本当は怖い、糖質

本当は怖い、糖質

 さらに、もっとも恐ろしいのが、体内の糖化だと飯塚さんは警告する。

「長年、摂りすぎた砂糖のツケとなるのが体の糖化。糖化とは、体内のたんぱく質に糖がくっついてしまう現象で、糖化が限界まで進んだ物質を『最終糖化産物(AGEs)』といいます。糖質が多い食事により体内で作られるだけでなく、食べ物からも体内に入ります。糖質以外にも揚げ物などの料理にも含まれます」(飯塚さん・以下同)

 糖化は体を老化させ、しわ、シミ、たるみなどの原因にもなるが、それ以外にも悪影響があるという。

「糖化やAGEsは血管にもダメージを与えるため、動脈硬化によるさまざまな病気が発生します。脳梗塞や心筋梗塞、認知症などの重大な病気を引き起こすのも、このAGEsが関係します。甘い物を食べる人が骨折しやすいのも、コラーゲンの糖化により、骨がもろくなってしまうからです」

 甘い物を摂りすぎると、体にさまざまな弊害をもたらすことはわかったが、病院で受診するだけでは、シュガージャンキーと判明しにくいのが現状だ。

「それは、シュガージャンキー、砂糖依存、砂糖中毒といった言葉は、医学用語ではないからです。つまり、受診しても“あなたは砂糖依存症ですね”と診断されることはありません。だから自覚しにくいわけです。とはいえ、砂糖を摂りすぎると体に悪影響があるので、1日も早く生活を見直しましょう」(市原さん)

(後編に続く)

【プロフィール】
市原由美江さん/内科・糖尿病専門医。糖尿病をはじめとした生活習慣病にまつわる情報や、シュガージャンキーの怖さなどをメディアなどで伝えている。

飯塚浩さん/精神科医、メディカルストレスケア飯塚クリニック院長。うつ症状はじめ、依存症などの治療に携わる。著書に『小さな町の精神科の名医が教える メンタルを強くする食習慣』(アチーブメント出版)がある。

取材・文/廉屋友美乃 イラスト/川崎タカオ

※女性セブン2022年8月18・25日号

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