「『所得税基本通達の制定について』(法令解釈通達)の一部改正(案)(雑所得の例示等)に対する意見公募手続の実施について」パブリック・コメント募集は8月31日まで
こうしたブログはもちろんYouTuberやバーチャルYouTuber(Vチューバー)、ボカロPや歌い手、地下アイドルやインディーズ声優なども副業が大半だろう。個々の詳しい説明はしないが、こうした日本の新しいクリエイター業にも水を差すかたちになりかねない。もちろん先のフードデリバリーやマッチングアプリで請け負うような仕事もまた、年間売上300万円いかなければ「雑所得」となるだろう。「遊びだろ」と揶揄する向きもあるだろうが、現実には億を稼ぐ配信者などの「新たな仕事」が生まれ続けている。彼らも最初は学生以外は兼業だったはずだ。固い仕事ならいわゆる士業だって開業して間もなければ兼業が多い。本稿はあくまで数例を集めただけに過ぎない、ありとあらゆるサラリーマンの副業が、じつのところ日本を支えてきた実態がある。
一律300万円に満たな副業は雑所得、意見はさまざまだろうが、その意見を国税庁はパブリックコメントで8月31日まで受け付けている。
・国税庁パブリックコメント
https://www.nta.go.jp/information/consulation/sake_index.htm
筆者としてはサラリーマンの副業者だけでなく、従来のクリエイターや技術者といった副業・兼業にも影響が出てしまうことを危惧している。改正案は通れば来年度からという急ぎぶり、もう少し議論が必要と思う。
最後に、本稿の主題は改正案についてであり税務全般の解説ではない。一部の用語は平易に置き換えた。また法令上の判断と実務上の判断とが異なる場合もある。試算もまた目安である。税務申告は個々別、多種多様のため個人的なケースは最寄りの税務署、もしくは税理士に相談して欲しい。今回の改正案では不動産所得は除外されている。あくまで事業所得に限った「改正(案)」であり、「いまのところ」決定ではない。
【プロフィール】
日野百草(ひの・ひゃくそう)日本ペンクラブ会員、出版社勤務を経てフリーランス。社会問題、社会倫理のルポルタージュを手掛ける。