芸能

『トップガン マーヴェリック』ヒットの鍵は世代間交流、大画面で見映えする作りも支持

『トップガン マーヴェリック』は国内興行収入110億円超©2022 Paramount Pictures Corporation. All rights reserved.

『トップガン マーヴェリック』は国内興行収入110億円超(c)2022 Paramount Pictures Corporation. All rights reserved. 配給:東和ピクチャーズ

 映画『トップガン マーヴェリック』(以下、“マーヴェリック”)の快進撃が止まらない。5月27日に日本で公開してから3か月以上経ったいまも映画ランキングトップ10に入り、国内の興行収入は110億円を超えている。映画館に何回も足を運ぶ熱狂的なリピーターも続出し、彼らを称した“追いトップガン”なる言葉も誕生。連日マスコミをにぎわせている。これほどまでに人々に愛され続けている理由とは──。

 映画の公開直後から、SNSやネットの口コミなどには「前作を超える続編」「冒頭から涙腺崩壊」「年を取ったトム・クルーズがとにかくカッコいい」などの言葉が飛び交い、配信サービスで『トップガン』(1986年公開)を見直す人も続出。ネットフリックスでは、同作が“マーヴェリック”の公開前から視聴ランキングのトップ10の常連になっているという。

 前作からのファンだという木村拓哉(49才)も、自身のラジオ番組『木村拓哉 Flow supported by GYAO!』で、“マーヴェリック”を見た感想を、

「わりと男性の方が作品を見て涙しているという声を多く見かけるんですけど、いやぁ、ぼくもきましたね。2か所で確実に。ぼくは見ながら(涙を)拭っていましたね」

 と語っていたが、中高年を中心に、いまなお映画館に足を運ぶ人も後を絶たない。

 その人気を、早稲田大学政治経済学部客員教授の谷川建司さんはこう分析する。

「私はトム・クルーズと同じ年の60才なのですが、この世代は、1980年代バブルの好景気を知って、まさにイケイケどんどんでした。ところがいまは不景気の上、デジタル化が進み、コンピューターに仕事を奪われ、すっかり自信を失くしてしまっていますし、若い世代からも年上で経験があるからといって尊敬されるわけではない。でもマーヴェリックは、上官から『管理職になれ』と言われても、それを拒み、出世コースから外れようとも、現役を続けることにこだわる。

 そして、自らの経験とその腕前で最終的には若い世代から尊敬の念を抱かれる。それこそが、いま、不景気やコロナ禍の影響で、端に追いやられてしまっている中高年にはカタルシスとなり、胸に迫るものがあったのではないでしょうか」(谷川さん)

 また、「ストーリーがいたってシンプルでわかりやすいところも同作のよさ」と言うのは、映画YouTuberの守鍬刈雄さんだ。

「小難しいストーリーはなく、かっこいいトム・クルーズ、戦闘機、迫力ある操縦が体感できるアクション映画。社会が抱えている複雑な問題などは描かれておらず、いわば何も考えなくても最後まで飽きずに気楽に見られる。それこそが、自粛生活や戦争など暗いニュースが多いいま、待ち望まれたものだったのかな、と思います」(守鍬さん)

関連キーワード

関連記事

トピックス

公選法違反の疑いで刑事告訴され、書類送検された斎藤知事(左:時事通信フォト)と折田楓氏(右:本人SNS)
“公選法違反疑惑”「メルチュ」折田楓氏の名前が行政SNS事業から消えていた  広島市の担当者が明かした“入札のウラ側”《過去には5年連続コンペ落札》
NEWSポストセブン
コンサートでは歌唱当時の衣装、振り付けを再現
南野陽子デビュー40周年記念ツアー初日に密着 当時の衣装と振り付けを再現「初めて曲を聞いた当時の思い出を重ねながら見ていただけると嬉しいです」
週刊ポスト
”薬物密輸”の疑いで逮捕された君島かれん容疑者(本人SNSより)
《28歳ギャルダンサーに“ケタミン密輸”疑い》SNSフォロワー10万人超えの君島かれん容疑者が逮捕 吐露していた“過去の過ち”「ガンジャで捕まりたかったな…」
NEWSポストセブン
中居正広氏の近況は(時事通信フォト)
反論を続ける中居正広氏に“体調不良説” 関係者が「確認事項などで連絡してもなかなか反応が得られない」と明かす
週刊ポスト
スーパー「ライフ」製品が回収の騒動に発展(左は「ライフ」ホームページより、みぎはSNSより)
《全店舗で販売中止》「カビだらけで絶句…」スーパー「ライフ」自社ブランドのレトルトご飯「開封動画」が物議、本社が回答「念のため当該商品の販売を中止し、撤去いたしました」
NEWSポストセブン
「地面師たち」からの獄中手記をスクープ入手
「全てを話せば当然、有罪となっていたでしょう」不起訴になった大物地面師が55億円詐欺「積水ハウス事件」の裏側を告白 浮かび上がった“本当の黒幕”の存在
週刊ポスト
大谷と真美子さんを支える「絶対的味方」の存在とは
《大谷翔平が“帰宅報告”投稿》真美子さん「娘のベビーカーを押して夫の試合観戦」…愛娘を抱いて夫婦を見守る「絶対的な味方」の存在
NEWSポストセブン
「お笑い米軍基地」が挑んだ新作コント「シュウダン・ジケツ」(撮影/西野嘉憲)
沖縄のコント集団「お笑い米軍基地」が戦後80年で世に問うた新作コント「シュウダン・ジケツ」にかける思い 主宰・まーちゃんが語る「戦争にツッコミを入れないと」
NEWSポストセブン
令和最強のグラビア女王・えなこ
令和最強のグラビア女王・えなこ 「表紙掲載」と「次の目標」への思いを語る
NEWSポストセブン
“地中海の楽園”マルタで公務員がコカインを使用していたことが発覚した(右の写真はサンプルです)
公務員のコカイン動画が大炎上…ワーホリ解禁の“地中海の楽園”マルタで蔓延する「ドラッグ地獄」の実態「ハードドラッグも規制がゆるい」
NEWSポストセブン
『週刊ポスト』8月4日発売号で撮り下ろしグラビアに挑戦
渡邊渚さん、撮り下ろしグラビアに挑戦「撮られることにも慣れてきたような気がします」、今後は執筆業に注力「この夏は色んなことを体験して、これから書く文章にも活かしたいです」
週刊ポスト
強制送還のためニノイ・アキノ国際空港に移送された渡辺優樹、小島智信両容疑者を乗せて飛行機の下に向かう車両(2023年撮影、時事通信フォト)
【ルフィの一味は実は反目し合っていた】広域強盗事件の裁判で明かされた「本当の関係」 日本の実行役に報酬を支払わなかったとのエピソードも
NEWSポストセブン