スポーツ

【伝説の日本シリーズ】村上宗隆と山本由伸の対決に重なる、1958年「長嶋vs稲尾」

長嶋茂雄(右)と稲尾和久の伝説の名勝負とは(写真/共同通信社)

長嶋茂雄(右)と稲尾和久の伝説の名勝負とは(写真/共同通信社)

 球界を代表する投打のスターがぶつかり合うのが日本シリーズの醍醐味だ。今年はヤクルト・村上宗隆(22)とオリックス・山本由伸(24)の対決がまさに頂点を決める戦いに相応しい。やっぱり日本シリーズは面白い──そう思わせてくれる過去の名勝負を振り返る。(文中敬称略)【全3回の第1回】

 昨年と同じカードの日本シリーズだが、今年の盛り上がりは一味違う。

 その原動力となっているのが、ヤクルトの不動の4番・村上宗隆とオリックスのエース・山本由伸。村上は史上最年少で「三冠王」を達成、王貞治を超えるシーズン56本塁打と記録ずくめの1年だった。“村神様”と呼ばれ、敵なしの状態だ。

 この村上に立ちはだかるのが山本だ。昨年の沢村賞投手は、今年も最多勝、最優秀防御率、最多奪三振、最高勝率、最多完封とすべての部門で頂点に。「投手5冠」を2年連続で達成、複数回達成はプロ野球史上初の快挙だった。

 実力伯仲の両選手。あるスポーツジャーナリストは、2人の対決を「長嶋茂雄と稲尾和久の姿に重なる」と伝説の名勝負になぞらえる。

「1958年の西鉄対巨人の日本シリーズは2人の対決が最大の見どころでした。長嶋は新人で本塁打、打点の二冠王となり、打率も2位とルーキーイヤーでの三冠王が目前だった。盗塁は37。この年は一塁ベースを踏み忘れてホームランを1本取り消されているが、これがホームランであれば『トリプル3』を達成していたことになる。

 一方、稲尾も新人だった1956年から21勝し、長嶋がデビューした1958年は投手3冠。まさに村上と山本の2人に重なる部分があります」

 この年、稲尾を擁する西鉄はオールスター前に首位・南海に11ゲーム差をつけられていた。しかし、稲尾が終盤に9連投するなど大車輪の活躍で大逆転優勝を飾った。その時に生まれたのが、かの有名な「神様、仏様、稲尾様」のフレーズだ。

 六大学野球での大活躍そのままにプロでも人気を席巻したスーパールーキーと、若くして“神様”と呼ばれた2人の対決は、シリーズ前からファンの大きな注目を集めていた。

 巨人対西鉄という日本シリーズは、3年連続で同じカードだった。1956、1957年は西鉄が2年連続で日本一になっていた。

“常勝軍団”である巨人軍が三度同じ相手には負けられない──。雪辱を期す巨人の意気込みは凄まじかった。

関連記事

トピックス

「鴨猟」と「鴨場接待」に臨まれた天皇皇后両陛下の長女・愛子さま
(2025年12月17日、撮影/JMPA)
《ハプニングに「愛子さまも鴨も可愛い」》愛子さま、親しみのあるチェックとダークブラウンのセットアップで各国大使らをもてなす
NEWSポストセブン
SKY-HIが文書で寄せた回答とは(BMSGの公式HPより)
〈SKY-HIこと日高光啓氏の回答全文〉「猛省しております」未成年女性アイドル(17)を深夜に自宅呼び出し、自身のバースデーライブ前夜にも24時過ぎに来宅促すメッセージ
週刊ポスト
人の出入りが多く流行っていたという火災があったサウナ店
《夫婦が閉じ込められ…》月額39万円の高級サウナ店での火災でサウナーたちに広がる不安 彼らはなぜ\\\"避難シミュレーション\\\"を議論するのか
NEWSポストセブン
今年2月に直腸がんが見つかり10ヶ月に及ぶ闘病生活を語ったラモス瑠偉氏
《直腸がんステージ3を初告白》ラモス瑠偉が明かす体重20キロ減の壮絶闘病10カ月 “7時間30分”命懸けの大手術…昨年末に起きていた体の異変
NEWSポストセブン
日高氏が「未成年女性アイドルを深夜に自宅呼び出し」していたことがわかった
《独占スクープ》敏腕プロデューサー・SKY-HIが「未成年女性アイドル(17)を深夜に自宅呼び出し」、本人は「軽率で誤解を招く行動」と回答【NHK紅白歌合戦に出場予定の所属グループも】
週刊ポスト
世間を驚かせたメイプル超合金のカズレーザー(41才)と二階堂ふみ(31才)の電撃“推し婚”
【2025年・有名人の結婚&離婚を総決算】何かと平和な「人気男性タレントと一般女性の結婚」、離婚決断が女性からの支持につながった加藤ローサ
女性セブン
米倉涼子
《米倉涼子の自宅マンション前に異変》大手メディアが集結で一体何が…薬物疑惑報道後に更新が止まったファンクラブは継続中
火事が発生したのは今月15日(右:同社HPより)
《いつかこの子がドレスを着るまで生きたい》サウナ閉じ込め、夫婦は覆いかぶさるように…専門家が指摘する月額39万円サウナの“論外な構造”と推奨する自衛手段【赤坂サウナ2人死亡】
NEWSポストセブン
自らを「頂きおじさん」と名乗っていた小野洋平容疑者(右:時事通信フォト。今回の事件とは無関係)
《“一夫多妻男”が10代女性を『イヌ』と呼び監禁》「バールでドアをこじ開けたような跡が…」”頂きおじさん”小野洋平容疑者の「恐怖の部屋」、約100人を盗撮し5000万円売り上げ
NEWSポストセブン
ヴァージニア・ジュフリー氏と、アンドルー王子(時事通信フォト)
《“泡風呂で笑顔”の写真に「不気味」…》10代の女性らが搾取されたエプスタイン事件の「写真公開」、米メディアはどう報じたか 「犯罪の証拠ではない」と冷静な視点も
NEWSポストセブン
来季前半戦のフル参戦を確実にした川崎春花(Getty Images)
《明暗クッキリの女子ゴルフ》川崎春花ファイナルQT突破で“脱・トリプルボギー不倫”、小林夢果は成績残せず“不倫相手の妻”の主戦場へ
週刊ポスト
超有名“ホス狂い詐欺師風俗嬢”だった高橋麻美香容疑者
《超有名“ホス狂い詐欺師風俗嬢”の素顔》「白血病が再発して余命1か月」と60代男性から総額約4000万円を詐取か……高橋麻美香容疑者の悪質な“口説き文句”「客の子どもを中絶したい」
NEWSポストセブン