「チャイニーズドラゴン」の乱闘事件が起きた池袋の「サンシャイン60」(写真/共同通信社)

「チャイニーズドラゴン」の乱闘事件が起きた池袋のサンシャイン60(写真/共同通信社)

地下に潜る

 ドラゴンは2013年に警察庁から「準暴力団」(暴力団に準ずる反社会的勢力)に指定されており、実態解明と取り締まり強化の対象になっている。だが、今回の池袋での乱闘事件が示すように、準暴力団指定はドラゴンにとってさほど痛手にはなっていない。

『怒羅権(Dragon) 新宿歌舞伎町マフィア最新ファイル』(文春文庫)の著者でジャーナリストの小野登志郎氏が語る。

「現在のドラゴンは固い結束力を持ちつつ、緩やかな繋がりのなかで活動している集団なので、警察はメンバーの把握すら難しいのが現状です。高級クラブのオーナーをやっている者もいますし、商才に長けた者は中国に一時的に渡り、そこで財を成して日本に戻ってくるケースもある。経済力があり、地下に潜ろうと思えばいつでもできる。

 近年はベトナムマフィアなど東南アジア系の反社会勢力と距離を縮めるメンバーもおり、実態の解明が遠のくばかりです。警察が壊滅させることは難しいでしょう」

 そもそも準暴力団指定は暴力団対策法や都道府県の暴排条例と違い、メンバーへの法的な拘束力を持たない。

 現在、特定抗争指定暴力団となっている山口組は警察が指定した警戒区域内で組員が5人以上集まることすら禁止されている一方、ドラゴンは平然とパーティを開けるのだ。

「結局のところ、犯罪が起きない限り警察はドラゴンを捜査できないのです」(鈴木氏)

 人を食い殺す龍が、首輪も鎖もなく野放しになっている。

(了。前編から読む

※週刊ポスト2022年11月4日号

関連記事

トピックス

米利休氏のTikTok「保証年収15万円」
東大卒でも〈年収15万円〉…廃業寸前ギリギリ米農家のリアルとは《寄せられた「月収ではなくて?」「もっとマシなウソをつけ」の声に反論》
NEWSポストセブン
埼玉では歩かずに立ち止まることを義務づける条例まで施行されたエスカレーター…トラブルが起きやすい事情とは(時事通信フォト)
万博で再燃の「エスカレーター片側空け」問題から何を学ぶか
NEWSポストセブン
趣里と父親である水谷豊
《趣里が結婚発表へ》父の水谷豊は“一切干渉しない”スタンス、愛情溢れる娘と設立した「新会社」の存在
NEWSポストセブン
SNS上で「ドバイ案件」が大騒動になっている(時事通信フォト)
《ドバイ“ヤギ案件”騒動の背景》美女や関係者が証言する「砂漠のテントで女性10人と性的パーティー」「5万米ドルで歯を抜かれたり、殴られたり」
NEWSポストセブン
事業仕分けで蓮舫行政刷新担当大臣(当時)と親しげに会話する玉木氏(2010年10月撮影:小川裕夫)
《キョロ充からリア充へ?》玉木雄一郎代表、国民民主党躍進の背景に「なぜか目立つところにいる天性の才能」
NEWSポストセブン
“赤西軍団”と呼ばれる同年代グループ(2024年10月撮影)
《赤西仁と広瀬アリスの交際》2人を結びつけた“軍団”の結束「飲み友の山田孝之、松本潤が共通の知人」出会って3か月でペアリングの意気投合ぶり
NEWSポストセブン
米利休氏とじいちゃん(米利休氏が立ち上げたブランド「利休宝園」サイトより)
「続ければ続けるほど赤字」とわかっていても“1998年生まれ東大卒”が“じいちゃんの赤字米農家”を継いだワケ《深刻な後継者不足問題》
NEWSポストセブン
田村容疑者のSNSのカバー画像
《目玉が入ったビンへの言葉がカギに》田村瑠奈の母・浩子被告、眼球見せられ「すごいね。」に有罪判決、裁判長が諭した“母親としての在り方”【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
アメリカから帰国後した白井秀征容疑(時事通信フォト)
「ガイコツが真っ黒こげで…こんな残虐なこと、人間じゃない」岡崎彩咲陽さんの遺体にあった“異常な形跡”と白井秀征容疑者が母親と交わした“不穏なメッセージ” 〈押し入れ開けた?〉【川崎ストーカー死体遺棄】
NEWSポストセブン
赤西と元妻・黒木メイサ
《赤西仁と広瀬アリスの左手薬指にペアリング》沈黙の黒木メイサと電撃離婚から約1年半、元妻がSNSで吐露していた「哺乳瓶洗いながら泣いた」過去
NEWSポストセブン
元交際相手の白井秀征容疑者からはおびただしい数の着信が_(本人SNS/親族提供)
《川崎ストーカー死体遺棄》「おばちゃん、ヒデが家の近くにいるから怖い。すぐに来て」20歳被害女性の親族が証言する白井秀征容疑者(27)の“あまりに執念深いストーカー行為”
NEWSポストセブン
不倫疑惑が報じられた田中圭と永野芽郁
《永野芽郁のほっぺたを両手で包み…》田中圭 仲間の前でも「めい、めい」と呼ぶ“近すぎ距離感” バーで目撃されていた「だからさぁ、あれはさ!」
NEWSポストセブン