芸能

映画『カメラを止めるな!』ヒットの裏側 劇場支配人が語る「世界で二館だけの上映」

劇中の1シーン(C)ENBUゼミナール

『カメラを止めるな!』公開当時の様子は?(C)ENBUゼミナール

『カメラを止めるな!』の大ヒットは、新宿のK’sシネマと池袋シネマ・ロサでの二館のみの上映から始まった。今回は公開当時の様子を、池袋シネマ・ロサ支配人の矢川亮氏に、映画史・時代劇研究家の春日太一氏が聞いた。

 * * *
矢川:K’sさんが「時間帯を分けて一緒に上映しましょう」と言ってくださったんです。普通だったら「いや、うちのネタだからさ」と言われてもおかしくないんです。そこを快く受け入れてくださった。

 K’Sさんは日中の上映で、池袋シネマ・ロサはレイトでやることになりました。

――最初から当たる予感はありましたか?

矢川:二週間か三週間ぐらいだったら、そこそこ成立するんじゃないかなというぐらいの感覚だったと思います。私も観て、「すごいな」とは思いましたけど、やっぱりゾンビ映画ですから客層が限られるのかなと。

 K’sさんは最初から毎回満席なんですよ。最初、K’sさんが昼間三回やって、もう満席、満席、満席。うちは初日は百人ぐらいで、二、三日目は五十人ほど。それでも、「昼間あれだけ入ったあとに夜になってもこれだけ来てくれるのはすごいね」っていう感じした。

 K’sさんの満席が土日を過ぎて、月曜日も火曜日も水曜日も、丸々一週間以上、全回満席。それがだんだん、やっぱり話題になって、「いつ行っても新宿では見られないけど、池袋はゆったりしてるみたい」ということで、徐々に増えて百人を超えるように。

 最初に満席になったのはサービスデーの日、七月一日ですね。K’sさんは八十四席で、うちは百七十七席あるので、これぐらいドーンと来る作品だと反響も大きいんです。

 満席が出ると「うわあ、池袋シネマ・ロサも人が入りだしてる。とにかく早く見に行かなきゃ」っていう機運が出てきたという感じです。

 二館で上映していた時期が七月半ばまでいくので、およそ一か月ぐらいは、作品を観たいと思っても世界でK’sさんと当館だけという状態でした。K’sさんは相変わらずずっと満席で、うちもだんだん百人超え、百三十人超え、満席と、本当に加速度的に増えていきましたね。

関連記事

トピックス

生成AIを用いた佳子さまの動画が拡散されている(時事通信フォト)
「佳子さまの水着姿」「佳子さまダンス」…拡散する生成AI“ディープフェイク”に宮内庁は「必要に応じて警察庁を始めとする関係省庁等と対応を行う」
NEWSポストセブン
麻辣湯を中心とした中国発の飲食チェーン『楊國福』で撮影された動画が物議を醸している(HP/Instagramより)
〈まさかスープに入れてないよね、、、〉人気の麻辣湯店『楊國福』で「厨房の床で牛骨叩き割り」動画が拡散、店舗オーナーが語った実情「当日、料理長がいなくて」
NEWSポストセブン
保護者を裏切った森山勇二容疑者
盗撮逮捕教師“リーダー格”森山勇二容疑者在籍の小学校は名古屋市内で有数の「性教育推進校」だった 外部の団体に委託して『思春期セミナー』を開催
週刊ポスト
まだ重要な問題が残されている(中居正広氏/時事通信フォト)
中居正広氏と被害女性Aさんの“事案後のメール”に「フジ幹部B氏」が繰り返し登場する動かぬ証拠 「業務の延長線上」だったのか、残された最後の問題
週刊ポスト
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《ブログが主な収入源…》女優・遠野なぎこ、レギュラー番組“全滅”で悩んでいた「金銭苦」、1週間前に公表した「診断結果」「薬の処方」
NEWSポストセブン
新宿・歌舞伎町で若者が集う「トー横」
虐待死の事例に「自死」追加で見えてきた“こどもの苛烈な環境” トー横の少女が経験した「父親からの虐待」
NEWSポストセブン
生徒のスマホ使用を注意しても……(写真提供/イメージマート)
《教員の性犯罪事件続発》過去に教員による盗撮事件あった高校で「教員への態度が明らかに変わった」 スマホ使用の注意に生徒から「先生、盗撮しないで」
NEWSポストセブン
京都祇園で横行するYouTuberによる“ビジネス”とは(左/YouTubeより、右/時事通信フォト)
《芸舞妓を自宅前までつきまとって動画を回して…》京都祇園で横行するYouTuberによる“ビジネス”「防犯ブザーを携帯する人も」複数の被害報告
NEWSポストセブン
インフルエンサーのアニー・ナイト(Instagramより)
海外の20代女性インフルエンサー「6時間で583人の男性と関係を持つ」企画で8600万円ゲット…ついに夢のマイホームを購入
NEWSポストセブン
ホストクラブや風俗店、飲食店のネオン看板がひしめく新宿歌舞伎町(イメージ、時事通信フォト)
《「歌舞伎町弁護士」のもとにやって来た相談者は「女風」のセラピスト》3か月でホストを諦めた男性に声を掛けた「紫色の靴を履いた男」
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《自宅から遺体見つかる》遠野なぎこ、近隣住民が明かす「部屋からなんとも言えない臭いが…」ヘルパーの訪問がきっかけで発見
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 万引き逮捕の350勝投手が独占懺悔告白ほか
「週刊ポスト」本日発売! 万引き逮捕の350勝投手が独占懺悔告白ほか
NEWSポストセブン