2017年、村上宗隆をドラフト1位指名し、抽選の当たりくじを手渡した小川淳司監督(時事通信フォト)

2017年、村上宗隆をドラフト1位指名し、抽選の当たりくじを手渡した小川淳司監督(時事通信フォト)

オリ最下位の年に指名された宮城、紅林

 現在、ヤクルトと日本シリーズを戦っているオリックスも高校生の上位指名が2連覇に結びついている。

「西村徳文監督時代の2019年、ドラフト1位で宮城大弥投手、2位で紅林弘太郎内野手を指名した。1年目最下位に終わった西村監督としては即戦力が欲しかったでしょう。しかし、1位指名で2回抽選負けしたこともあって、外れ1位で宮城を取った。結果的に、この2人は2年目の2021年から主力になった。中嶋聡監督の起用法や育成法が上手かったのは間違いありませんが、このドラフトはオリックスが常勝軍団となる上で大きかったと思います」

 高校生ドラ1の成功例を中心に振り返ってきたが、上手くいかないケースもある。他球団で見れば、暗黒期と呼ばれた1990年代の阪神は1991年に萩原誠内野手、1992年に安達智次郎投手、1994年に山村宏樹投手、1997年に中谷仁捕手、1998年に藤川球児投手という高校生を1位指名。藤川は岡田彰布監督で優勝した2005年にブレイクして球界を代表する投手になったが、他の選手は阪神では開花しなかった。山村が阪神から移籍後、近鉄や楽天で活躍した程度だ。

「よほどの大器でない限り、高校生のドラフト1位指名にはスカウトの眼、球団の育成法が問われる。それが上手く噛み合わなければ、全く成績を残すことなく終わってしまう選手も出てきてしまう。そのリスクは、ある程度出来上がっている大学生や社会人の指名よりも大きい。ヤクルトとオリックスはその眼力や指導力があったから、連覇できたと言えるでしょう」

 今年も多くの有望選手が指名されたが、ドラフトの結果は何年も経たないとわからない。

関連キーワード

関連記事

トピックス

水原一平氏のSNS周りでは1人の少女に注目が集まる(時事通信フォト)
水原一平氏とインフルエンサー少女 “副業のアンバサダー”が「ベンチ入り」「大谷翔平のホームランボールをゲット」の謎、SNS投稿は削除済
週刊ポスト
解散を発表した尼神インター(時事通信フォト)
《尼神インター解散の背景》「時間の問題だった」20キロ減ダイエットで“美容”に心酔の誠子、お笑いに熱心な渚との“埋まらなかった溝”
NEWSポストセブン
水原一平氏はカモにされていたとも(写真/共同通信社)
《胴元にとってカモだった水原一平氏》違法賭博問題、大谷翔平への懸念は「偽証」の罪に問われるケース“最高で5年の連邦刑務所行き”
女性セブン
富田靖子
富田靖子、ダンサー夫との離婚を発表 3年も隠していた背景にあったのは「母親役のイメージ」影響への不安か
女性セブン
尊富士
新入幕優勝・尊富士の伊勢ヶ濱部屋に元横綱・白鵬が転籍 照ノ富士との因縁ほか複雑すぎる人間関係トラブルの懸念
週刊ポスト
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
女性セブン
水原一平氏と大谷翔平(時事通信フォト)
「学歴詐称」疑惑、「怪しげな副業」情報も浮上…違法賭博の水原一平氏“ウソと流浪の経歴” 現在は「妻と一緒に姿を消した」
女性セブン
『志村けんのだいじょうぶだぁ』に出演していた松本典子(左・オフィシャルHPより)、志村けん(右・時事通信フォト)
《松本典子が芸能界復帰》志村けんさんへの感謝と後悔を語る “変顔コント”でファン離れも「あのとき断っていたらアイドルも続いていなかった」
NEWSポストセブン
水原氏の騒動発覚直前のタイミングの大谷と結婚相手・真美子さんの姿をキャッチ
【発覚直前の姿】結婚相手・真美子さんは大谷翔平のもとに駆け寄って…水原一平氏解雇騒動前、大谷夫妻の神対応
NEWSポストセブン
違法賭博に関与したと報じられた水原一平氏
《大谷翔平が声明》水原一平氏「ギリギリの生活」で模索していた“ドッグフードビジネス” 現在は紹介文を変更
NEWSポストセブン
カンニング竹山、前を向くきっかけとなった木梨憲武の助言「すべてを遊べ、仕事も遊びにするんだ」
カンニング竹山、前を向くきっかけとなった木梨憲武の助言「すべてを遊べ、仕事も遊びにするんだ」
女性セブン
大ヒットしたスラムダンク劇場版。10-FEET(左からKOUICHI、TAKUMA、NAOKI)の「第ゼロ感」も知らない人はいないほど大ヒット
《緊迫の紅白歌合戦》スラダン主題歌『10-FEET』の「中指を立てるパフォーマンス」にNHKが“絶対にするなよ”と念押しの理由
NEWSポストセブン