4歳からバレエに打ち込む一方で学業にも励み、大阪大学大学院の理学研究科を修了した“リケジョリーナ”こと藤かんな(32)。一般企業に勤めながらセクシー女優としてデビューした彼女は今年8月18日、会社の人事部から「服務規律について話がある」と呼び出しを受ける。そこで、何を話したのか。【全3回中の第2回。第1回から読む】
──お盆明けの8月16日に上司と面談した後、2日後の8月18日に人事と面談することになったのですね。
「はい。その日に私のデスクに人事課の女性から内線がかかって、初めてドキーッとしました。服務規律、と言ってくるからには、向こうとしては私が副業していると認めた上での話なわけで、これはもう逃げられないと思いました」
──上司との最初の面談ではシラを切ったそうですが、もう一回知らんふりしようとは思わなかった?
「もちろん思いましたが、私を育ててくれてお世話になった会社に対し、嘘を突き通すのも気が引けたし、これ以上、迷惑はかけられないという気持ちもありました。それに、色々とネットで調べる中で“嘘を突き通そうとして拗らせると退職金がもらえなくなる”って書いてあったことも思い出して…潮時だなと。そもそもこの活動をする時に、会社にバレることは覚悟の上だったんだから、正直に話そうと思いました」
──面談に現れたのは、内線で連絡してきた人事課の女性一人だけだったんですか?
「はい。女性一人で肩書きのある年上の方でした。開口一番で『副業してませんか』と聞かれて『してます。すみません』と言いました。すると、たたみかけるように『藤かんなさんですか』と聞かれて、『そうです』と…。人事の方はサッと表情が変わり、『どうして…』と呟きました」
──「そうです」と認めたときは、どんなお気持ちでしたか?
「今まで誰にも言っていなかったことを初めて打ち明けたので、感極まって泣いちゃったんです。すると人事の方は、無理やりやらされての涙だと勘違いしたのかな? 『何があってそうなってしまったの?』とも言われました。でも『私が自分で決めて自分で始めたことです』とはっきりと伝えました」
──ご自身の決意を伝えたのですね。「自分で決めて自分で始めたこと」とおっしゃいましたが、そもそも、その決意を固めたのはどういう経緯だったのですか?
「自分で言うのも恥ずかしいのですが、私はずっといわゆる“優等生”で、器用貧乏だと言われてきたんです。4歳から続けていたバレエでも一番の賞はとれないし、学校の成績も上位にはいてもトップじゃない。大学の研究職でも、仕事でも一緒でした。
一方で、幼い頃からバレエの舞台に出ていることもあって、注目されたい気持ちはありました。承認欲求の満たされなさを感じていて。そんな時に、女友達からも『いい体してるよね』って言われて、これって武器にならないのかな、って。それで『まずはグラビアだ』と思って、自ら事務所を探したんです」
──事務所に所属してグラビアデビューされたのが今年2月ですが、そこからセクシー女優になろうと思ったのは?
「グラビアの反響がすごく大きくて、『私の体がすごく良い』って言ってくださる方が多くいることを知りました。それで自信が持てたので、セクシー女優という仕事にもかなり惹かれていきました。これまでバレエ、大学、就職と“優等生”のレールを歩いて来たけど、どこかでその自分を脱せないのが嫌だな、大きなことをやってやりたいなって思いがあった。一回きりの人生だし、振り切るきっかけになるかなって、思い切ってチャレンジしました」