第1戦は初回に長嶋が日本シリーズ初打席で稲尾から三塁打を放って先制。その後も得点を重ね、長嶋は7回にも3番手の河村久文から日本シリーズ初の本塁打を放つ活躍で、9対2で大勝した。ここから巨人は破竹の勢いで西鉄を攻め立てる。
「第2戦も巨人打線が躍動し7対3と2連勝を飾りました。西鉄の本拠地・平和台に移ってからも勢いは衰えず、中2日で先発の稲尾を捕らえた。広岡達朗の適時三塁打で1点を先制すると、藤田元司が4安打完封勝利を飾り、1対0で3連勝。あっと言う間に王手をかけて、『あぁ、今年は巨人の圧勝だな』と思った」(同前)
しかし、第4戦が雨で1日順延となったことで戦いの潮目が変わる。
(第2回につづく)
※週刊ポスト2022年11月4日号