ワクチンはコロナ禍における救世主のはずだった。しかし、すでに国民の82%が最低1回はワクチンを打っているにもかかわらず、この夏も感染者は増えるばかり。しかも、その理由がワクチンにあるのだとしたら──。
「感染者が増えてきたから旅行するのをやめました」
「もうすぐ夏休みなのに、また帰省できなくなる」
諦めの声に交じって、こんな怒りの声も聞こえてくる。
「国はワクチンを打てば大丈夫と言っていたのに話が違うじゃないですか。いつまで続くのでしょうか」
新型コロナウイルスの新規陽性者が急増し、「第7波」の到来が現実となった。7月16日には、全国で約11万人超が感染し、1日の感染者数が過去最多となった。岸田文雄首相はその前々日、ワクチン4回目接種の対象を、医療従事者や高齢者施設などの職員およそ800万人に拡大することを表明した。
「しかし、イスラエルの研究によると、オミクロン株流行期での4回目接種による感染予防効果は接種後50〜56日経過すると、3回目接種の人とほとんど差がなくなりました。つまり、感染予防効果は短期間しか持続しないのです。それでも首相周辺は第7波を乗り切るため、効果が短期間であっても4回目接種をやるしかないと思っているそうです」(全国紙社会部記者)
4回目接種は感染予防効果が低いうえ、医療界からはこんな声も聞こえる。
「ワクチンが感染者を減らすのではなく、ワクチンにより感染者が増えたと思われます」
驚きの指摘をするのは『「副作用死」ゼロの真実』(ビジネス社)や『新型コロナワクチン 副作用が出る人、出ない人』(小学館)の近著がある医師の近藤誠さんだ。
「そもそもワクチンに感染予防や重症化予防の効果があるか疑わしい。それどころか3回、4回とワクチン接種を重ねるごとに、新型コロナやほかの病気に罹りやすくなる恐れがあるのです」(近藤さん)
ワクチンで逆にコロナに罹りやすくなるとは、一体どういうことなのだろうか。
変異ウイルスに対する備えが手薄になる
キーワードになるのが「抗原原罪」という免疫学の理論である。
「最初に打ったワクチンの対象とするウイルス(抗原)の記憶が免疫システムに残り、その後、ワクチンを打っても最初のワクチンが対象とした抗原に対する免疫しか強化されないことをいいます。これはインフルエンザワクチンで見られる現象です。インフルエンザウイルスはコロナウイルスと同じRNAウイルスで、変異が非常に速いため、毎年、流行を予測した新しいワクチンを打つ必要があります。
ところがインフルエンザのワクチンを打っても、最初に打ったワクチンでできた抗体だけが増えてしまい、変異したウイルスに対する抗体は上がらない。そのため、その年に流行するインフルエンザに罹ってしまう。これは抗原原罪の作用が働いたためと考えられます」(近藤さん)