「第7波」が本格的に到来か(時事通信フォト)

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奇跡のワクチン

 ワクチン接種した翌日。体の節々が痛くて、ひどい頭痛にめまい、仕舞いにはベッドから起きあがる気力すら湧いてこない。コロナに感染したくないからワクチン接種したのに、こんなに副反応が強いなんて聞いていない。仕事なんてできたもんじゃない──。ワクチン接種の副反応で「もうあんな思いはしたくない」と強く感じた人は多いはずだ。

 ワクチンのエンドレス接種にリスクはないのか。実は、mRNAワクチンを複数回接種する危険性は未知の部分が多いのだという。

「mRNAワクチンを比較的短期間に4回も5回も打つ経験は人類史上初であり、有効性が維持できるかも問題で、人体に悪い影響を及ぼさないとは限らない。5回目以降の接種にはこの点の議論が必要です」(二木氏)

 厚労省のワクチン接種と副反応に関する専門部会に提出された資料によれば、2021年2月17日の接種開始から2022年6月12日までに、ワクチン接種後の死亡として報告された事例は1761件に上る。

 昨年12月から始まった3回目の接種後もファイザー148件、モデルナ85件の死亡事例が確認されたが、中でも60代以上の接種者の死亡が目立つ。

 いずれの死亡案件も専門部会はワクチン接種との因果関係を認めていないが、繰り返しワクチンを打つ身としては気になる数字である。

「例えば、蕎麦やピーナッツを食べてアレルギー反応を起こし、稀にアナフィラキシーで死亡する人が出る。ワクチンだからと心配には及びませんが、繰り返し注射することで、薬液に含まれる成分に対して稀にアレルギー症状を呈するようになることはありえます」(久住氏)

 専門家の中には「ワクチン接種回数を重ねる方が副反応は大きくなる」との見解を示す人もいるだけに不安は募る一方だ。この先、どうなればワクチン接種が不要になるのだろうか。二木氏が解説する。

「ひとつはウイルスが変異を繰り返し、風邪のような特性に変わることです。感染してもほとんど人が死ななくなれば、ワクチン接種は不要になります」

 久住氏は「奇跡のワクチン」登場のウルトラCを望む。

「変異するどんなウイルスにも効く『ユニバーサルワクチン』の開発に世界が取り組んでいます。これが実現すれば、変異株に広く対応できるワクチンが誕生します」

 コロナ禍に希望の光は差すか。

※週刊ポスト2022年8月5・12日号

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