若手落語家にとっては大きなチャンスでもある(『笑点』公式facebookより)
「いつも同じ」という安心感からの変化
視聴率低下の原因を放送作家が分析する。
「基本的に『笑点』の視聴率は50歳以上が支えています。高齢者になればなるほど、保守的な考えを持つ傾向がある。長年、『笑点』が高視聴率を保ってきたのは、いい意味でのマンネリ感があったからでしょう。いつ見ても、林家木久扇はバカなネタを言っているし、円楽は腹黒ネタでいじられている。視聴者は自分の環境が変わっても、『笑点』はいつも同じという安心感を持てた。
しかし、その中心にいた円楽が休演して様相が変わった。毎週同じメンバーで落ち着いて見たいのに、いつも新しい出演者が出ている。しかも、大物落語家ならまだしも、若手落語家だと顔を知らない人も多く、最初から興味を持てない可能性もある。こればかりは、仕方ないんですけどね。45年近く番組に出演し続けてきた円楽の長期間の不在が視聴率に影響を与えると考えられます」
円楽の回復を待つのはもちろんだが、若手が台頭しない限り、『笑点』が半永久的に続くことは考えられない。
「だから、今が『笑点』にとっての正念場なんです。若手にとって円楽の代わりはプレッシャーかもしれませんけど、大きなチャンスでもある。今後は将来のメンバーを決める試験期間だと言っても過言ではない。『次世代の笑点は自分が背負う』くらいの意気込みで、笑いを取りまくって視聴者にアピールしてほしいですね」(前出・日本テレビ関係者)
年末の林家三平の降板、年始の桂宮治の新メンバー登用で新陳代謝を図っていた『笑点』。今年は56年という番組の歴史の中でも、ターニングポイントの年になるかもしれない。