SNSを始めたきっかけは?
もともと会社のPRのために動画を始めたという
──そもそも、なぜSNSで動画配信をしようと思ったのですか。
ながの社長「会社のPRのためです。僕は自分の会社を全国規模にしていきたかったので、会社のファンを作りたかった。それにはSNSの活用は必要だな、という認識でした。大学で建築を学びずっと建築畑できて、29歳の頃からいつかは独立しようと計画していました。営業や管理職の経験を積み、人脈を広げ、2020年3月に『今だ!』と創業したのですが、起業したと思ったら、新型コロナウイルスの感染が急拡大。契約いただいていた仕事がすべてキャンセルになってしまいました。
もともと、SNSでの発信は起業時から構想に入っていたのですが、本業の建築業が起動に乗ってから始めようと思っていました。でも、コロナという想定外のことが起き、新しく名刺を渡すことすらできなくなり、急きょ2000万円の融資を受け、先行して始めるしかなくなったのです」
──会社のPRの方法として、選択肢はほかにもあります。なぜTikTokやYouTubeだったのですか。
ながの社長「基本的に文字と写真だけの新聞などの紙媒体の広告は、訴求効果が低いと思っていました。ブログやツイッターでも平行して発信してはいますが、動画のほうが効果が高いだろう、と。動画といってもネット広告やテレビCMを選ばなかったのは、TikTokやYouTubeは無料で掲載できるからです。とにかく、それが大きかった」
──ネット広告やテレビCMは費用はかかっても、多くの人の目に触れます。
ながの社長「たしかに、ネット広告やテレビCMの動画は、1回打っただけでも何千、何万の人の目に触れるかもしれません。それに比べ、TikTokやYouTubeは下手すれば10人や20人の目にしか触れないかもしれません。でも、それを毎日続けていれば“ちりも積もれば”だし、長い期間アピールし続けることができます。そして、うまくバズれば、ネット広告やテレビCM以上の訴求効果を得られると考えました」
──なるほど。でも、PR効果が出るまで時間がかかります。いつまでに、どれぐらいの効果が現われなかったらやめる、と区切りを考えて始めたのですか。
ながの社長「資金が尽きるまで、と考えていました(笑)。ただ、ケイタが試行錯誤しながらやっているのが伝わっていたので、いずれヒットすると信じて続けていました。建設業という本業があったのが強かったですね。幸い、コロナが落ち着いてくるにつれ、本業の受注が復活していきましたので」