嶺井がFA流出したことで、捕手陣は伊藤光、戸柱恭孝を中心に山本祐大もレギュラーを狙う。ドラフト1位ルーキーの大阪桐蔭・松尾汐恩を抜擢する可能性も十分に考えられる。ただ、現状の体制では厳しい。トレードで緊急補強に踏み切ることが考えられるが、即戦力の捕手は他球団になかなか見当たらない。昨年は夏場の快進撃で、リーグ連覇を飾ったヤクルトを猛追。前年の最下位から2位に躍進してセ・リーグを盛り上げたが、扇の要だった嶺井を失ったことで戦力ダウンは避けられない。
苦い歴史がある。1998年に38年ぶりのリーグ優勝、日本一に大きく貢献した名捕手・谷繁元信が2001年オフに中日へFA移籍。すると、横浜(現DeNA)は翌2002年から3年連続最下位と低迷。正捕手を固定できず、2012年までの11年間で最下位9度と暗黒時代をさまよった。
「当時は村田修一、内川聖一など強打者がそろっていたが、投手陣が崩壊状態だった。ただ投手だけの責任ではない。捕手もコロコロ変わり、レギュラーを固定できず投手を育てられなかった。現在は捕手の複数制を敷くチームが増えているが、それはハイレベルな競争の上に成り立っている。DeNAの捕手陣は奮起してほしいですね」(民放のテレビ関係者)
正捕手移籍のピンチを乗り越えられるか。
DeNA躍進には不可欠な存在だった嶺井(時事通信フォト)
ファンも見慣れた?雰囲気が重いベンチ(中畑清監督。時事通信フォト)
中畑清氏もチームの改革に苦労した(時事通信フォト)