芸能

なぜ11月の今放送? “唐突特番”の乱発はテレビの新トレンドか

特番『あなたのコネのおかげです』が放送された(フジテレビHPより)

特番『あなたのコネのおかげです』が放送された(フジテレビHPより)

 テレビで放送される特別番組に最近、新たな傾向が見られるという。それは“唐突特番”とも言うべきものだという。いったいどういうものか? そしてテレビ局の狙いとは? コラムニストでテレビ解説者の木村隆志さんが解説する。

 * * *
 民放各局が改編期でもない11月中旬から下旬にかけて、ネット上に「何この番組?」「なぜ今これを放送?」などの声があがる特番を放送しています。10日~23日の2週間で放送される主なゴールデンタイム特番をざっと挙げていくと……

10日―『見抜けば儲かる!』(フジテレビ系)、『ベストヒット歌謡祭』(日本テレビ系)
11日―『学校中を笑わせよう!』(TBS系)
14日―『超逆境クイズバトル!! 99人の壁 サッカーSP』(フジテレビ系)
15日―『あなたのコネのおかげです』(フジテレビ系)
16日―『復活!人生が変わる1分間の深イイ話SP』(日本テレビ系)、『あいつ今何してる? 2時間SP』(テレビ朝日系)
17日―『歌のゴールデンヒット―歴代歌姫の1番売れた歌ランキングBest100―』(TBS系)
18日―『我流しか勝たん!全部やれば34万5542円節約できるぞSP』(フジテレビ系)、『サッカーW杯開幕直前 緊急アメトーーーーク! 日本代表応援芸人』(テレビ朝日系)
19日―『技術界の怪物が夢の対決!THEモンスターバトル』(TBS系)、『ドラフトコント2022』(フジテレビ系)
20日―『誰も知らない明石家さんま 第8弾』(日本テレビ系)
21日―『行列GET旅』(TBS系)
22日―『これが定番!世代別ベストソング ミュージックジェネレーション』(フジテレビ系)
23日―『天才たちのドッキリ 叡智のムダ使い』(TBS系)、『世界アニマル&キッズ動画スペシャル』(テレビ朝日系)

 これらはいずれも2時間以上のゴールデン特番。かつてレギュラー放送されていた『深イイ話』や『あいつ今何してる?』も含め、20日に開幕するサッカーワールドカップ関連の『99人の壁』と『アメトーーーク』以外は、「なぜ今?」と思わせるものばかりです。

 なぜ改編期でもない11月のゴールデンタイムに、レギュラー番組とはまったく関連のない“唐突特番”が連日放送されているのでしょうか。

「あの番組と似ている」特番がズラリ

 前述した特番の内訳を見ていくと、まず目につくのが、生活情報系の『見抜けば儲かる!』と『我流しか勝たん!』。ともに「日常生活で得すること」を前面に押し出した内容で、主婦層をメインターゲットに据えた視聴率で失敗しづらいタイプの番組です。

 次に注目したいのは、かつて放送されていた番組と似ている特番。『学校中を笑わせよう!』は『学校へ行こう!』(TBS系)、『あなたのコネのおかげです』は『グレートコネクション』(日本テレビ系)、『THEモンスターバトル』は『ほこ×たて』(フジテレビ系)や『魔改造の夜』(NHK)、『行列GET旅』は『いきなり!黄金伝説 大行列のできる即日完売グルメ』(テレビ朝日)あたりが思い浮かぶのではないでしょうか。同じTBSが手がけている『学校を笑わせよう!』は“セルフリメイク”の感がありますが、その他は「ウチでもこういう番組ができないか」という企画意図がうかがえます。

 幅広い年齢層の視聴が見込めるため、業界内で「企画に困ったときは歌」と言われる『歌のゴールデンヒット』『ミュージックジェネレーション』も含め、共通しているのは作り手たちの「失敗できない」という思い。休日だけでなく平日の夜も、録画に加えてVOD(ビデオ・オン・デマンド)やYouTubeなどのネット視聴が浸透してリアルタイムで見てもらうことが難しくなり、手堅い企画が選ばれているのでしょう。

関連キーワード

関連記事

トピックス

左:激太り後の水原被告、右:2月6日、懲役刑を言い渡された時の水原被告(左:AFLO、右:時事通信)
《3度目の正直「ついに収監」》水原一平被告と最愛の妻はすでに別居状態か〈私の夢は彼と小さな結婚式を挙げること〉 ペットとの面会に米連邦刑務局は「ノー!ノー!ノー!」
NEWSポストセブン
9月に成年式を控える悠仁さま(2025年4月、茨城県つくば市。撮影/JMPA)
悠仁さまが学園祭にご参加、裏方として“不思議な飲み物”を販売 女性グループからの撮影リクエストにピースサイン、宮内庁関係者は“会いに行ける皇族化”を懸念 
女性セブン
衆院広島5区の支部長に選出された今井健仁氏にトラブル(ホームページより)
【スクープ】自民広島5区新候補、東大卒弁護士が「イカサマM&A事件」で8000万円賠償を命じられていた
週刊ポスト
V9伝説を振り返った長嶋茂雄さんのロングインタビューを再録
【長嶋茂雄さんロングインタビュー特別再録】永久不滅のV9伝説「あの頃は試合をしていても負ける気がしなかった。やっていた本人が言うんだから間違いないよ」
週刊ポスト
“超ミニ丈”のテニスウェア姿を披露した園田選手(本人インスタグラムより)
《けしからん恵体で注目》プロテニス選手・園田彩乃「ほしい物リスト」に並ぶ生々しい高単価商品の数々…初のファンミ価格は強気のお値段
NEWSポストセブン
山尾志桜里氏(=左。時事通信フォト)と望月衣塑子記者
山尾志桜里氏“公認取り消し問題”に望月衣塑子記者が国民民主党・玉木代表を猛批判「自分で出馬を誘っておいて、国民受けが良くないと即切り捨てる」
週刊ポスト
「〈ゆりかご〉出身の全員が、幸せを感じて生きられるのが理想です。」
「自分は捨てられたと思うのは簡単。でも…」赤ちゃんポスト第1号・宮津航一さん(21)が「ゆりかごは《子どもの捨て場所》じゃない」と思う“理由”
NEWSポストセブン
浅草・浅草寺で撮影された台湾人観光客の写真が物議を醸している(Xより)
「私に群がる日本のファンたち…」浅草・台湾人観光客の“#羞恥任務”が物議、ITジャーナリスト解説「炎上も計算の内かもしれません」
NEWSポストセブン
ブラジルを公式訪問されている秋篠宮家の次女・佳子さま(時事通信フォト)
《スヤスヤ寝顔動画で話題の佳子さま》「メイクは引き算くらいがちょうどよいのでは…」ブラジル訪問の“まるでファッションショー”な日替わり衣装、専門家がワンポイントアドバイス【軍地彩弓のファッションNEWS】
NEWSポストセブン
2013年大阪桐蔭の春夏甲子園出場に主力として貢献した福森大翔(本人提供)
【10万人に6例未満のがんと闘う甲子園のスター】絶望を支える妻の献身「私が治すから大丈夫」オリックス・森友哉、元阪神・西岡や岩田も応援
NEWSポストセブン
ヨグマタ相川圭子 ヒマラヤ大聖者の人生相談
ヨグマタ相川圭子 ヒマラヤ大聖者の人生相談【第24回】現在70歳。自分は、人に何かを与えられる存在だったのか…これから私にできることはありますか?
週刊ポスト
「週刊ポスト」本日発売! 食卓を汚染する「危ない輸入冷凍食品」の闇ほか
「週刊ポスト」本日発売! 食卓を汚染する「危ない輸入冷凍食品」の闇ほか
NEWSポストセブン