野党側から不信任案提出の動きが出ると、細田氏は慌ててA4判1枚の文書を公表(時事通信フォト)
国会質問を拒否できる
だが、先例主義で運営される国会には、議長が自分の疑惑について質問を受けたり、答弁した先例がない。国会元職員は次のように語る。
「議長が国会で答弁できるのか、また拒否できるのか。基本的には答弁できない規定はありませんが、実際に議長が質疑に対応したという事例は私自身、記憶にありません。法制度的には、国会での質問は、議院運営委員会の理事会で決めますので、そこで決まれば、議長がそれを拒否せず審議するのが原則です。しかし、現実的には前例もなく、議長への質問は困難でしょう。
そこで考えられるのは、議事録が残る本会議や委員会ではなく、議運の理事会で、議長からの釈明の場として質疑を行なうという落としどころですが、野党が要求しても、議運の理事会で与党の自民党が反対すれば、そこで止められる」
細田議長が拒否すれば、議長席にいても国会質問から逃れられるのだ。
岸田自民党は、菅氏と細田氏という、安倍元首相を両脇で支えた2人の旧統一教会との関係を明らかにしようとはしない。そのことは、岸田首相の教団との「絶縁宣言」が口先だけの批判逃れで、関係を根元から絶つつもりなどないことを示している。
※週刊ポスト2022年10月21日号