる。交流戦のない1989年から1992年にかけて、巨人はオープン戦、日本シリーズで西武に14連敗していた。 この頃、巨人の4番は、現在の監督である原辰徳が務めていた。まさかの4連敗で呆気なく散った1990年の日本シリーズ、原は15打数4安打で2割6分7厘、本塁打、打点ともゼロに終わり、西武の清原和博と比較され「4番の差で負けた」と酷評された。実は、原はオープン戦でも西武相手に全くと言っていいほど打てなかった。 1989年は2試合で8打数ノーヒット、翌年も2試合で3打数ノーヒット。日本シリーズを挟んで、1991年は3試合で10打数3安打1本塁打3打点を挙げたが、1992年は3試合で8打数2安打、本塁打、打点はなし(欠場1試合)。4年間の対西武のオープン戦成績は29打数5安打、1割7分2厘しか打っていなかった。プロ野球担当記者が話す。「オープン戦は関係ないと言われますが、この頃の巨人対西武はシーズン開幕直前に試合が組まれており、勝敗を意識する時期でした。実際、当時の藤田元司監督は『(オープン戦の)ラスト5試合は勝負に徹する』と語っていました。これだけ勝てないことで、明らかに巨人は西武コンプレックスを持っていたように思います」 オープン戦、日本シリーズでの対西武14連敗中、巨人は4度の完封負けを含め、3得点以下が10回。1990年の日本シリーズ第4戦から1991年のオープン戦にかけて、21イニング連続無得点という不甲斐なさも見せていた。その責任は、『4番・原』にあった。「ここ2年、ソフトバンク相手に岡本は活躍できず、惨敗していた。5月30日の試合後、原監督は岡本のホームランについて、『随分ストレスも溜まっていただろうし、そういう意味ではそれが全て出たんじゃないでしょうかね』とコメントした。同じ4番として、岡本のストレスや悔しさを、誰よりも理解していたのではないか。 岡本がホームランを打ってソフトバンク戦の14連敗をストップさせたように、奇しくも原も1993年に西武戦の14連敗を止めた試合でホームランを放っている。この年、原辰徳は35歳を迎えるシーズンだったが、岡本は今月で25歳になる。やり返すチャンスは十分ある」 原は1994年の西武との日本シリーズでは故障の落合博満に代わって、3試合で4番に座り、第2戦では唯一の得点となる先制タイムリーを工藤公康から放った。第4、5戦では2試合連続猛打賞と爆発。存在感を見せつけ、日本一を決めた第6戦では『4番・ファースト』で出場し、自身4度目の対戦で西武を初めて破り、日本一に輝いた。 巨人は4番が打てば勝つ。今シーズン、4番・岡本は自身のバットでチームを引っ張り、日本シリーズに進出してソフトバンクに借りを返すことができるか。
2021.06.01 16:00
NEWSポストセブン
ここから巨人の巻き返しなるか?(写真は昨年の日本シリーズ。時事通信フォト)
連敗は14でストップ 巨人はソフトバンクへの苦手意識をどう払拭するか
 5月30日、巨人が4対3で勝ち、オープン戦、交流戦、日本シリーズと続いていたソフトバンク戦の連敗を14でストップさせた。この日は、初回に新外国人スモークの先制2点タイムリーが生まれ、同点の5回には4番の岡本和真が勝ち越しソロ。8回にはスモークの1発も飛び出し、7投手のリレーで辛くも逃げ切った。 28日からのソフトバンクとの3連戦で巨人は10得点を挙げたが、生え抜き選手の挙げた打点は岡本和真のソロホームランのみ。新外国人のスモークが3打点、西武、オリックスとパ・リーグ経験者の中島宏之が2打点、昨年6月に楽天から移籍してきたウィーラーが2打点だった(残りの2得点は相手の失策絡み)。つまり、8打点中7打点は“移籍組”の選手から生まれたものだ。連敗を脱した5月30日のスタメンの生え抜き選手は先発投手の戸郷翔征、吉川尚輝、岡本、松原聖弥の4人だけ。1番に抜擢されて2安打の石川慎吾は日本ハム出身、マスクを被って好リードの炭谷銀仁朗は西武出身だった。プロ野球担当記者が話す。「苦手チームに勝つ時は、今までの連敗と縁の薄い選手が活躍するもの。振り返れば巨人は1990年に西武に日本シリーズで4連敗し、前後のオープン戦でも全く勝てない時期がありました。いわゆる西武コンプレックスを吹き飛ばしたのは、その頃を知らない選手たちでした」(以下同) 巨人は1988年4月3日の12球団トーナメントの決勝でガリクソン-鹿取義隆の完封リレーで西武に4対0で勝利したのを最後に、1989年から1992年までオープン戦、日本シリーズ含め、14連敗を喫していた。奇しくも、今回の対ソフトバンクの連敗数と同じ数だった。 オープン戦では1989年から2年連続で2敗ずつ、4試合とも1得点の貧打に泣き、1990年の日本シリーズでは完封負け2つの4タテを食らう。選手会長の岡崎郁が「野球観が変わった」というほどの衝撃だった。巨人は完全に西武に苦手意識を持ったのか、その後2年間のオープン戦でも6戦全敗と負け続けた。西武戦の苦手意識を持たなかった移籍組 長嶋茂雄監督が就任した1993年、ようやく連敗が止まる。西武球場で行われた3月20日のオープン戦、先発の槙原寛己が6回1失点と好投。4回にヤクルトから移籍の長嶋一茂が同点打を放つと、7回に駒田徳広のソロで勝ち越し。8回には原辰徳、9回には古巣相手に大久保博元がアーチをかけ、最後は石毛博史が締めて4対1で勝利をもぎ取った。 この日は試合前のミーティングでチームリーダーの原が『今日は絶対に勝とうぜ』と喝を入れ、試合後に長嶋監督が『7回1死満塁、元木のところで代打・岡崎を出すべきだった。俺のミスだな』と語るなど、オープン戦にもかかわらず本気で勝ちに行っていた。「この年、巨人は西武とのオープン戦6試合に3勝2敗1分と勝ち越し。翌1994年は3勝1分と負けなしでした。同年、中日との同率で迎えた最終戦の『10.8決戦』に勝って優勝し、日本シリーズで初めて西武を破った。『10.8』の勢いも大きかったが、オープン戦で西武への苦手意識が消えていた影響も少なからずあったでしょう」 1993年の対西武2戦目では長嶋一茂が工藤公康から勝ち越し2点タイムリーを放ち、4対1で勝利。2勝2敗1分で迎えた6戦目の3月29日には、1990年の4連敗を知らない元木大介が初回にモスビーを三塁に置いて先制タイムリー、4回には2死満塁からレフトオーバーの勝ち越し2点タイムリーと3打点を叩き出し、7対3で勝利。オープン戦とはいえ、対西武戦の勝ち越しを決めた。 1994年のオープン戦では、3月20日の初戦は中日からFA移籍の落合博満、新外国人コトーが1打点ずつを挙げ、2対2の引き分け。21日には4回に原、大森剛の連続タイムリーで逆転し、7対1で快勝。27日には、工藤公康から落合が先制アーチ、コトーが勝ち越し2ランを浴びせ、13対2と圧倒。28日は、新外国人グラッデンが先頭打者ホームラン、7回には落合が4点目のタイムリーを放ち、4対3で勝った。「1993年は移籍組の一茂、大久保、若手の元木という空気に飲まれない選手たちの活躍があった。1994年は西武コンプレックスを持たない落合やコトー、グラッデンという新戦力が貴重な一打でチームを勢い付かせた」次の対戦では生え抜き選手の奮起に期待 屈辱に塗れた生え抜き選手も、悔しさを忘れていなかった。1987年の日本シリーズ第6戦の8回裏、センター前ヒットで1塁ランナーの辻発彦にホームインを許した時、中堅手のクロマティのカットマンに入っていたショートの川相昌弘は、1994年3月20日のオープン戦で雪辱した。1回裏1死一、二塁の場面で、落合がセンター後方にフライを打ち上げると、二塁走者の川相は一気にホームインしている。「今の選手たちも昨年、一昨年の2年連続日本シリーズ4連敗という悔しさは胸に残り続けている。14連敗を止めた試合はスモークの活躍に助けられましたが、怪我で離脱中の坂本勇人を始め、この日決勝ホームランを放った岡本も1本だけで満足するはずもない。1勝でコンプレックスを払拭できるとは思えないが、交流戦で1勝できたことは大きい。 単純に考えれば、中日がソフトバンクに2勝1分だったが、巨人は中日にリーグ戦で勝ち越している。昨年の終盤は巨人が調子を落とし、ソフトバンクが上がり調子で日本シリーズに臨んだことも大きく関係したでしょう。他チームから移籍してきた選手に助けられた分、次の対戦では生え抜き選手がもっと奮起するでしょう」 1994年の巨人対西武の日本シリーズでは、第4戦の9回にデーブ大久保が古巣相手に代打同点アーチを放ったり、王手をかけた第6戦ではコトーが先制の口火となる三塁打、試合を決定付けるホームランを放った。その一方で、1990年の4連敗の初戦に打たれた槙原寛己が2完投勝利でMVP、1勝1セーブの桑田真澄が優秀選手賞に選ばれるなど、移籍組と生え抜きが、戦力としてうまく融合していた。今回は移籍組の活躍でソフトバンク戦の連敗をストップさせた巨人。今後、苦手意識を完全に払拭するためには、生え抜き選手の奮起も必要となるだろう。
2021.05.31 16:00
NEWSポストセブン
岡本和真はまだまだお得感
プロ野球70人コスパランキング(野手編) 1位大田、2位岡本
 日本のプロ野球でも、昔のようにエース級が毎日投げるような乱暴な起用はなくなり、投手の肩は消耗品という考え方が定着してきた。一方で、野手は一部のベテランを例外とすれば、主力は毎日出場し、できるだけ多くの打席に立ち、たくさんの安打を放つことが一流の証となる。年俸に比してたくさんの安打を打てば、球団経営的にはコストパフォーマンスの良いバッター、打てなければ悪いバッターと評価される。 もちろん野手には守備や走塁といったバット以外の貢献もあるし、特に捕手の場合はリードが一番大事という考え方もある。が、打撃があまりにも悪ければ出場機会も減ってしまうから、最も基本的な指標としては、やはり「安打のコスパ」は重要だ。プロ野球のデータに関する著書が多いジャーナリストの広尾晃氏に、年俸1億円以上の野手について、1塁打あたりのコスパを算出(10月29日現在)してもらった(下記リンクから投手編もぜひご覧いただきたい)。 1塁打あたりの年俸(すべて推定)が1000万円以上というコスパの悪い選手は、一軍出場がなかったソフトバンクの内川聖一、中日の大野奨太以外にも3人いた。巨人の小林誠司1億円(年俸1億円・1塁打)、同じく巨人の陽岱鋼2000万円(年俸3億円・15塁打)、ソフトバンクのデスパイネ1212.1万円(年俸4億円・33塁打)。小林は2度の骨折で10試合しか出場していないから厳しい数字も当然だが、捕手だということ、公傷だという点を差し引いても、出場した10試合で打率.056、1安打しか打っていないというのは寂しい。巨人は捕手陣が手薄ではあるものの、契約更改では厳しい査定が予想される。 この5人に続くのが、阪神で戦力外となった福留孝介764.7万円。さらにバレンティン757.6万円(ソフトバンク)、伊藤光678.5万円(DeNA)、炭谷銀仁朗652.2万円(巨人)、レアード456.9万円(ロッテ)。このあたりも戦力外や減俸が心配だろう。 逆に最もコスパが良かった優秀選手は、巨人から2017年に日本ハムにトレードされた大田泰示で57.8万円(年俸1億円・173塁打)だった。これに岡本和真64.2万円(巨人)、島内宏明67.6万円(楽天)、サンズ75.9万円(阪神)、オースティン76.3万円(DeNA)、宮崎敏郎80.4万円(DeNA)、坂口智隆82.1万円(ヤクルト)、近藤健介88.2万円(日本ハム)、マーティン92万円(ロッテ)、梅野隆太郎93.5万円(阪神)と続く。これらの選手は契約更改が楽しみに違いない。「今年はコロナの影響でレギュラー・シーズンが120試合しかないという特別なシーズンだったから、コスパが悪くなるのは仕方ない面もある。とはいえ、一部のFA選手のコストパフォーマンスの悪さは目立つ。FA選手も複数年契約の期間が切れたら大幅ダウンや戦力外になる。その流れに拍車がかかるシーズンオフになるのではないか。すでに福留や内川が戦力外になっているが、このランキングで下位の選手にとっては、厳しいシーズンオフになるでしょうね」(広尾氏) 結果を問われるのがプロの世界。1億円の大台を達成している70人は、とにかく打って打って打ちまくるしかない。
2020.11.11 07:00
NEWSポストセブン
今も昔も共通する「三冠王を狙える打者」の特長とは?
今も昔も共通する「三冠王を狙える打者」の特長とは?
 令和初の「三冠王」は誕生するか──好調なスタートを切ったのは巨人の岡本和真だ。10試合を終えた時点で打撃三部門のリーグトップとなった。その後、15試合終了時点(7月7日)で本塁打は2位、打点は7位となったが、打率1位はキープしている。さらにセではDeNAの宮崎敏郎、広島の鈴木誠也、パでは楽天の浅村栄斗といった過去の打撃タイトルホルダーたちも3部門すべてでベスト5に名を連ねている(7月7日時点)。 三冠王は昔より難しくなったとの見方もある。1988年に40歳で44本塁打、125打点で二冠王に輝くも打率.311で6位に沈んだ門田博光氏(72)はいう。「僕の時代、(一塁手以外の)内野手はしっかり守って打率2割5分が合格とされ、打撃タイトルは外野手やファーストの選手で争っていた。でも今は浅村や坂本のように守備が大変な内野手にも好打者が増えて、タイトル争いが激しくなっている」 2004年のダイエー・松中信彦を最後に三冠王は15年間出ていない(それ以前は中島治康、野村克也、王貞治、落合博満、ブーマー・ウェルズ、ランディ・バースの6人)。岡本にとって「巨人の4番」の大先輩にあたる松井秀喜は2002年のシーズンで、中日の福留孝介(現在は阪神)に打率が及ばず二冠に終わった。 加えて、3つのタイトルのうち1つでも飛び抜けた選手がいると、三冠王の難度が増す。「かつてのイチローのように、7年連続で首位打者になる選手がいると三冠王は厳しい。松中が三冠王を獲ったのも、イチローがメジャーに移籍してからです。現在のパではソフトバンクの柳田悠岐が三冠に最も近いと思うが、本塁打数で西武の山川穂高を超えるのは至難の業でしょう」(同前) 2012年には巨人の阿部慎之助が打率と打点のタイトルを獲得したが、本塁打でヤクルトのバレンティン(現在はソフトバンク)の後塵を拝した。バレンティンは2011から3年連続本塁打王に輝いている。 1953年に本塁打、打点の二冠王に輝くも、打率が4厘届かず。その後も3度、二冠に輝くが三冠には届かなかった中西太氏(87)は、三冠王を狙える良いバッターには今も昔も変わらぬ特長があると指摘する。「昔よりボールもバットも数段良くなった代わりに、凄い球を投げるピッチャーが増え、スコアラーによって選手は丸裸にされ、打者のライバルも多くなりました。そんな中で求められるのは体全体を使ったしなやかなスイングで、逆方向にホームランを打てる能力。その技術を身につければ自ずと打率も上がってくる。そういうバッターでなければ、三冠王は狙えない」 現役バッターで中西氏が、特に期待する選手はやはり岡本だという。「岡本は成長しました。遠くに飛ばすのは力ではなく、体全体でボールを捕らえて捻ることだと理解し、ライト方向に打球が飛ぶようになった。2年連続で30本塁打を打ち、2018年には100打点、3割をマークした。どこを攻められても対処できる、踏ん張れる穴のない打撃を心がければ、さらに良い結果を残せるはずです」 技術的には申し分ない。ただ門田氏はこう注文をつける。「岡本で気になるのは太り気味に見えるところ。開幕時は元気でも、体重がありすぎるとシーズン半ばに疲れが出てキレがなくなり、体の回転で打てなくなるからです。体調管理をしっかりして、最初に30本打った2年前の体に戻せば、三冠を十分に狙えます」 コロナにより異例のペナントとなった今季は、巨人の若き大砲・岡本が令和初の伝説を作るかもしれない。※週刊ポスト2020年7月24日号
2020.07.13 16:00
週刊ポスト
中西、加藤、門田…最強二冠王が語る「三冠王に必要なもの」
中西、加藤、門田…最強二冠王が語る「三冠王に必要なもの」
 長き球史で達成者はわずか7人(11回)。中島治康、野村克也、王貞治、落合博満、ブーマー・ウェルズ、ランディ・バース、松中信彦だけが成し遂げている。あの長嶋茂雄や松井秀喜ですら成しえなかった「三冠王」という大記録に、まだシーズン序盤とはいえ、期待を集める選手が両リーグに現われている。ただ、これまで数多くの強打者が“あと一冠”に涙を飲んできた。 好スタートを切ったのは巨人の岡本和真だ。10試合を終えた時点で打撃三部門のリーグトップとなった。その後、15試合終了時点(7月7日)で本塁打は2位、打点は7位となったが、打率1位はキープしている。 さらにセではDeNAの宮崎敏郎、広島の鈴木誠也、パでは楽天の浅村栄斗といった過去の打撃タイトルホルダーたちも3部門すべてでベスト5に名を連ねている(7月7日時点)が、球界のレジェンドたちは「最注目はタイトル未経験の岡本」と口を揃える。三冠王への道の険しさを誰より知る、惜しくも三冠王を逃した歴代の「二冠王」たちはどんなアドバイスを送るのか。「怪童」と呼ばれた中西太氏(87)は、西鉄入団2年目の1953年に本塁打、打点の二冠王に輝くも、打率が4厘届かず。その後も3度、二冠に輝くが三冠には届かなかった。最も三冠に肉薄したのは最終戦を残して本塁打、打点がトップだった1956年のシーズン。「チームメイトの豊田泰光を4毛下回る打率2位からの逆転を狙ったが、最終戦で三原脩監督は、両選手をオーダーから外しました。それまでタイトルに縁のなかった豊田に首位打者を獲らせたかった三原監督の温情だったと言われています」(元スポーツ紙編集委員) 当の中西氏はサバサバと振り返る。「僕の時代は三冠王が騒がれることもなく、個人記録よりチームの日本一が目標でした。豊田君と打率を競った時も、チームメイトと争う気持ちはなかった。最終戦の欠場も日本選手権のために練習をしただけで、三冠王は頭にありませんでした」 中西氏のようにチームメイトに三冠を“阻止される”ケースは少なくない。その典型が巨人の長嶋茂雄と王貞治。1963年は王が本塁打王に輝き長嶋の三冠を阻み、1968~1970年は長嶋が打点王を獲得して王に三冠を獲らせなかった。 岡本に置き換えて考えれば、坂本勇人ら巨人のチームメイトの調子もカギとなりそうだ。ただし、岡本の前を打つチームメイトが調子を落とせば、打点王が遠ざかるというジレンマも抱えている。◆ヒットを狙ってチャンスを逃す 三冠王は、自分の力だけで達成できるものでもない。1979年のパ・リーグ、三冠王を狙える位置にいた阪急の加藤秀司氏(72、当時は英司)は、近鉄のマニエルと本塁打王争いを続けていた。迎えたシーズン終盤の近鉄との直接対決。すでに阪急が優勝を確実にして消化試合ムードが漂う中、近鉄リードで迎えた8回裏に加藤を1本差でリードするマニエルが打席に立った。「誰もが勝負を避けると思ったが、マウンドの今井雄太郎は真っ向勝負。マニエルは今井の球をライトスタンドに放り込み、本塁打王争いの大勢が決まった。試合後に加藤が『消化ゲームでっせ。普通は歩かせるやろ』とボヤいたのを覚えている」(当時阪急担当の元在阪スポーツ紙記者) 加藤氏に当時の心境を聞いたところ、ぶっきらぼうにこう答えた。「誰にでも思い出したくない過去はあるんや。消化試合でウチのピッチャーが打たれた。それだけや」 シーズン終盤ではメンタル面が重要と指摘するのは、南海・ダイエー・オリックスで活躍した門田博光氏(72)だ。1988年に40歳で44本塁打、125打点で二冠王に輝くも打率.311で6位に沈んだシーズンを振り返る。「後半戦で本塁打王と打点王が確実になり、“あとは小さなスイングで打率を稼ごう”と考えたんです。しかしいつでも打てると思っていたヒット狙いに切り替えると、かえってうまくいかなかった。三冠を獲る最後で最大のチャンスだったんですけどね」※週刊ポスト2020年7月24日号
2020.07.12 16:00
週刊ポスト
SB柳田悠岐 今季トリプルスリーと三冠王の同時受賞もあるか
SB柳田悠岐 今季トリプルスリーと三冠王の同時受賞もあるか
 オープン戦から、今年はボールが異常に飛ぶ、と選手の間でも話題になっていたほどホームランが次々と誕生している2020年のプロ野球。ボールをめぐる“謎”はさておき開幕から打高投低の試合が続いているのは紛れもない現実。 打撃成績を見ると、セは巨人の岡本和真ら4割打者が4人、3割打者が14人もいる(成績は6月29日時点、以下同)。パも4割打者が2人、3割打者が12人。内川聖一から正一塁手を奪ったソフトバンク(SB)・栗原陵矢ら新顔も含まれる。 セ3球団で4番を打った広澤克実氏は岡本の成長を絶賛する。「チャンスでの強さが際立っている。バッテリーは攻める穴が見当たらない」 前SBヘッドコーチの達川光男氏は「令和初の三冠王」も夢ではないと語る。「覚醒した岡本は一発だけを狙っていないからね。熱帯夜のマツダスタジアムや甲子園があるセは投手がしんどい。さらに、セは今年CSがないからどのチームも優勝狙い。上位チームの主砲との勝負は不可欠となり、上位進出が期待できる岡本や広島の鈴木(誠也)は勝負してもらえる場面が増え、三冠王の可能性は十分にある。打率は試合数が少ないので4割近辺でのタイトル争いになるじゃろう」 パでは2015年にNPB初のトリプルスリーと首位打者を同時達成したSBの柳田悠岐が期待大。「ヤクルトの山田哲人の三度のトリプルスリーは後ろを打っていたバレンティン(今年からSBに移籍)の影響も大きい。バレは外の球に強いから捕手は二塁への送球がやりづらく、柳田は盗塁しやすくなるし、バレが本来の調子を取り戻し始めたことで、柳田と勝負をしなければならなくなる。トリプルスリーと三冠王の同時受賞もあると思うよ」(達川氏)※週刊ポスト2020年7月10・17日号
2020.07.03 07:00
週刊ポスト
セカンドは若手に競争されるポジションに(吉川尚輝。時事通信フォト)
巨人のチーム内競争 守備位置でベテラン枠と若手枠使い分け
 3か月遅れで始まったプロ野球は3カードを消化し、セ・リーグは巨人が6勝2敗1分で首位に立っている。打撃陣は丸佳浩の調子が上がらないものの、4番の岡本和真が打率4割7分2厘、4本塁打、10打点と打ちまくり、チームを牽引している。 例年、オフの大型補強が話題になる巨人だが、昨年はFA宣言した美馬学(楽天→ロッテ)、鈴木大地(ロッテ→楽天)の獲得を目指すも他球団にさらわれ、巨人の実質的な新戦力は、ドラフト入団組を除けば、サンチェスやパーラなどの新外国人くらいだ。 投手陣は昨年のリーグ最多勝投手である山口俊が抜け、戦力的に秀でているとは言い難い。開幕戦の1塁スタメンは昨年、わずか43試合出場で、打率1割4分8厘と不振に終わった37歳の中島宏之が務めた。守りの要である捕手の小林誠司は怪我のため2試合で離脱。復活を期待される菅野智之も先発2試合で防御率4.97と結果を残せていない。それでも、3カード負け越しなしと順調に来ている。野球担当記者が話す。「今年も原監督の用兵に目をみはるものがあります。開幕戦では『1番・セカンド』の吉川尚輝が逆転2ランを放ち、ヒーローになった。昨年、開幕から打ちまくったものの怪我に泣いた吉川ですが、今年こそはフル出場で定位置を確保すると考えたファンも多かったでしょう。しかし、2戦目に4打数0安打2三振に終わると、3戦目は20歳の湯浅大、広島との初戦は吉川と同い年である25歳の北村拓己を『1番・セカンド』で起用し、吉川をベンチスタートにしました」(以下同) オープン戦、練習試合で結果を残して開幕1軍を勝ち取った湯浅は開幕戦、1点ビハインドの7回裏無死1塁で、代打で登場。絶対にランナーを進めないといけないプレッシャーのかかる場面、しかもプロ初打席で見事に送りバントを決めた。この成功もあって、阪神との3戦目にスタメンで起用されたが、2打席2三振で3打席目に代打・北村を送られた。2カード目の広島との1、2戦では代打で登場したものの、結果を残せず、2軍落ちとなった。「原監督はセカンドのポジションを固定せず、相手の先発が右なら吉川尚、左なら北村、増田大輝と若手をスタメンで使っています。長いシーズンを見据え、吉川のコンディションも考えている面もあると思いますが、同じ20代の選手を切磋琢磨させて戦力向上を狙っているのでしょう」 巨人は6月25日、楽天からトレードでウィーラーを獲得したと発表。日本通算106発の助っ人を、原監督は1塁や左翼で起用すると明言している。現在、これらのポジションを守っているベテランの中島や陽岱鋼、亀井善行には大きな刺激となる。「昔の巨人だったら、固定できないセカンドの守れる外国人の補強に走りそうですが、今は違う。セカンドは若手に競争させ、誰もがレギュラーになれる可能性のあるポジションになっています」 昨年も原監督はシーズン序盤には若手を試し、経験を積ませながら育て、終盤の勝負所で使える選手にしていた。「俊足なのにスタートを切れない重信慎之介を叱責したり、若林晃弘や増田を大事な試合で使ったりしながら成長させた。その結果、優勝を決めた9月21日のDeNA戦では1点ビハインドの9回2死ランナーなしから重信、若林が四球を選び、小林のヒットで重信が果敢にホームに突っ込み、同点とした。そして、10回には増田が決勝タイムリーを放った。まさに1年の総決算のような試合でした。今年も序盤は若手を自在に使い分け、終盤には戦える選手に育てているのではないでしょうか」
2020.06.29 16:00
NEWSポストセブン
日本テレビが巨人戦を地上波中継する狙いは?(時事通信フォト)
日本テレビが巨人戦を地上波中継 視聴率10%超えが合格点か
 6月19日、新型コロナウイルス感染拡大の影響で遅れていたプロ野球が開幕する。近年では珍しく、日本テレビが開幕戦から5試合連続(ナイター3試合)で巨人主催試合を生中継すると発表された。現段階では19~21日の阪神戦、23~24日の広島戦、そして7月4日の中日戦の、計6試合の地上波中継が発表されている。はたしてその狙いは一体、どこにあるのか。テレビ局関係者はこう語る。「バラエティはロケもままならず、リモート収録にも試行錯誤しており、総集編ばかり流していると、そのうち視聴者に飽きられてくる。プロ野球のみならず、スポーツ自体が開催されていないですし、在宅率もまだまだ高い。総合的に考えて、例年の巨人戦よりは需要があると判断したのでしょう」(以下同) 1983年には平均視聴率27.1%(ビデオリサーチ調べ/関東地区。以下同)を叩き出した巨人戦のナイター中継も、2000年から数字が下落し、2005年には平均視聴率10.2%と過去最低に。翌年から放送数は減っていき、昨年は数えるほどしか地上波中継がなかった。「2019年に2ケタを獲ったのは開幕戦だけ。優勝決定試合である9月21日のDeNA戦もBSでの放送に留まりました。昔は30~40%も期待できた日本シリーズでも、4戦中3戦が1ケタになってしまった。視聴率トップを走る日本テレビですが、巨人戦を中継すると、その日は首位から陥落するという事態になっています」 そもそも、巨人戦の視聴率はなぜ2000年頃から下がっていったのか。「2000年はFAで工藤公康というエース、江藤智という4番打者を他球団から獲得し、勝って当たり前の状態で、本当にそのまま勝ってしまった。それまでも清原和博や広沢克己という4番打者がFA移籍してきましたが、思うようには勝てなかった。2000年も序盤はつまずきましたが、夏には独走状態になった。その辺りから数字が下がり始めたんです。それに、毎年のように大型補強を重ねたことも、ファン離れに繋がっていった要因かもしれません」 実は、巨人が9年連続日本一になったV9時代の後半、平均視聴率は20%に届いておらず、V9最後の1973年は16.6%だった。「それが長嶋茂雄監督1年目で最下位に沈んだ1975年は21.5%と跳ね上がった。強い頃より弱い時の方が、数字が上がっていた。第1次長嶋政権の6年間で、最高は3連覇を逃した1978年の24.9%、2番目は江川卓入団1年目で5位に沈んだ1979年の24.6%です。2年とも優勝していません。 1980年代は全て20%を超え、最も良かった1983年は3年目の原辰徳がMVPを獲得し、江川や西本聖などの活躍で優勝しています。ただ、2番目の25.6%を記録した1982年、1984年は共に優勝を逃しています。この頃はFAもなく、若手を育てるしかなかった。その中で、駒田徳広、槙原寛己、吉村禎章の50番トリオなど毎年のように生え抜きが出番を増やしていった。そんな成長過程に、ファンが惹かれていた面もあるでしょう」 今年の巨人はオフのFA補強でロッテの鈴木大地、楽天の美馬学の獲得を目指したが、2人とも他球団に奪われ、獲得は叶わなかった。新加入選手は育成選手を除けば、外国人とドラフト指名のみ。生え抜きの若手にとって、チャンスの年になる。「ファンも生え抜きスターを望んでいる。それは、1970年代後半や1980年代の視聴率からも明らかです。4番・松井秀喜を中心として、若手も台頭した2002年、平均視聴率は前年の15.1%から16.2%と上昇しました。翌年、松井がヤンキースに移籍したこともあって、視聴率は下がっていくのですが……。古いデータですが、ファンが惹かれる要素はそうは変わりません。今年の巨人は4番に岡本和真がどっしり座るでしょう。スタメンに俊足の吉川尚輝や3年目の大城卓三が加わり、昨年同様にベテランの亀井善行が渋い味を出す。そんな試合が常時、地上波で中継されれば、人気も徐々に回復するかもしれません」 多チャンネル化されていなかった1980年代はほとんど巨人戦しか中継されておらず、他球団のファンも巨人戦を見て、応援するチームの途中経過に一喜一憂していた。現在はBSやCSで12球団の試合が放送されており、プロ野球ファンが巨人戦に一極集中することはない。今年の中継で、日テレはどのくらいの数字を取れば合格点になるのか。「今は地上波全体の視聴率が下がっているので、昔のような20%は誰も求めていない。6月第1週の日テレのゴールデン帯の世帯視聴率は11.5%です。この辺りが基準になるでしょう。 最近3年間の開幕戦は2019年10.6%、2018年9.2%、2017年10.7%と2ケタ前後になっています。昨年8月29日に松井秀喜、高橋由伸という豪華解説陣を迎えた広島戦でも6.7%だった。この数字では、厳しいでしょう。 ナイター中継はまずは平均10%超えを目指したい。ナイター3戦とも12%以上を取ったら、巨人戦中継も増えていくかもしれません。テレビは視聴習慣が大きいので、本気で巨人戦で視聴率を取りに行くなら、シーズンを通して放送することが重要です。ただ、近年の状況では、いきなりそう決めるのはリスクが高い。最初に数字が取れれば、コロナ渦も相まって、そんな話が出てくるかもしれません」
2020.06.12 16:00
NEWSポストセブン

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