1993年には「ドーハの悲劇」を体験(右が森保氏/時事通信フォト)

1993年には「ドーハの悲劇」を体験(右が森保氏/時事通信フォト)

 穏やかなように見える森保監督だが、重要な場面では檄を飛ばすこともあった。ドイツに勝利して臨んだコスタリカ戦の舞台裏を収めた動画には、ハーフタイムのロッカールームで、「相手、死に物狂いで来てるぞ、球際!」などと怒鳴るような口調で選手を鼓舞する様子が映し出されていた。

「森保監督は、大事な試合で腰が引けていたり、萎縮していたりというときには檄を飛ばしますね。普段から大声を出すタイプではないので、選手は気持ちが引き締まると思いますよ」(中野さん)

 まず選手の話を聞くスタイルは、本大会でも変わらなかった。スペイン戦の2日前には、鎌田大地(26才)の提案で、戦術の変更があったという。

「その戦術という点でも、森保監督は評価されています。彼はよく試合中にメモを取り、選手交代や戦術変更を考えているようですが、そのメモには対戦国を倒す秘策が書かれていると注目されていました。対戦国のサポーターからは、その姿を“まるでデスノートを持つ悪魔だ”と恐れられていたほどです(笑い)。

 森保監督は選手との交際術、そして戦術的にも、まるで悪魔のように恐ろしい能力を発揮した、ということでしょう」(サッカージャーナリスト)

 そして挑んだクロアチア戦。前半43分に前田大然(25才)のゴールで先制するも、後半10分にクロアチアに同点弾を決められ、以降は両者譲らず、最後はPKで力負けした。

 試合後、ピッチ中央に選手たちを集めた森保監督は円陣を組み「努力は色あせることはない、無駄なことはなかった」「この悔しさを次の成長につなげてほしい」と語りかけたという。森保監督は、早くも監督続投が濃厚とされており、2023年1月までには正式にオファーが出されるそうだ。4年後の「新時代」に向けて、戦いは始まっている。

※女性セブン2023年1月1日号

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