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暴力団組織で進む高齢化 それでも組長の引退が難しい事情

2020年1月、「特定抗争指定暴力団」への指定を伝える標章を神戸山口組本部の事務所に貼る兵庫県警の捜査員(時事通信フォト)

2020年1月、「特定抗争指定暴力団」への指定を伝える標章を神戸山口組本部の事務所に貼る兵庫県警の捜査員(時事通信フォト)

 警察や軍関係、暴力団組織などの内部事情に詳しい人物、通称・ブラックテリア氏が、関係者の証言から得た驚くべき真実を明かすシリーズ。今回は、元暴力団組長が語る、暴力団組織が直面している高齢化問題について。

 * * *
 9月8日、「神戸山口組と池田組が親戚の関係を結ぶことで合意。結果、神戸山口組、池田組と絆會の3社による連合体が発足」という知らせがLINEで飛びこんできた。同時に、ウェブメディアによる神戸山口組組長らと独立組織の池田組組長らが、神戸山口組の井上邦雄組長の別宅で会談したという内容の記事が送られてきた。

 9日にはさらに詳しい情報が送られてきた。そこには、神戸山口組・池田組は今後、親戚として連帯していく。すでに池田組と絆會(兵庫県尼崎市)は運命共同体の間柄であり、神戸山口組(神戸市)と絆會とは様々な事があったが、三者は積極的に交流することとなり、神戸山口組と絆會との問題もいずれ解決し、三者は連帯するという旨が書かれてあった。

 池田組は神戸山口組から2020年に脱退し独立組織として活動している組織である。絆會は神戸山口組に反旗を翻す形で2017年に離脱して発足した新組織だ。この時、絆會の織田絆誠会長はマスコミの前で神戸山口組を痛烈に批判。その報復か、織田会長の乗った車が神戸市内で襲撃され、ボディガードを務めていた組員が亡くなるなど”様々”な事件も起きているが、今後は実質的な連合体として、六代目山口組に対抗していくということなのだろう。

「神戸もしぶとく頑張っている。彼らも六代目を割って出たのはいいが、その後が振るわなかった。脱退や分裂騒動で勢いをなくし、六代目山口組に戻っていく組員らが次々と出てくる始末。このまま弱体化していけば、何のために名古屋(六代目山口組)と決別したのか、少しでも盛り返したところを見せないと、組として格好すらつかなくなる」と、山口組の分裂抗争に詳しい指定暴力団の元組長は語る。

「前日にLINEで情報が流されたところを見ると、神戸山口組サイドはウェブ記事が出るのに合わせて、これを大々的にアピールしたかったのだろう」(元組長)

「神戸山口組の井上邦雄組長も今年74歳になったと聞く。いい加減引退してもいい歳だが、組織が下り坂では引退できないと考えるはずだ。巻き返しを図り、組織が少しでも上向きになってからでないと、周囲もそんな話すらできないのではないか。ヤクザの組織にも大小あるが、ある程度の組織を率いた組長ともなれば、引退するには花道が必要だからな」と元組長はいう。

 だがこの三社連合に、早くも暗雲が立ち込めてきた。連合体の立役者である神戸山口組の入江禎副組長が脱退することになったといい、池田組が連合を白紙にするのではという憶測も流れて始めた。一度分裂してしまったものを元の鞘に収めるというのは、筋立て通りにはいかないらしい。

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