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60代女性記者が紅白に「知らない歌手が大勢だし、マンネリメンバーは見飽きた」

昨年に続き「若者シフト」な出場歌手が並んだNHK紅白歌合戦(イメージ、時事通信フォト)

昨年に続き「若者シフト」な出場歌手が並んだNHK紅白歌合戦(時事通信フォト)

 年末恒例の「NHK紅白歌合戦」の出場者が発表された。『女性セブン』の名物ライター“オバ記者”こと野原広子が、現在の紅白に対して厳しい意見をぶつける。

 * * *
 毎年12月になると、同い年の友達と交わす恒例の行事があるの。それは『NHK紅白歌合戦』の出場歌手の面々に腹を立てて、「どういうことよ!?」と怒ること。

 怒りの内容は2つ。1つは、歌も名前も知らない歌手が大勢出ていること。もう1つは、代わり映えしないマンネリメンバーで「見飽きた」という話よ。

 で、勢いづいた私たちは「昔の紅白はこんなに面白かった」という思い出話にふけるわけ。これを“年寄りの繰り言”というのかと思わないでもないけれど、まぁ、いいじゃないの。

 思えば昭和30年代初めに生まれた私にとって、物心がついたときから20代半ばまで、紅白の視聴率はずっと70%超。全国民が同じ番組を見ているのは気持ち悪い、というのはいまの感覚で、当時はそれが「ふつう」だったの。

 いま思い出しても興奮するのが、昭和の紅白で恒例だった、紅組のラインダンスよ。全出場女性歌手が「イエィ」と言いながら、スカートをひらひら跳ね上げて脚を上げる。子供心に(あのベテラン歌手も脚を上げるのか)とハラハラしながらブラウン管にかじりついていると、「でたぁーっ!!」。きっとそのために練習したのよね。意外にも引き締まった脚に感心しきり。でも、もしこれをいまやったら「セクハラ」の4文字で終了。非難の嵐で番組そのものが消滅するに違いないわ。

 なぁーんて話を2022年もしたくて友達に電話をかけたのに、「ああ、もぅどうでもいいよ。きっと紅白は見ない、てか、テレビをつけないと思う」って話題を変えられちゃった。

 そりゃあ、名前すら読めない歌手が何人もいるし、変身した氷川きよしに興味があるかというと、それほどでもない。どうでもいいと言えばそうかもしれない。それでも胸のモヤモヤが消えないのは、紅白歌手の悪口を言う相手すらなくして寂しいからかもね。確実に時代から取り残されたということだもの。

 そんなことをつらつら考えていたら、私にとって間違いなく「紅白の象徴」だった小林幸子さん(69才)の顔が浮かんだの。

 話は1995年にさかのぼるんだけど、当時、小林さんの電飾装置のド派手衣装が紅白の目玉になっていてね。

 それをよく思わないベテラン歌手がいて、2人の軋轢が週刊誌ネタになっていた、まさにそのとき。正面から小林さんにインタビューを申し込んだわけ。

 折しもその年は戦後50年。「なんでも戦後50年史」という企画で、各界を代表する人から話を聞いて、いろんな角度から戦後50年を振り返るという趣向でね。小林さんには「戦後の有名歌手50年史」の語り手として登場していただいたわけ。

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