「ヒットすると信じ続けていた」とながの社長
──SNS戦略が成功して、本業への効果は。
ながの社長「建設業の売り上げだけでも、50%以上アップです。他県から『動画のファンで』などとお声をかけていただくことが増え、とくに東名阪からの発注は金額も大きいので影響は大きいです。
最近ではSNSの収入も大きくなってきたので、来年、SNS部門を分社化しようと計画しています。ただ、SNSの分野を拡大していこうとは考えていません。弊社のPRとしての発信は継続しますが、本業は建設業ですし、外部のSNSをコンサルする仕事は効率的にそれほど良いわけではないので」
──SNS発信をするにあたって、気をつけていることはありますか。
ながの社長「企業アカウントなので、品が悪くならないようにしています」
ケイタさん「インパクトを強くしよう、とか、もっとバズらせよう、と考えると、過激になったり、オーバーなことをしたりしがちなので、そうならないよう気をつけています」
ながの社長「撮影の次の日は1日食事を抜いたりして、太らないよう、健康維持も心がけています。1日で何本も録るので、家での食事も普通にとると太ってしまいます。顔ツヤがいい、と言われることがありますが、エステに行ったりはしていません(笑)」
──会社で料理をいきなり作り出すというコンセプトを真似した動画が増えていますが、それについては。
ながの社長「むしろ歓迎しています。やられればやられるほど、弊社の注目度が上がるので」
ケイタさん「僕らのフォロワー数を超えられたらウカウカしていられないな、と思いますけど、そうでなければありがたいぐらいです。僕は食べ物ネタだけでもいくらでもあると思っているので、1ミリも困っていません」
──負けないぞ、という気迫を感じますね。これからも楽しみにしています。
【プロフィール】
長野雅樹(ながの・まさき)/1977年7月10日、岩手県陸前高田市生まれ。宮城県仙台市にある東北工業大学工学部建設学科を卒業後、総合設備会社入社。29歳で独立を考え始め、KDDI基地局の建設工事を中心に行う企業に転職するなど東北6県、東京、札幌などで経験を積み、2020年3月、仙台市に建設会社「株式会社リンクロノヴァ」設立。空調設備や電気設備など15種類の建設業許可を保有。家族は妻と子ども2人。
ケイタ/1994年12月25日、宮城県生まれ。大学で経済学を学び、2021年1月、「株式会社リンクロノヴァ」に正式採用されクリエイターとして活躍中。
取材・文/中野裕子 写真/小倉雄一郎