芸能

テレ朝・玉川徹氏はなぜ「電通」発言をしたのか 心理士が指摘する「信念バイアス」

安倍晋三元首相の国葬で追悼の辞を述べる菅義偉前首相(AFP=時事)

安倍晋三元首相の国葬で追悼の辞を述べる菅義偉前首相(AFP=時事)

 臨床心理士・経営心理コンサルタントの岡村美奈さんが、気になったニュースや著名人をピックアップ。心理士の視点から、今起きている出来事の背景や人々の心理状態を分析する。今回は、出勤停止処分となったテレビ朝日・玉川徹氏が、国葬についての事実に基づかない”電通発言”をした背景について。

 * * *
 5日、テレビ朝日の「羽鳥慎一モーニングショー」冒頭、MCを務める羽鳥アナが硬い表情で、コメンテーターの玉川徹氏の10日間の出勤停止処分と放送10回分の出演禁止について説明し、「大変申し訳ありませんでした」と謝罪した。玉川氏が4日、出勤停止の謹慎処分を受けたのは、事実に基づかない発言をして、番組や会社の信用を傷つけた、損害を与えたためだという。

 9月28日の同番組で、玉川氏は、菅義偉前首相が安倍晋三元首相の国葬で読んだ弔辞を、国葬の政治的意図と指摘した。そして「僕は演出側の人間としてテレビのディレクターをやってきましたら、それはそういうふうに作りますよ。政治的意図がにおわないように、製作者としては考えますよ。当然これ、電通が入ってますからね」と、さも当然という顔で発言していた。それは、いつもの玉川氏の表情だった。

 この発言を聞き、そういうこともあるかと思った人もいただろう。

 国葬は国家的にも大きなイベントだ。大手広告代理店が関与していてもおかしくないと。だが翌日、玉川氏は国葬に電通が関与していると言うコメントは「事実ではありませんでした」と発言を訂正し、謝罪した。

 玉川氏がそう疑いたくなった気持ちもわからないではなかった。菅前首相の弔辞が、これまでの菅氏らしからぬほど、あまりに人々の心を打つものだったからだ。あるコメンテーターなどは、今まで聞いた菅氏のスピーチの中で、これが一番心に響いたと述べていた。他にも、こんな素晴らしいスピーチができるなら、なぜ在任中にそれをしなかったのかという声さえあったほどだ。こんな弔辞を菅氏本人が考えるなど、読み上げるなどありえない、という思い込みがあったのではないだろうか。

関連キーワード

関連記事

トピックス

球種構成に明らかな変化が(時事通信フォト)
大谷翔平の前半戦の投球「直球が6割超」で見えた“最強の進化”、しかしメジャーでは“フォーシームが決め球”の選手はおらず、組み立てを試行錯誤している段階か
週刊ポスト
参議院選挙に向けてある動きが起こっている(時事通信フォト)
《“参政党ブーム”で割れる歌舞伎町》「俺は彼らに賭けますよ」(ホスト)vs.「トー横の希望と参政党は真逆の存在」(トー横キッズ)取材で見えた若者のリアルな政治意識とは
NEWSポストセブン
ベビーシッターに加えてチャイルドマインダーの資格も取得(横澤夏子公式インスタグラムより)
芸人・横澤夏子の「婚活」で学んだ“ママの人間関係構築術”「スーパー&パークを話のタネに」「LINE IDは減るもんじゃない」
NEWSポストセブン
LINEヤフー現役社員の木村絵里子さん
LINEヤフー現役社員がグラビア挑戦で美しいカラダを披露「上司や同僚も応援してくれています」
NEWSポストセブン
モンゴル滞在を終えて帰国された雅子さま(撮影/JMPA)
雅子さま、戦後80年の“かつてないほどの公務の連続”で体調は極限に近い状態か 夏の3度の静養に愛子さまが同行、スケジュールは美智子さまへの配慮も 
女性セブン
場所前には苦悩も明かしていた新横綱・大の里
新横綱・大の里、場所前に明かしていた苦悩と覚悟 苦手の名古屋場所は「唯一無二の横綱」への起点場所となるか
週刊ポスト
医療的ケア児の娘を殺害した母親の公判が行われた(左はイメージ/Getty、右は福岡地裁)
24時間介護が必要な「医療的ケア児の娘」を殺害…無理心中を計った母親の“心の線”を切った「夫の何気ない言葉」【判決・執行猶予付き懲役3年】
NEWSポストセブン
近況について語った渡邊渚さん(撮影/西條彰仁)
渡邊渚さんが綴る自身の「健康状態」の変化 PTSD発症から2年が経ち「生きることを選択できるようになってきた」
NEWSポストセブン
昨年12月23日、福島県喜多方市の山間部にある民家にクマが出現した(写真はイメージです)
《またもクレーム殺到》「クマを殺すな」「クマがいる土地に人間が住んでるんだ!」ヒグマ駆除後に北海道の役場に電話相次ぐ…猟友会は「ヒグマの肉食化が進んでいる」と警鐘
NEWSポストセブン
レッドカーペットを彩った真美子さんのピアス(時事通信)
《価格は6万9300円》真美子さんがレッドカーペットで披露した“個性的なピアス”はLAデザイナーのハンドメイド品! セレクトショップ店員が驚きの声「どこで見つけてくれたのか…」【大谷翔平と手繋ぎ登壇】
NEWSポストセブン
竹内朋香さん(左)と山下市郎容疑者(左写真は飲食店紹介サイトより。現在は削除済み)
《浜松ガールズバー殺人》被害者・竹内朋香さん(27)の夫の慟哭「妻はとばっちりを受けただけ」「常連の客に自分の家族が殺されるなんて思うかよ」
週刊ポスト
真美子さん着用のピアスを製作したジュエリー工房の経営者が語った「驚きと喜び」
《真美子さん着用で話題》“個性的なピアス”を手がけたLAデザイナーの共同経営者が語った“驚きと興奮”「子どもの頃からドジャースファンで…」【大谷翔平と手繋ぎでレッドカーペット】
NEWSポストセブン