返金トラブル、弁護士の見解は?

1999年12月、スキー場で行われたファン感謝イベントに参加した華原朋美

1999年12月、スキー場で行われたファン感謝イベントに参加した華原朋美。昔からファンに囲まれてきた

 華原のファンクラブサイトは、ファンコミュニティのプラットフォームサービスを運営する『Fanicon』の中で開設されていた。『Fanicon』では、多くのアーティストや俳優などがファンコミュニティを作っており、開設コミュニティは2000を超えている。ファンクラブ会費の返金をめぐる今回のトラブルについて、エンタメ法務に詳しい貞永憲佑弁護士に見解を聞いた。

「まず返金請求については、このファンクラブ会員権が『誰と誰のあいだで契約されたものなのか』を考える必要があります。ファンクラブサイトの運営会社『Fanicon(ファニコン)』のサービス利用規約を見ると、運営会社と会員との直接契約であると記載した条項がありました。この規定に従うと、会員と運営会社、タレントと運営会社がそれぞれ別々に契約しており、“会員とタレントは直接の契約関係にない”ということになります。つまり、ファンの会費の支払先も、仮に返金が認められる場合の返金請求先も、タレントではなく運営会社=Fanicon側になるということです」

 なお、華原の所属事務所『伝元』にファンとのあいだで起きている返金問題について問い合わせたところ、期日までに回答はなかった。また、ファンクラブサイトの運営会社であるFaniconからは「すべての料金及び手数料は返金できません、と利用規約に明記しております」との回答があった。

「ユーザー様やマスコミの皆様をお騒がせしてしまったことは大変心苦しく思っております。Faniconはアーティストの方とファンの方が気持ちよく使っていただけるサービスにしていきたいと考えておりますが、まだまだ道半ばであると感じています。今回いただいたユーザー様からのご意見等を精査して今後対応策を検討してまいりたいと考えております。なお、個別のコミュティに関する件については回答を控えさせていただきます」(Faniconサポートデスク)

 Faniconからの回答をあらためて貞永弁護士に伝えたところ、「まだファンクラブサイトの閲覧自体ができるなら、返金されるかはケースバイケースでしょう」と返ってきた。

「コンテンツが更新されるとか、タレントがチャットに参加するなどはあくまでファンクラブ側と具体的に約束されたサービスではないという可能性もあります。ファンクラブのサービスが提供されているという状態が続いているのであれば、返金請求が通るかどうかは微妙なところです。最終的には事前に予告されていたサービス内容、中のコンテンツ量、機能などによって結論が決まってくると思います。逆に、コンテンツの更新やチャット回数などを事前に約束していれば返金請求できるかもしれませんが、具体的にそういうことがあったかどうかはわかりません」(貞永弁護士)

 このままファンの納得がいく解決は、迎えられないのか──。

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