「せーの!アメリカ!」
実際、平野だけでなくメンバーは海外進出を目標に活動していた。
「海外で活躍するには日常会話程度の英語力は必須。メンバーも努力していました。でも多忙なこともあり、現状は厳しかった。そのレベルになるまでもう少し時間をかけた方がいいという認識を周囲は持っていたんです。そこにコロナ禍も重なり、実質ペンディングになっていたのは事実ですが、海外進出にネガティブな人もいませんでした」(前出・レコード会社関係者)
メンバーの意見が割れたことがあった。2020年11月、キンプリが情報番組『バゲット』(日本テレビ系)に出演した際、「来年の目標は」と聞かれたメンバーは「せーの!」と号令をかけて一斉に目標を口にした。このとき、平野と神宮寺は「アメリカ」と口を揃え、岸は「世界へ」と一言。3人は目標が一致したが、永瀬が口にしたのは「ライブ」だった。
「永瀬くんは国内に目を向けていたというのではなく、まずは目の前のファンに認めてもらい、日本でナンバーワンになったうえで、海外へ行きたいと考えていた。語学力など基礎もないまま夢を語るメンバーに“いまは目の前のことに集中しよう”と話すこともあった。
とはいえ、海外を目指すならいますぐ行くしかない。すぐにでも武者修行に行きたい、行かなければ始まらないという平野くんの強い思いもあった。この頃からでしょうか、少しずつ考えにズレが生じて、メンバーの雰囲気も変わっていったようです。いま思えば、その時期、永瀬くんが俳優として順調なキャリアを重ねていたことも影響していたのかもしれません」(撮影スタッフ)
撮影現場ではこんな様子も見られていた。ファッション誌関係者が打ち明ける。
「1年ほど前の撮影時、平野くん、神宮寺くん、岸くん、高橋くんの4人は仲よくじゃれあっていたけど、永瀬くんは遠くからポツンと見つめるだけでした。キャラといえばそうかもしれませんが、いつもとは違う様子に心配になりました。あんなに仲よかっただけに違和感がありました」
当初は全員が海外を目指していたが、活動する中で方向性の違いが明らかに。やがて、その違いは時間が経過するとともに大きくなった。別の芸能関係者が打ち明ける。
「自分たちより後にデビューしたSixTONESやSnow Manもどんどんファンを獲得していく。自分たちもさらなる高みを目指したいという思いを強くしていた。海外に目を向ければ、BTSら韓国アイドルが世界を席巻。平野さんが焦りを感じるのも無理はなかったかもしれません。具体的な道筋が見えないまま海外進出が遠のく現実に、平野さんは徐々に仕事へのモチベーションを失っていきました」
(後編に続く)
※女性セブン2022年11月24日号