──それで実際、デビューしてみてどうでしょう。
「これは偏見になりますが、撮影するまでは“怖い感じの人たち”が作っているものだと思っていたんです。でも実際は、一生懸命に作品作りに挑む職人さんという感じ。なにより皆さんが私のことをすごく丁寧に扱ってくれて、私もそんな皆さんの期待に応えようと思えます。全てのことに前向きに挑めて、職場環境としてすごく良いと思いました。月一回の撮影ごとに新しい自分に出会えるようで、撮影が楽しくなっている自分がいました。本当にこれまで“優等生”のレールの上を歩いてきた人間が、初めて大きくレールを外れて道なき道を歩んでいる感じです」
──セクシー女優という職業に対して、面談を担当した人事の女性はどういう反応でしたか?
「そうですね。人事課の女性は(出演を)無理やりやらされているんじゃないかというような口ぶりだったんです。今思えば、私を心配してくれていたのかも知れませんが、私は『そうじゃないです、自分で決めたんです』って。デビューする時、女優の仕事が“本業”で、会社の仕事が“副業”というふうに覚悟が決まっていましたが、人事の方としては会社の仕事が本業という認識だったのだと思います。『“副業(=セクシー女優)”を辞める気はないの?』というふうに言われました」
面談という人生の分岐点に立った彼女が、最終的に下した決断とは――。
(第3回【「副業は認可していません」 動画出演が「会社バレ」したセクシー女優・藤かんなが直面した「女優引退か自主退職か」究極の選択】に続く)
聞き手/河合桃子 撮影/藤岡雅樹(本誌)