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「テレビ通話をつなげて…」性的暴行を“実行役”に指示した松田烈被告(27)、元交際相手への卑劣すぎる一連の犯行内容「下水の点検を装って侵入」【初公判】

松田烈被告(関係者提供)

 特殊詐欺をはじめとするSNSを通じて企てられる犯罪は、昨今の社会問題になっている。そうした中で、驚きという言葉だけでは言い表せないようなSNSを悪用した事件が今年6月、東京都板橋区のマンションで発生した。

 住居侵入罪、不同意性交等罪に問われている松田烈被告(27)の起訴内容は以下の通りだ。

「性的暴行してくれる人を募集」──松田被告はネット掲示板を通じて、元交際相手である女性・Aさんに性的暴行を加えるよう募集をかけた。申し込んだ共犯者のXは松田被告の指示のもと、深夜Aさんの自宅マンションに「下水道の点検」などと説明して玄関ドアから侵入。その後、Xは口を塞ぎ「叫んだら殺す」などと脅して、Aさんの両手を結束バンドで結び、性交及び口腔性交を行ったというものだ。

 松田被告はプロボクサーを目指して、都内のボクシングジムに通っていた時期もあるという。SNSを使った“強姦代行”とも言えるこの事件は、なぜ発生したのか。9月16日、東京地裁で開かれた松田被告の第一回公判では、身の毛もよだつ犯行内容が検察官によって読み上げられた。裁判ライターの普通氏がレポートする。

「下水道の緊急点検」と偽って…

 体格は小柄ながら、坊主頭に厳しい目つきをしていた松田被告。しかし、言葉の話すトーンは妙に柔らかい印象だった。

 事件内容については、Xとの共謀の事実、Xに口腔性交させた事実は認めたものの、性交させた事実については認めず、一部否認となった。その際、立ちながら足を左右にフラフラさせており、落ち着きのない様子が印象的であった。

 一部否認をしているので、詳細な事実認定は今後の裁判の進行によるところであるが、以下は検察側が初公判の冒頭陳述で述べた主張である。

 被告人は中学を卒業後、職業を転々としており、裁判時においては住居不定無職の状態であった。

 Aさんとはマッチングアプリで4年ほど前に出会った。被告人はAさんの家賃を肩代わりするなど経済的に支援していたが、事件の数カ月前にAさんから連絡を拒絶されるようになる。この理由は、現状では法廷では明らかにされていない。

 そのような経緯から、Aさんに怒りを覚え、「無理やりレイプされているのを見たい」などと思うようになったという。ネット掲示板で共犯者を募り、犯行を実行したら報酬を払う旨を記載したところ、Xが申し込んだという。

 Xは事件当日の深夜0時ごろ、下水道の緊急点検などと嘘の口実でAさん宅を訪れ、侵入。Aさんを浴室に呼び出して一連の犯行を行い、口腔内に射精した。犯行の様子はXから被告人にビデオ通話を通じて送られており、被告人が自身の携帯にスクリーンショットを保存していたとされているが、前述の通り被告人は犯行内容を一部否認しており、どこまでの証拠が残されているのかはわからない。

 犯行後、XはAさんに対し「数時間はまだ近辺にいる。(通報等したら)他の人が殺しに来るからね」などと脅し、その場を後にした。

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