温暖化のメカニズム
また、一般に男性より女性の方が暑さに強いため、女性がより長寿になるかもしれないともいう。
今年2月の北京五輪では、実に9割が人工雪だったことで物議を醸したが、1月にはカナダのウォータールー大学を中心とする国際研究チームが「温室効果ガスの排出を今世紀末までに大幅に削減できなければ、過去の冬季五輪開催地の中で再開催できるのは札幌だけ」という研究報告を公表した。日本の冬はどうなるのだろうか。気象庁気象研究所・主任研究官の川瀬宏明さんが説明する。
「4℃上昇すると、北陸や山陰の沿岸部が積雪に覆われる時期はほとんどなくなり、雨が中心になるでしょう。“天然のダム”とも呼ばれる山の雪が減少し、雪解け水が減る地域が出ることも考えられる。北海道は気温が上昇してもまだ氷点下であり、厳冬期はある程度の雪は降る。一方で、北海道や北陸の山沿いでまれに降るドカ雪の量は増加すると予測されています」
森さやかさんも、長期的にみれば、多くのスキー場で営業できる日が徐々に減っていくのではないかと予想する。
天変地異も近づく。
「温暖化で雨が増えると地震が増えます。特に震源の浅い地震はしみ込んだ水によって断層がすべりやすくなり、大きな地震を誘発しやすいからです。同様のメカニズムで火山噴火も起きやすくなる。温暖化によって気象災害がさらに増え、日本はますます災害列島に近づいていくでしょう」(島村さん)
※女性セブン2022年9月1日号
インドネシアの首都ジャカルタでは、街のいたるところで浸水に悩まされている(写真/Getty Images)

