芸能

『カメラを止めるな!』大ヒットの口火を切った劇場支配人が語る「絶好の作品との出会い」

劇場の廊下には、過去に上映したインディーズ映画のチラシが掲示されている

劇場の廊下には、過去に上映したインディーズ映画のチラシが掲示されている

 映画『カメラを止めるな!』(上田慎一郎監督)はワークショップ発の自主映画でありながら、二〇一八年六月に公開されると大きな話題を呼び、やがて全国規模に公開は拡大されて大ヒットを遂げる。そのヒットの口火を切ったのが新宿のK’sシネマと池袋シネマ・ロサだった。今回はシネマ・ロサ支配人の矢川亮氏に、映画史・時代劇研究家の春日太一氏がその興行の裏側を聞いた。

 * * *
矢川:もともと池袋シネマ・ロサでは自主映画の上映もやっていました。今、四十代半ばの人たち──例えば、入江悠監督や沖田修一監督の作品もうちで上映していました。その世代の監督作品は比較的かけていたのですが、そこからしばらくやらなくなったんです。といいますのも、それまでは都内で自主映画を上映する劇場というのがうちしかなかったのが、他にも出てきた。そうなると、渋谷や新宿がエリア的に中心になり、依頼を受ける頻度が減っていったんです。それがつい五、六年前ぐらいです。

──池袋シネマ・ロサというと自主映画の聖地のイメージがありましたが、途絶えていた時期もあったんですね。

矢川:はい。その時はロードショー映画が中心でした。ところが、今度は池袋東口の興行環境が激変するのが分かってきたんです。東宝さんと佐々木興業さん(※シネマサンシャイン)が、大きなシネコンを作る、と。そうなると全国ロードショー映画はやっぱり大手のシネコンさん中心になってしまう。それなら、最近はちょっと途絶えているけれども、以前のように自主制作のものに力を入れていこうか、という流れで再開しました。

──ちょうどそのタイミングだったんですね。

矢川:インディーズフィルム・ショウと名付けて「レーベル」っぽく始めました。その初期にいきなり『カメ止め』がぼーんと出てきちゃったという感じです。

関連記事

トピックス

ヴィクトリア皇太子と夫のダニエル王子を招かれた天皇皇后両陛下(2025年10月14日、時事通信フォト)
「同じシルバーのお召し物が素敵」皇后雅子さま、夕食会ファッションは“クール”で洗練されたセットアップコーデ
NEWSポストセブン
高校時代の青木被告(集合写真)
【長野立てこもり殺人事件判決】「絞首刑になるのは長く辛く苦しいので、そういう死に方は嫌だ」死刑を言い渡された犯人が逮捕前に語っていた極刑への思い
NEWSポストセブン
ラブホテルから出てくる小川晶・市長(左)とX氏
【前橋市・小川晶市長に問われる“市長の資質”】「高級外車のドアを既婚部下に開けさせ、後部座席に乗り込みラブホへ」証拠動画で浮かび上がった“釈明会見の矛盾”
週刊ポスト
米倉涼子を追い詰めたのはだれか(時事通信フォト)
《米倉涼子マトリガサ入れ報道の深層》ダンサー恋人だけではない「モラハラ疑惑」「覚醒剤で逮捕」「隠し子」…男性のトラブルに巻き込まれるパターンが多いその人生
週刊ポスト
問題は小川晶・市長に政治家としての資質が問われていること(時事通信フォト)
「ズバリ、彼女の魅力は顔だよ」前橋市・小川晶市長、“ラブホ通い”発覚後も熱烈支援者からは擁護の声、支援団体幹部「彼女を信じているよ」
週刊ポスト
新聞・テレビにとってなぜ「高市政権ができない」ほうが有り難いのか(時事通信フォト)
《自民党総裁選の予測も大外れ》解散風を煽り「自民苦戦」を書き立てる新聞・テレビから透けて見える“高市政権では政権中枢に食い込めない”メディアの事情
週刊ポスト
ソフトバンクの佐藤直樹(時事通信フォト)
【独自】ソフトバンクドラ1佐藤直樹が婚約者への顔面殴打で警察沙汰 女性は「殺されるかと思った」リーグ優勝に貢献した“鷹のスピードスター”が男女トラブル 双方被害届の泥沼
NEWSポストセブン
出廷した水原一平被告(共同通信フォト)
《水原一平を待ち続ける》最愛の妻・Aさんが“引っ越し”、夫婦で住んでいた「プール付きマンション」を解約…「一平さんしか家族がいない」明かされていた一途な思い
NEWSポストセブン
公務に臨まれるたびに、そのファッションが注目を集める秋篠宮家の次女・佳子さま(共同通信社)
「スタイリストはいないの?」秋篠宮家・佳子さまがお召しになった“クッキリ服”に賛否、世界各地のSNSやウェブサイトで反響広まる
NEWSポストセブン
司組長が到着した。傘をさすのは竹内照明・弘道会会長だ
「110年の山口組の歴史に汚点を残すのでは…」山口組・司忍組長、竹内照明若頭が狙う“総本部奪還作戦”【警察は「壊滅まで解除はない」と強硬姿勢】
NEWSポストセブン
「第72回日本伝統工芸展京都展」を視察された秋篠宮家の次女・佳子さま(2025年10月10日、撮影/JMPA)
《京都ではんなりファッション》佳子さま、シンプルなアイボリーのセットアップに華やかさをプラス 和柄のスカーフは室町時代から続く京都の老舗ブランド
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 電撃解散なら「高市自民240議席の激勝」ほか
「週刊ポスト」本日発売! 電撃解散なら「高市自民240議席の激勝」ほか
NEWSポストセブン